価格改定のお知らせメール例文集|トラブル回避の書き方完全ガイド

ビジネス連絡

取引先への価格改定の連絡は、どう書けば相手に納得してもらえるのか悩ましいものです。特に値上げの場合、書き方を間違えると信頼関係に亀裂が生じたり、法的トラブルに発展したりするリスクがあります。

価格改定お知らせメールは、相手の立場に配慮した丁寧な文面で、法的要件を満たしながら送ることが重要です。適切な通知により、取引先との良好な関係を維持しつつ、必要な価格改定を円滑に進められます。

この記事では、実際のビジネスシーンですぐに使える価格改定メールの例文と、下請法や価格交渉促進月間などの法的背景を踏まえた書き方のポイントを詳しく解説します。コピペで使える件名10選と本文12例により、あらゆる状況に対応できる内容をお届けします。

価格改定お知らせメールの基本原則と法的背景

価格改定のお知らせメールを作成する前に、押さえておくべき基本原則と法的背景を理解しましょう。これらを把握することで、トラブルを回避し、相手に受け入れられやすいメールを作成できます。

価格改定お知らせメールの3つの基本原則

事前通知の徹底:価格改定の実施日より1~3か月前には必ず通知します。急な値上げ通知は信頼関係を損ない、場合によっては契約違反となるリスクがあります。
明確な理由の提示:原材料費高騰、エネルギーコスト上昇、労務費増加など、客観的で納得できる理由を具体的に説明します。曖昧な説明では相手の理解を得られません。
誠実な姿勢の表現:お詫びの気持ちと今後の取引継続への願いを込めた文面にします。一方的な通告ではなく、相手との関係性を重視した表現を心がけましょう。

法的背景と注意点

下請法による保護下請代金支払遅延等防止法では、親事業者による「買いたたき」が禁止されています。下請事業者から価格改定の申し入れがあった場合、親事業者は十分な協議を行わずに据え置くことはできません。

価格交渉促進月間

中小企業庁では毎年3月と9月を「価格交渉促進月間」として、適正な価格転嫁の重要性を啓発しています。コスト上昇分の価格転嫁は、サプライチェーン全体の健全性を保つために必要な取り組みです。

価格改定お知らせメールの件名テンプレート10選

価格改定お知らせメールの件名は、内容を明確に伝えつつ、相手に開封してもらいやすい表現にする必要があります。以下の件名テンプレートを状況に応じて使い分けてください。

用途・状況 件名テンプレート 使用場面
基本パターン 【価格改定のお知らせ】[商品名・サービス名](実施:[○/○]) 一般的な価格改定の通知
理由を含める場合 【重要】原材料費高騰に伴う価格改定のお知らせ 値上げ理由を強調したい場合
事前相談型 価格改定に関するご相談([○/○]実施予定) 事前に相談・協議したい場合
一部商品のみ 【一部商品】価格改定のお知らせ([商品名]) 特定商品のみ価格変更する場合
段階的実施 段階的価格改定のご案内(第1回:[○/○]) 複数回に分けて値上げする場合
既存契約保護 新価格体系のご案内(既存契約は据え置き) 既存顧客を優遇する場合
業界全体の動向 業界動向を踏まえた価格改定のお知らせ 業界全体の値上げに追随する場合
最終通知 【最終通知】価格改定実施のお知らせ([○/○]より) 実施直前の最終確認として
代替案提示 価格改定と代替プランのご提案 複数の選択肢を提示する場合
お詫びを重視 価格改定のお詫びとお願い 関係性を重視する重要取引先向け

価格改定お知らせメールの本文テンプレート12選

価格改定の背景や相手との関係性に応じて、適切な本文テンプレートを選択してください。各テンプレートは実際のビジネスシーンを想定し、コピペで即座に使用できるよう作成しています。

1. 基本パターン(B2B取引先向け)

件名:【価格改定のお知らせ】[商品名・サービス名](実施:[○/○])

[会社名]
[部署名] [ご担当者名]様

いつもお世話になっております。
[自社名]の[氏名]です。

この度は、[商品名・サービス名]の価格改定について
ご連絡させていただきます。

昨今の原材料費およびエネルギーコストの大幅な上昇により、
弊社におきましても製造コストが著しく増大しております。
これまで効率化や調達先の見直しなど、
あらゆる経営努力を重ねてまいりましたが、
現行価格の維持が困難な状況となりました。

つきましては、誠に不本意ではございますが、
下記の通り価格改定をさせていただきたく、
ご理解を賜りたくお願い申し上げます。

■実施日:[○年○月○日]受注分より
■改定内容:[従来価格] → [新価格](税込)
■改定率:約[○%]の引き上げ

詳細な価格表につきましては、
別途添付ファイルをご確認ください。

この度はご負担をおかけすることとなり、
心よりお詫び申し上げます。
今後もより良い製品・サービスの提供に努めてまいりますので、
変わらぬご愛顧を賜りますよう、何卒お願い申し上げます。

ご不明な点がございましたら、
お気軽にお問い合わせください。

[署名]

2. 法人向け丁寧版(重要取引先用)

件名:価格改定のお詫びとお願い

[会社名]
[役職名] [お名前]様

平素より格別のお引き立てを賜り、
厚く御礼申し上げます。
[自社名]の[氏名]でございます。

さて、このたび弊社では、やむを得ない事情により
[商品名・サービス名]の価格改定を実施させていただくこととなりました。

昨今の社会情勢により、原材料価格の高騰が続いており、
特に[具体的な材料名]については前年比[○%]の上昇となっております。
弊社といたしましても、製造工程の見直しや
調達ルートの多様化などの企業努力を続けてまいりましたが、
これ以上の価格維持は企業経営に深刻な影響を及ぼす状況となっております。

誠に心苦しいお願いではございますが、
[○月○日]より下記の通り価格を改定させていただきたく、
何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

■価格改定実施日:[○年○月○日]
■対象商品:[商品名]
■新価格:[金額](税込)
■従来価格:[金額](税込)
■改定幅:[金額]([○%]の増額)

なお、[○月○日]までにご発注いただきました分につきましては、
従来価格にて承らせていただきます。

貴社におかれましては、予算計画等でご迷惑をおかけすることとなり、
深くお詫び申し上げます。
今後とも末永くお取引いただけますよう、
心よりお願い申し上げます。

[署名]

3. 段階的値上げ版

件名:段階的価格改定のご案内(第1回:[○/○])

[会社名]
[ご担当者名]様

いつもお世話になっております。
[自社名]の[氏名]です。

[商品名・サービス名]の価格改定につきまして、
ご連絡申し上げます。

急激な価格変更による貴社への影響を最小限に抑えるため、
段階的な価格改定を実施させていただくこととなりました。

■第1回改定:[○年○月○日]より [○%]引き上げ
■第2回改定:[○年○月○日]より 追加[○%]引き上げ
■最終価格:[金額](現行価格比 合計[○%]増)

この措置により、貴社の予算調整や
お客様への価格転嫁について、
十分な準備期間を確保していただけるものと存じます。

各段階での詳細価格表は添付資料をご確認ください。

段階的実施とはいえ、ご負担をおかけすることに変わりはなく、
心よりお詫び申し上げます。
何卒ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。

[署名]

4. 既存契約保護版

件名:新価格体系のご案内(既存契約は据え置き)

[会社名]
[ご担当者名]様

いつもお世話になっております。
[自社名]の[氏名]です。

[商品名・サービス名]の価格改定について
ご案内申し上げます。

[○月○日]より新価格体系を導入いたしますが、
既存のご契約分につきましては、
契約期間終了まで現行価格を維持いたします。

■新規契約:[○月○日]より新価格適用
■既存契約:契約満了時まで現行価格維持
■更新時:新価格にて更新のご相談

長年にわたりお取引いただいている貴社への
感謝の気持ちを込めた措置とさせていただきました。

今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、
よろしくお願い申し上げます。

[署名]

5. 代替案提示版

件名:価格改定と代替プランのご提案

[会社名]
[ご担当者名]様

いつもお世話になっております。
[自社名]の[氏名]です。

[商品名・サービス名]の価格改定に伴い、
貴社のご負担軽減のため、
以下の代替案をご提案いたします。

【案1】標準プラン
・新価格:[金額]
・サービス内容:現行と同等

【案2】エコノミープラン
・価格:[金額](現行価格維持)
・サービス内容:[一部機能制限あり]

【案3】年間契約プラン
・価格:[金額](月額換算で[○%]お得)
・契約期間:1年間

いずれのプランをお選びいただいても、
品質に妥協することなく、
ご満足いただけるサービスを提供いたします。

[○月○日]までにご選択いただければ幸いです。
ご不明な点がございましたら、
いつでもお気軽にご相談ください。

[署名]

6. 業界動向説明版

件名:業界動向を踏まえた価格改定のお知らせ

[会社名]
[ご担当者名]様

いつもお世話になっております。
[自社名]の[氏名]です。

[業界名]業界全体の動向を踏まえた
価格改定についてご連絡いたします。

昨今、業界各社におきまして
原材料費高騰等を理由とした価格改定が相次いでおり、
弊社におきましても同様の対応が必要となりました。

■業界平均改定率:約[○%]
■弊社改定率:[○%](業界平均を下回る水準)
■実施時期:[○月○日]より

弊社では業界動向を慎重に見極めつつ、
可能な限りの企業努力により、
業界平均を下回る改定率に抑えております。

市場全体の動向として何卒ご理解いただき、
引き続きのお取引をお願い申し上げます。

[署名]

7. 一斉通知版(BCC配信用)

件名:【重要】価格改定のお知らせ

お取引先各位

平素より格別のお引き立てを賜り、
誠にありがとうございます。
[自社名]でございます。

このたび、[商品名・サービス名]の価格改定を
実施させていただくことになりました。

■実施日:[○年○月○日]
■改定率:約[○%]の引き上げ
■対象:[対象商品・サービス名]

詳細につきましては、弊社ホームページの
専用ページに掲載しております。
URL:[ホームページURL]

また、個別のご質問やご相談は
下記までお気軽にお問い合わせください。

■お問い合わせ先
電話:[電話番号]
メール:[メールアドレス]
担当:[担当者名]

※本メールは一斉配信のため、BCC送信としております。
※返信不要ですが、ご質問等ございましたら
上記連絡先までお願いいたします。

[署名]話:[電話番号]
メール:[メールアドレス]
担当:[担当者名]

※本メールは一斉配信のため、BCC送信としております。
※返信不要ですが、ご質問等ございましたら
上記連絡先までお願いいたします。

[署名]

8. 最終通知版

件名:【最終通知】価格改定実施のお知らせ([○/○]より)

[会社名]
[ご担当者名]様

いつもお世話になっております。
[自社名]の[氏名]です。

[○月○日]にご案内いたしました価格改定について、
実施日が近づいてまいりましたので、
最終のご連絡をさせていただきます。

■価格改定実施日:[○年○月○日](明日)
■最終受注(従来価格):本日[○時]まで
■新価格開始:明日[○時]より

従来価格での最終受注をご希望の場合は、
本日中にご連絡をお願いいたします。

明日以降のご注文につきましては、
新価格が適用となりますことを
改めてご了承ください。

何かご不明な点がございましたら、
お急ぎご連絡ください。

今後ともよろしくお願いいたします。

[署名]

9. お詫び重視版

件名:価格改定のお詫びとお願い

[会社名]
[役職名] [お名前]様

平素より格別のご愛顧を賜り、
心より御礼申し上げます。
[自社名]の[氏名]です。

この度は、[商品名・サービス名]の価格改定により、
貴社にご負担をおかけすることとなり、
深くお詫び申し上げます。

弊社といたしましても、
この決断に至るまで長期間にわたり検討を重ね、
あらゆる手段を講じてまいりました。
しかしながら、昨今の社会情勢を鑑み、
やむを得ず価格改定をお願いする次第でございます。

■改定実施日:[○年○月○日]
■新価格:[金額]
■価格差:[金額]の増額

貴社との長年にわたる信頼関係を何より大切に考えており、
この度の件で関係に影響を及ぼすことがないよう、
今後一層のサービス向上に努めてまいります。

何卒ご理解を賜り、引き続きのお取引を
よろしくお願い申し上げます。

[署名]

10. 理由詳細説明版

件名:【価格改定のお知らせ】詳細な背景説明

[会社名]
[ご担当者名]様

いつもお世話になっております。
[自社名]の[氏名]です。

[商品名・サービス名]の価格改定について、
その背景と詳細をご説明いたします。

【価格改定の主な要因】
1. 原材料費:前年比[○%]上昇
   - [具体的な材料名]:[○%]増
   - [具体的な材料名]:[○%]増

2. エネルギーコスト:前年比[○%]上昇
   - 電力料金:[○%]増
   - 燃料費:[○%]増

3. 物流費:前年比[○%]上昇
   - 運送料:[○%]増
   - 保管料:[○%]増

4. 人件費:前年比[○%]上昇
   - 最低賃金改定の影響

【弊社の対応努力】
・製造工程の効率化により[○%]のコスト削減
・調達先の見直しにより[○%]のコスト削減
・省エネ設備導入により[○%]のコスト削減

上記の企業努力により、実際のコスト上昇[○%]に対し、
価格改定は[○%]に抑制いたします。

■実施日:[○年○月○日]
■改定率:[○%](コスト上昇を下回る水準)

詳細な資料をご希望の場合は、
別途ご用意いたしますのでお申し付けください。

[署名]

11. 中小企業向け配慮版

件名:中小企業様向け価格改定特別措置のご案内

[会社名]
[ご担当者名]様

いつもお世話になっております。
[自社名]の[氏名]です。

[商品名・サービス名]の価格改定について
ご連絡いたします。

中小企業の皆様の経営への影響を考慮し、
以下の特別措置を設けさせていただきます。

■標準改定率:[○%]
■中小企業様向け改定率:[○%](標準より優遇)
■支払条件:従来通り([支払サイト])
■分割払い:ご相談に応じます

また、経営への影響が大きい場合は、
個別にご相談に応じさせていただきます。
お気軽にお声かけください。

中小企業庁の「価格交渉促進月間」の趣旨に基づき、
共存共栄の精神でお取引を継続したいと考えております。

何かご不明な点やご相談がございましたら、
いつでもお気軽にご連絡ください。

[署名]

12. サービス向上セット版

件名:価格改定とサービス拡充のお知らせ

[会社名]
[ご担当者名]様

いつもお世話になっております。
[自社名]の[氏名]です。

[サービス名]の価格改定と
サービス内容の拡充についてご案内いたします。

【価格改定内容】
■実施日:[○年○月○日]
■新価格:[金額]([○%]の引き上げ)

【サービス拡充内容】
・[新機能1]を標準装備
・[新機能2]を追加提供
・サポート時間を[現行]から[拡張後]に延長
・専任担当者制を導入

価格改定分以上の価値をご提供できるよう、
サービス内容を大幅に拡充いたします。

詳細な機能説明や操作方法については、
[○月○日]に説明会を開催予定です。
ご都合がつきましたら、ぜひご参加ください。

価格とサービス内容の両面で
ご満足いただけるよう努めてまいります。

[署名]

価格改定お知らせメール作成時の注意点とNG例

価格改定お知らせメールでは、書き方一つで相手の反応が大きく変わります。以下の注意点を押さえ、相手に不快感を与えないよう配慮しましょう。

NG例 OK例 理由・効果
「値上げします」「料金を上げます」 「価格改定させていただきます」 より丁寧で受け入れられやすい表現
「○月○日から新価格です」 「○月○日受注分より新価格を適用」 適用タイミングを明確化
「コストが上がったため」 「原材料費が前年比○%上昇したため」 具体的な数値で納得感を高める
「利益確保のため」 「事業継続とサービス向上のため」 顧客メリットを含めた理由説明
一方的な通知のみ 「ご不明な点はお気軽にご相談ください」 対話の機会を設けて関係性を維持
「決定事項です」 「ご理解を賜りたくお願い申し上げます」 相手への敬意と配慮を示す
実施直前の通知 1~3か月前の事前通知 相手の準備期間を確保
「返信不要です」 「ご質問等ございましたらお聞かせください」 コミュニケーションを促進

法的トラブルを避けるための重要ポイント

価格改定は法的な側面も考慮する必要があります。特に下請法や独占禁止法に関わる場合は、適切な手続きを踏むことが重要です。

下請法における注意点

買いたたきの禁止
下請事業者から価格改定の申し入れがあった場合、親事業者は正当な理由なく据え置くことはできません。十分な協議を行い、書面での回答が求められます。

報復措置の禁止
価格改定を申し入れた下請事業者に対し、取引停止や発注量削減などの不利益取扱いは禁止されています。

書面交付義務
価格改定に関する協議内容や決定事項は、必ず書面で交付する必要があります。メールでの通知も書面として認められます。

価格交渉促進月間の活用

中小企業庁の取り組み
毎年3月と9月は「価格交渉促進月間」として、適正な価格転嫁の重要性が啓発されています。この期間を活用して価格交渉を行うことで、相手の理解を得やすくなります。

適正な価格転嫁の必要性
コスト上昇分の価格転嫁は、サプライチェーン全体の健全性を保つために必要な取り組みです。公正取引委員会も適正な価格転嫁を推奨しています。

業種別の価格改定ポイント

業種によって価格改定の背景や注意点が異なります。以下の業種別ポイントを参考に、より効果的なメールを作成してください。

業種 主な改定理由 注意点 相手への配慮
製造業 原材料費高騰、エネルギーコスト上昇 具体的な材料名と上昇率を明示 代替材料の検討結果も説明
運送業 燃料費上昇、人手不足による人件費増 業界全体の動向を説明 効率化努力の具体例を提示
IT・SaaS 機能拡充、インフラコスト増 新機能の価値を明確に説明 既存ユーザーへの優遇措置
建設業 資材費高騰、労務費上昇 市況価格の変動を客観的に説明 工期への影響を最小限に抑制
小売業 仕入価格上昇、物流費増加 消費者への影響を考慮 段階的な価格改定の検討
サービス業 人件費上昇、設備投資増 サービス品質向上との関連性 付加価値の提供

価格改定お知らせメール後のフォローアップ

価格改定お知らせメールを送った後のフォローアップも、良好な取引関係を維持するために重要です。以下のポイントを押さえて、継続的なコミュニケーションを心がけましょう。

フォローアップのタイミングと内容

  1. 送信後1週間以内:メールが届いているか確認の連絡を入れる
  2. 実施1か月前:改めて実施日の確認と最終的な質問受付
  3. 実施直前:最終通知として再度連絡
  4. 実施後1か月:新価格での取引開始後の状況確認

よくある質問

Q1. 価格改定の通知はいつ頃送るべきですか?

A. 実施日の1~3か月前が基本です。取引先の予算計画や社内稟議の時間を考慮し、十分な準備期間を設けることが重要です。特に年度予算に影響する場合は、前年度末までに通知することが望ましいです。

Q2. 価格改定を拒否された場合はどう対応すべきですか?

A. まずは相手の事情を聞き、代替案を検討しましょう。段階的な価格改定、契約期間の調整、サービス内容の見直しなど、win-winの関係を維持できる解決策を模索することが大切です。

Q3. 下請法に該当する取引での注意点は?

A. 下請事業者からの価格改定申し入れには誠実に対応する必要があります。協議を行わずに一方的に据え置くことは「買いたたき」に該当する可能性があります。必ず書面での回答を行い、報復措置は絶対に避けてください。

Q4. 一斉送信する場合の注意点は?

A. 必ずBCC機能を使用し、個人情報の漏洩を防ぎましょう。また、一斉送信でも可能な限り個別感を出すため、宛名の差し込み機能などを活用することをお勧めします。

Q5. 価格改定の理由が複数ある場合の書き方は?

A. 主要な理由を3つ程度に絞り、具体的な数値とともに説明しましょう。理由が多すぎると焦点がぼやけるため、影響度の高いものから優先的に記載することが効果的です。

Q6. 業界全体の値上げの場合、どう説明すべきですか?

A. 業界動向を客観的データで示し、自社の改定率が適正であることを説明しましょう。業界平均との比較や、公的機関の発表データを活用することで、説得力を高められます。

Q7. 価格改定に伴うサービス向上をどうアピールすべきですか?

A. 具体的なメリットを数値や事例で示しましょう。「品質向上」だけでなく、「作業効率○%向上」「エラー率○%削減」など、定量的な効果を説明することが重要です。

Q8. 価格改定メールへの返信がない場合の対応は?

A. 1週間程度経過したら、電話で確認することをお勧めします。メールが届いていない可能性もあるため、重要な内容は複数の方法で確認を取ることが安全です。

価格改定お知らせメール送信前のチェックリスト

送信前の最終確認
□ 件名に価格改定の内容と実施日が明記されているか
□ 改定理由が具体的で納得できる内容になっているか
□ 実施日、新価格、対象商品が明確に記載されているか
□ お詫びの気持ちと感謝の表現が含まれているか
□ 相手への配慮や代替案の提示があるか
□ 連絡先や問い合わせ方法が明記されているか
□ 敬語の使い方が相手との関係性に適しているか
□ 誤字脱字がないか最終確認したか
□ 添付ファイルがある場合、正しく添付されているか
□ 送信先のメールアドレスに間違いがないか
□ 一斉送信の場合、BCC機能を使用しているか
□ 法的要件(下請法等)に配慮した内容になっているか

まとめ

価格改定お知らせメールは、単なる事務連絡ではなく、取引先との信頼関係を左右する重要なコミュニケーションです。相手の立場に立った丁寧な説明と、法的要件を満たした適切な手続きにより、円滑な価格改定を実現できます。

成功のための5つのポイント

  1. 事前通知の徹底:1~3か月前の余裕を持った連絡で相手の準備時間を確保
  2. 具体的な理由説明:数値やデータを用いた客観的で納得できる説明
  3. 相手への配慮:お詫びの気持ちと代替案の提示で関係性を維持
  4. 法的要件の遵守:下請法や価格交渉促進月間の趣旨を踏まえた対応
  5. 継続的フォロー:送信後の確認と価格改定後の関係維持

この記事で紹介したテンプレートと注意点を参考に、あなたの状況に最適な価格改定メールを作成してください。適切なコミュニケーションにより、価格改定を契機として、より強固な取引関係を築くことができるでしょう。

参考文献・引用情報