【保存版】ビジネスメール「時候の挨拶」の書き方|失敗しない月別の例文集

ビジネス連絡

「時候の挨拶はどう書けばいいのか分からない」「季節感がズレて相手に失礼になったらどうしよう」と悩んでいませんか。

時候の挨拶は、ビジネスメールで相手との信頼関係を築き、好印象を与える重要な要素です。しかし、間違った季節表現を使ったり、相手との関係性に合わない表現を選んだりすると、逆効果になってしまうことも。

実は、効果的な時候の挨拶には明確なルールがあります。月別の適切な表現と、相手との関係性に応じた使い分けを覚えることで、自然で印象の良いメールコミュニケーションが実現できます。

この記事では、実際のビジネスシーンで使える具体的な例文から、季節感のズレを防ぐ実践的なコツまで、時候の挨拶の使い方をご紹介します。

この記事で分かること

  • 相手別・月別の時候の挨拶例文
  • 季節のズレを防ぐ実践的なコツ
  • フォーマル・標準・カジュアルの使い分け方法
  • 状況別メールテンプレート(コピペ対応)
  • よくあるNG例と改善法

時候の挨拶の基本原則

効果的な時候の挨拶を書くために、まず押さえるべき基本原則があります。

原則1:簡潔性を重視する
時候の挨拶は1文程度に収め、すぐに本題に入るのがマナーです。長すぎる前置きは相手の時間を奪います。

原則2:相手との関係性に合わせる
初回の相手にはフォーマル、定期的なやり取りには標準、親しい関係にはカジュアルな表現を選択します。

原則3:実際の気候に配慮する
暦上の季節と実際の天候にズレがある場合は、現実に即した表現を心がけます。

相手別・場面別の使い分け基準

時候の挨拶は、相手との関係性と場面に応じて3つのレベルに分けて使い分けます。

レベル 対象 特徴 具体例
フォーマル 初回連絡・重要な取引先・役員クラス 漢語調・格式重視 新春の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこと
標準 定期的な取引先・上司・他部署 自然で丁寧 新年あけましておめでとうございます
カジュアル 親しい同僚・定期連絡・社内メール 親しみやすい 寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか

月別時候の挨拶一覧

各月ごとに、フォーマル・標準・カジュアルの3段階で使い分けできる表現をまとめました。二十四節気を参考に前半・後半に分けています。

1月(睦月)の時候の挨拶

時期 フォーマル 標準 カジュアル
前半(1-15日) 新春の候、皆様におかれましてはご清栄のこと 新年あけましておめでとうございます お正月気分も抜けて、いかがお過ごしでしょうか
後半(16-31日) 大寒の候、貴社ますますご発展のこと 寒さが一段と厳しくなってまいりました 寒い日が続きますが、体調はいかがですか

2月(如月)の時候の挨拶

時期 フォーマル 標準 カジュアル
前半(1-15日) 立春の候、皆様におかれましてはご健勝のこと 暦の上では春ですが、まだ寒い日が続きます まだまだ寒いですが、体調を崩されていませんか
後半(16-28日) 余寒の候、貴社いよいよご隆盛のこと 寒さの中にも春の気配を感じる頃となりました 少しずつ日が長くなってきましたね

3月(弥生)の時候の挨拶

時期 フォーマル 標準 カジュアル
前半(1-15日) 早春の候、皆様におかれましてはご清栄のこと 春の気配を感じる季節となりました だんだん暖かくなってきましたね
後半(16-31日) 春分の候、貴社ますますご繁栄のこと 春の訪れを感じる今日この頃 桜の便りが待ち遠しい季節ですね

4月(卯月)の時候の挨拶

時期 フォーマル 標準 カジュアル
前半(1-15日) 桜花の候、皆様におかれましてはご健勝のこと 桜の便りが聞かれる季節となりました 新年度が始まり、お忙しいことと思います
後半(16-30日) 晩春の候、貴社いよいよご隆盛のこと 花見の季節も過ぎ、青葉が美しい頃となりました 新緑が眩しい季節になりましたね

5月(皐月)の時候の挨拶

時期 フォーマル 標準 カジュアル
前半(1-15日) 新緑の候、皆様におかれましてはご清栄のこと 新緑が美しい季節となりました ゴールデンウイークはいかがお過ごしでしたか
後半(16-31日) 初夏の候、貴社ますますご発展のこと 緑が深まり、爽やかな風が心地よい季節です 過ごしやすい季節になりましたね

6月(水無月)の時候の挨拶

時期 フォーマル 標準 カジュアル
前半(1-15日) 初夏の候、皆様におかれましてはご健勝のこと 梅雨入りとなり、蒸し暑い日が続いております そろそろ梅雨入りでしょうか
後半(16-30日) 梅雨の候、貴社ますますご繁栄のこと 梅雨空が続いておりますが じめじめした天気が続きますが

7月(文月)の時候の挨拶

時期 フォーマル 標準 カジュアル
前半(1-15日) 向暑の候、皆様におかれましてはご清栄のこと 梅雨明けが待ち遠しい今日この頃 暑くなってきましたが、体調はいかがですか
後半(16-31日) 盛夏の候、貴社いよいよご発展のこと 連日暑い日が続いておりますが 暑い日が続きますが、夏バテなどされていませんか

8月(葉月)の時候の挨拶

時期 フォーマル 標準 カジュアル
前半(1-15日) 盛夏の候、皆様におかれましてはご健勝のこと 厳しい暑さが続いておりますが お盆休みはいかがお過ごしでしたか
後半(16-31日) 晩夏の候、貴社ますますご隆盛のこと 残暑厳しい折、いかがお過ごしでしょうか まだまだ暑い日が続きますね

9月(長月)の時候の挨拶

時期 フォーマル 標準 カジュアル
前半(1-15日) 初秋の候、皆様におかれましてはご清栄のこと 暦の上では秋ですが、まだ暑い日が続きます 少しずつ秋の気配を感じるようになりました
後半(16-30日) 秋分の候、貴社いよいよご発展のこと 朝夕はしのぎやすくなりました 少しずつ涼しくなってきましたね

10月(神無月)の時候の挨拶

時期 フォーマル 標準 カジュアル
前半(1-15日) 秋涼の候、皆様におかれましてはご健勝のこと 秋も深まり、過ごしやすい季節となりました 涼しくなって、気持ちの良い季節ですね
後半(16-31日) 錦秋の候、貴社ますますご繁栄のこと 紅葉の便りが聞かれる季節となりました 紅葉が美しい季節になりましたね

11月(霜月)の時候の挨拶

時期 フォーマル 標準 カジュアル
前半(1-15日) 深秋の候、皆様におかれましてはご清栄のこと 朝夕の冷え込みが厳しくなってまいりました 朝晩冷え込むようになりましたが
後半(16-30日) 晩秋の候、貴社いよいよご隆盛のこと 木々の色づきが美しい季節となりました 紅葉狩りにはよい季節ですね

12月(師走)の時候の挨拶

時期 フォーマル 標準 カジュアル
前半(1-15日) 初冬の候、皆様におかれましてはご健勝のこと 師走に入り、何かとお忙しいことと存じます 忙しい師走になりましたが
後半(16-31日) 師走の候、貴社いよいよご清栄のこと 今年も残すところわずかとなりました 忙しい年末ですが、いかがお過ごしですか

状況別メールテンプレート

実際のビジネスシーンで使える、時候の挨拶を含むメールテンプレートをご紹介します。

新規取引・初回連絡

1. 新規営業メール(フォーマル)

件名:【ご挨拶】株式会社○○の△△と申します

【会社名】【部署名】
【氏名】様

新緑の候、皆様におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

突然のご連絡失礼いたします。
株式会社△△の営業部○○と申します。

この度は、弊社の○○サービスについて
ご紹介させていただきたく、ご連絡いたしました。

貴社の○○事業の発展に少しでもお役に立てるよう、
精一杯サポートさせていただければと存じます。

まずは簡単な資料をお送りいたしますので、
ご確認いただければ幸いです。

過ごしやすい季節ですが、お体にお気をつけください。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

—-------
【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
—-------

2. 紹介による初回連絡(標準)

件名:【ご紹介】△△様からご紹介いただきました○○です

【会社名】【部署名】
【氏名】様

春の気配を感じる季節となりましたが、
いかがお過ごしでしょうか。

△△様からご紹介いただきました、
株式会社○○の△△と申します。

△△様から○○様のお取り組みについて伺い、
ぜひ一度お話しさせていただければと思い、
ご連絡いたしました。

○○についてのご相談など、
何かお役に立てることがあるかもしれません。

もしよろしければ、お時間をいただけないでしょうか。
オンラインでの打ち合わせも可能です。

お忙しい中恐縮ですが、
ご検討いただければ幸いです。

—-------
【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
—-------

定期連絡・報告

3. 月次報告メール(標準)

件名:【月次報告】○月度実績のご報告

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
○○です。

暑い日が続いておりますが、
いかがお過ごしでしょうか。

○月度の実績がまとまりましたので、
ご報告いたします。

■売上実績
・目標:○○万円
・実績:○○万円(達成率:○○%)

■主な成果
・○○案件の受注(○○万円)
・新規開拓:○社

詳細は添付資料をご確認ください。

来月もより一層努力してまいります。
引き続きご指導よろしくお願いいたします。

—-------
【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
—-------

4. プロジェクト進捗報告(カジュアル)

件名:【進捗報告】○○プロジェクトの状況について

プロジェクトメンバー各位

お疲れ様です。
○○です。

だんだん暖かくなってきましたが、
皆さんいかがお過ごしですか。

○○プロジェクトの進捗状況をご報告します。

■現在の状況
・進捗率:○○%(予定通り)
・完了予定:○月○日

■今週の主な作業
・○○機能の開発完了
・テスト環境の構築開始

何か質問があれば、
気軽にお声がけください。

引き続きよろしくお願いします。

—-------
【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
—-------

お客様対応・営業

5. 提案書送付メール(フォーマル)

件名:【ご提案】○○システム導入のご提案について

【会社名】【部署名】
【氏名】様

盛夏の候、皆様におかれましては
ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

平素より格別のご愛顧を賜り、
厚く御礼申し上げます。

先日お打ち合わせさせていただきました
○○システム導入に関する提案書を
添付にてお送りいたします。

貴社のご要望を踏まえ、
最適なソリューションをご提案いたします。

ご不明な点やご質問がございましたら、
お気軽にお申し付けください。

暑い日が続きますが、
皆様どうぞご自愛ください。

—-------
【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
—-------

6. お礼メール(標準)

件名:【お礼】本日はありがとうございました

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
○○です。

木々の色づきが美しい季節となりましたが、
いかがお過ごしでしょうか。

本日はお忙しい中、
貴重なお時間をいただき
ありがとうございました。

○○についての詳しいお話を伺い、
大変勉強になりました。

教えていただいた内容を参考に、
よりよい提案を検討いたします。

後日、改めてご連絡させていただきます。

引き続きよろしくお願いいたします。

—-------
【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
—-------

特別な場面

7. 年末挨拶メール(フォーマル)

件名:【年末ご挨拶】今年一年ありがとうございました

お取引先各位

師走の候、皆様におかれましては
ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

今年一年、格別のご愛顧を賜り、
心より御礼申し上げます。

来年も皆様のご期待にお応えできるよう、
社員一同努力してまいります。

■年末年始の営業について
12月29日~1月3日:休業
1月4日より通常営業

寒さ厳しき折、皆様どうぞお体を大切に、
良い年をお迎えください。

来年もよろしくお願いいたします。

—-------
【会社名】
代表取締役 【氏名】
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
—-------

8. 新年挨拶メール(フォーマル)

件名:【新年ご挨拶】謹んで新年のお慶びを申し上げます

お取引先各位

新春の候、皆様におかれましては
ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

旧年中は格別のご高配を賜り、
厚く御礼申し上げます。

本年も変わらぬご愛顧のほど、
何卒よろしくお願い申し上げます。

皆様のご健康とご多幸をお祈りするとともに、
貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

■営業開始日:1月4日(○曜日)より通常営業

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

—-------
【会社名】
代表取締役 【氏名】
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
—-------

季節のズレを防ぐ実践的なコツ

時候の挨拶で失敗しないために、以下のコツを実践しましょう。

コツ1:二十四節気を目安にする
立春(2月4日頃)、立夏(5月5日頃)、立秋(8月7日頃)、立冬(11月7日頃)などを参考に、暦上の季節を正確に把握します。

コツ2:「頃」「気配」など柔らかい表現を使う
「春本番」ではなく「春の気配を感じる頃」など、断定的でない表現で多少のズレをカバーできます。

コツ3:相手の地域を考慮する
北海道と沖縄では気候が大きく異なります。相手の所在地に応じて表現を調整しましょう。

よくあるNG例とOK例

時候の挨拶でよくある失敗パターンと改善方法をご紹介します。

NG例 OK例 改善ポイント
2月に「春爛漫の候」 「立春の候、まだ寒い日が続きますが」 暦と実際の気候を併記
メールで「拝啓」「敬具」を使用 「いつもお世話になっております」 メールに適した自然な表現
毎回同じ定型文 相手や季節に応じた表現 関係性と状況を考慮
長すぎる前置き 1文程度の簡潔な表現 読みやすさを重視
古風すぎる表現を多用 現代的で自然な表現 相手に合わせた適切なレベル

時候の挨拶を省略してもよい場面

すべてのメールで時候の挨拶が必要というわけではありません。以下の場合は省略も可能です。

  • 緊急性の高い連絡:すぐに要件を伝える必要がある場合
  • 頻繁なやり取り:同じ相手と日常的にメールをする場合
  • 社内の簡単な連絡:同僚との気軽なコミュニケーション
  • 外国の方とのやり取り:文化的背景が異なる相手の場合

季節別の結びの言葉

時候の挨拶と合わせて使える、季節感のある結びの言葉もご紹介します。

春(3月~5月)

  • 桜の季節、皆様のご健康をお祈りいたします
  • 新年度もよろしくお願いいたします
  • 花粉の季節ですが、お体にお気をつけください
  • 暖かくなりましたが、朝夕の冷え込みにご注意ください

夏(6月~8月)

  • 暑い日が続きますが、くれぐれもご自愛ください
  • 熱中症にお気をつけてお過ごしください
  • エアコンで体調を崩されませんよう、ご注意ください
  • 夏季休暇をお楽しみください

秋(9月~11月)

  • 朝夕の冷え込みが厳しくなります。お体にお気をつけください
  • 季節の変わり目ですが、体調を崩されませんように
  • 年末に向けてお忙しくなりますが、ご自愛ください
  • 紅葉の美しい季節をお楽しみください

冬(12月~2月)

  • 寒さ厳しき折、温かくしてお過ごしください
  • 良い年をお迎えください
  • インフルエンザが流行しています。お気をつけください
  • 雪道など、お気をつけてお過ごしください

よくある質問

時候の挨拶は毎回書く必要がありますか?
必ずしも必要ではありません。初回連絡や重要な案件、久しぶりの連絡では使用をお勧めしますが、日常的なやり取りでは「いつもお世話になっております」程度で十分です。
「拝啓」「敬具」は使った方がいいですか?
メールでは基本的に使用しません。これらは手紙の形式であり、メールには適していません。代わりに自然な挨拶を使いましょう。
相手が海外にいる場合はどうすればいいですか?
相手の所在地の季節を考慮するか、時候に関係ない挨拶を使いましょう。「いつもお世話になっております」「お忙しいところ恐縮ですが」などが適切です。
季節がズレてしまった場合の対処法は?
「○○の候」などの硬い表現を避け、「暖かくなってきました」「涼しくなってきました」など、実際の気候に合わせた柔軟な表現を使いましょう。
社内メールでも時候の挨拶は必要ですか?
社内では「お疲れ様です」程度で十分です。ただし、上司や他部署への重要な連絡では、軽い時候の挨拶があると丁寧な印象を与えます。
どの程度フォーマルにすればよいか迷います
初回連絡や重要な取引先にはフォーマル、定期的なやり取りには標準、親しい関係にはカジュアルを基本とし、相手の反応を見て調整していくとよいでしょう。

まとめ

時候の挨拶は、ビジネスメールで相手との良好な関係を築くための重要なツールです。適切に使いこなすことで、より円滑で印象の良いコミュニケーションが実現できます。

時候の挨拶成功のポイント

  1. 相手との関係性に応じた表現選択:フォーマル・標準・カジュアルを使い分ける
  2. 季節感の正確な把握:二十四節気と実際の気候を考慮する
  3. 簡潔性の重視:1文程度に収めて要件にスムーズにつなげる
  4. 柔軟な表現の活用:「頃」「気配」などでズレをカバーする
  5. 状況に応じた省略:必要に応じて時候の挨拶を省くことも大切

この記事でご紹介した表現とコツを活用し、あなたの状況に最適な時候の挨拶で、より効果的なビジネスメールコミュニケーションを実践してください。

参考文献・引用情報