PTA総会議事録の書き方完全ガイド|初心者でも5ステップで完成するテンプレートと署名人の選び方

学校・PTA

PTA総会の議事録作成で「何を書けばいいのかわからない」「署名人はどう選ぶべき?」と悩んでいませんか。

議事録は総会で決定した事項を正式に記録する重要な文書です。適切な記載がないと、後で決定内容について疑義が生じる可能性があります。

この記事では、全国PTA連絡協議会の指針に基づいた正しい議事録の書き方と、すぐに使えるテンプレートをご紹介します。署名人の選び方から書面表決時の記載方法まで、実務で必要な知識を網羅的に解説します。

この記事で解決できる悩み

  • 「議事録の書き方がわからない」→ 基本テンプレートですぐ解決
  • 「署名人をどう選べばいい?」→ 選任方法と注意点を明確化
  • 「書面表決の記載方法は?」→ 具体的な書式例を提示
  • 「保管や公開はどうする?」→ 個人情報保護を含む実務手順

すぐ使えるPTA総会議事録テンプレート

まず、基本的な議事録のテンプレートをご紹介します。【 】内を実際の情報に置き換えるだけで、適切な議事録が作成できます。

PTA総会議事録

1. 開催日時:令和【○】年【○】月【○】日(【○】)【○】時【○】分~【○】時【○】分

2. 開催場所:【○○学校】【○】階【○○室】
   (書面表決・オンライン併用の場合はその旨記載)

3. 総会成立の確認
   ・会員総数:【○○○】名
   ・出席者:【○○】名
   ・委任状:【○○】名
   ・書面表決:【○○】名
   ・定足数:【規約第○条により会員の○分の1以上】
   → 上記により総会は成立

4. 議長選出:【○○○○】(保護者代表)
   書記:【○○○○】

5. 議事録署名人の選任
   議長の指名により以下2名が選任された
   署名人:【○○○○】
   署名人:【○○○○】

6. 議事
   第1号議案:【令和○年度事業報告承認の件】
   提案者:【○○○○】
   審議の要点:【質疑・意見の要旨】
   採決結果:賛成【○○】票、反対【○】票 → 可決

   第2号議案:【令和○年度決算承認の件】
   提案者:【○○○○】
   審議の要点:【質疑・意見の要旨】
   採決結果:賛成【○○】票、反対【○】票 → 可決

   第3号議案:【令和○年度事業計画承認の件】
   提案者:【○○○○】
   審議の要点:【質疑・意見の要旨】
   採決結果:賛成【○○】票、反対【○】票 → 可決

   第4号議案:【令和○年度予算承認の件】
   提案者:【○○○○】
   審議の要点:【質疑・意見の要旨】
   採決結果:賛成【○○】票、反対【○】票 → 可決

   第5号議案:【役員選出の件】
   選出方法:【推薦・選挙】
   選出結果:会長【○○○○】、副会長【○○○○】他
   就任承諾:全員が承諾

7. 連絡事項:【必要に応じて記載】

8. 閉会:【○】時【○】分

9. 備考
   ・書面表決実施:【実施した場合の概要】
   ・オンライン開催:【実施した場合の概要】

以上、議事の経過及び結果を明確にするため、この議事録を作成し、議長及び署名人が署名する。

令和【○】年【○】月【○】日

議長     【○○○○】 印
署名人    【○○○○】 印
署名人    【○○○○】 印

PTA総会議事録の基本的な書き方

適切な議事録を作成するために、以下の5つのポイントを押さえましょう。

1. 基本情報を正確に記載する

日時、場所、出席者数は議事録の信頼性を左右する重要な情報です。特に総会の成立要件について、会員総数と出席者・委任状・書面表決の内訳を明確に記載してください。

記載必須項目

  • 開催日時(開始・終了時間まで)
  • 開催場所(オンライン開催の場合はその旨)
  • 会員総数と出席状況の内訳
  • 定足数の根拠(規約第○条)
  • 総会成立の宣言

2. 議長と署名人を明記する

全国PTA連絡協議会によると、書面表決の場合でも「議長及び議事録署名人2名は出席し、議事録などを適切に作成することが一般的」とされています。

議長は総会の司会進行を行った人、署名人は議事録の内容が正確であることを証明する人です。

3. 各議案の審議内容を要約する

議案ごとに以下の流れで記載します:

  1. 議案名と提案者
  2. 審議の要点(主な質疑や意見の要旨)
  3. 採決結果(賛成・反対の票数)
  4. 決議結果(可決・否決)

発言を一言一句記録する必要はありません。要点を簡潔にまとめることが重要です。

4. 役員選出の記録を残す

役員選出が行われた場合は、選出方法(推薦・選挙)、候補者名、就任承諾の有無を記載します。

5. 署名と押印を適切に行う

議事録の最後に、議長と署名人2名が署名・押印します。これにより議事録の正確性が担保されます。

議事録署名人の選び方と役割

議事録署名人は、議事録の内容が正確であることを証明する重要な役割を担います。

署名人になれる人の条件

  • 総会に出席したPTA会員であること
  • 議事録の内容を確認できること
  • 署名・押印に応じられること

PTAの規約に特別な定めがない限り、出席した保護者や教職員から選任できます。

署名人の選任方法

一般的な選任方法

  • 議長による指名(最も一般的)
  • 総会での推薦・選出
  • PTA役員からの選任
  • 事前に規約で定められた方法

選任は総会の冒頭で行い、選任された旨を議事録に記載します。

署名人が不足する場合の対応

出席者が少なく署名人2名を確保できない場合は、以下の対応を検討してください:

  • 議事録にその旨を記載し、可能な範囲で署名を行う
  • 後日、適切な署名人を確保して追加署名する
  • 規約改正により署名人数の見直しを検討する

書面表決・オンライン開催時の記載方法

コロナ禍以降、書面表決やオンライン開催を採用するPTAが増えています。これらの場合の記載方法をご紹介します。

書面表決実施時の記載例

■書面表決の実施について
実施方法:議決権行使書による書面表決
配布方法:【郵送・配布・オンライン】
回収期限:令和○年○月○日
回収方法:【郵送・提出・オンライン】

■集計結果
配布数:【○○○】通
回収数:【○○○】通(回収率【○○】%)
有効票:【○○○】票
無効票:【○○】票

各議案の賛否は以下のとおり集計された。
(無記入は規約第○条により【賛成・棄権】として扱った)

オンライン開催時の記載例

■開催方法
会場参加:【○○】名(【○○学校○○室】)
オンライン参加:【○○】名(Zoom使用)
本人確認:【ログイン時に氏名確認・事前登録制】

■議決方法
採決はオンライン投票システム【または挙手・チャット】により実施
投票は匿名性を保持しつつ、重複投票を防止する仕組みで運用

議事録作成でよくあるトラブルと対処法

実際の議事録作成では、様々な問題が発生することがあります。事前に対処法を知っておくことで、適切に対応できます。

署名人関連のトラブル

ケース1:署名人が署名を拒否する場合

対処法:議事録の内容に誤りがないか再確認し、修正が必要な場合は修正版を作成。それでも署名を拒否される場合は、その旨を議事録に記載し、他の出席者から新たな署名人を選任する。

ケース2:署名人が総会後に連絡が取れない場合

対処法:議事録に「署名人○○氏は連絡不通のため署名できず」と記載し、代替の署名人を確保するか、議長のみの署名で対応。規約改正により柔軟な運用を検討。

書面表決関連のトラブル

ケース3:回収率が著しく低い場合

対処法:定足数を満たしているか規約を確認。満たしていない場合は総会不成立として、再度総会を開催するか、規約改正により定足数の見直しを検討。

ケース4:無効票の判定基準が不明確な場合

対処法:事前に判定基準を明文化し、総会資料に記載。判定に迷う票については、議長と複数の役員で協議して決定し、その経過を議事録に記載。

作成した議事録は適切に保管し、必要に応じて公開します。

保管方法

保管の基本ルール

  • 原本はPTA本部で厳重に保管
  • 保管期間は規約で定める(一般的に5年程度)
  • デジタル化してバックアップを作成
  • 閲覧請求に対応できる体制を整備

公開時の注意点

議事録を会員に配布する際は、個人情報保護に配慮します:

  • 役員以外の個人名は原則として非公開
  • 発言者の氏名は掲載しない
  • 決議結果と要点のみを公開版として作成

公開版議事録の例

令和○年度PTA総会結果報告

■開催概要
日時:令和○年○月○日
参加:会員○○○名中、出席○名・委任○名・書面表決○名

■決議結果
第1号議案(事業報告):賛成○○票で承認
第2号議案(決算報告):賛成○○票で承認
第3号議案(事業計画):賛成○○票で承認
第4号議案(予算案):賛成○○票で承認
第5号議案(役員選出):承認(役員名簿は別途配布)

■主な質疑
・【質問内容の要点】
・【回答の要点】

詳細は本部までお問い合わせください。

よくある質問

書面表決でも署名人2名は必要ですか?

全国PTA連絡協議会によると「書面表決の場合でも、会議は開催扱いとなり、議長及び議事録署名人2名は出席し、議事録などを適切に作成することが一般的」とされています。可能な限り2名の署名人を確保してください。

署名人に適任者がいない場合はどうしますか?

出席者の中から選任するのが原則ですが、困難な場合は議事録にその旨を記載し、議長1名での署名も検討されます。ただし、今後は署名人確保を前提とした開催計画を立てることをお勧めします。

発言者の名前は記載すべきですか?

公開版の議事録では、個人情報保護の観点から発言者名は記載しません。「質問があり」「意見が出された」程度の記載に留め、発言の要点のみを記録します。

議事録の作成期限はありますか?

法的な期限はありませんが、総会から1か月以内の作成・配布が一般的です。記憶が鮮明なうちに作成し、署名人の確認を得ることが重要です。

電子署名は有効ですか?

PTAの議事録に電子署名の法的な規定はありませんが、慣例として手書き署名・押印が一般的です。電子署名を採用する場合は、事前に規約改正を検討することをお勧めします。

議事録の修正が必要になった場合は?

重要な誤りが判明した場合は、修正箇所を明記し、議長と署名人の承認を得て修正版を作成します。修正理由と修正日も記載してください。

まとめ

PTA総会議事録の作成は、決定事項を正式に記録する重要な作業です。この記事で紹介したテンプレートと手順に従えば、適切な議事録を作成できます。

特に重要なポイントは以下の通りです:

  • 基本情報(日時・場所・出席状況)の正確な記載
  • 議長と署名人2名による署名・押印
  • 各議案の審議要点と決議結果の記録
  • 書面表決・オンライン開催時の特記事項
  • 個人情報に配慮した適切な保管・公開

議事録作成を通じて、PTAの透明性と信頼性を高めることができます。わからない点があれば、Microsoft公式のPTAテンプレートなども参考にしながら、各校の実情に合わせて作成してください。

参考文献・引用情報