【例文付】請求書送付メールの書き方完全ガイド

ビジネス連絡
請求書送付メールは、取引先との信頼関係を築く重要なビジネスコミュニケーションです。相手が「次に何をすればよいか」を一目で理解できる明確な内容が求められます。

本記事では、インボイス制度に対応した請求書送付メールの書き方を、実務で即使える20のテンプレートとともに詳しく解説します。

請求書送付メールの5つの基本原則

効果的な請求書送付メールを作成するには、以下の5つの原則を押さえることが重要です。これらを守ることで、取引先との円滑なやり取りと確実な支払いを実現できます。

  1. 件名で内容を即座に判別可能にする
    「請求書送付」「○月分」「案件名」を含め、メールの目的と内容を明確に示します。受信者が多数のメールの中からすぐに見つけられるよう配慮します。
  2. 本文は一画面で完結させる
    金額・対象期間・支払期日・振込先・添付ファイル名を箇条書きで記載し、スクロールなしで必要な情報がすべて確認できるようにします。
  3. インボイス制度に適切に対応する
    適格請求書の要件(登録番号・税率区分・税額など)を請求書ファイル側で満たし、メール本文では支払い実務に必要な情報のみを簡潔に記載します。
  4. セキュリティを考慮したファイル送付を行う
    パスワード付きZIP(PPAP)は避け、期限付きリンクやアクセス制御付きクラウドストレージを活用して安全にファイルを共有します。
  5. 相手の作業負担を最小限にする
    確認のポイントを整理し、返信が必要な場合は具体的に何をすればよいかを明記します。不明点があった際の連絡先も忘れずに記載します。

請求書送付メールの件名テンプレート20選

実務でそのまま使える件名テンプレートを20パターンご紹介します。【 】内を実際の情報に置き換えてお使いください。

場面 件名テンプレート 使用タイミング
基本形 【請求書送付】【8月分】【案件名・取引内容】 最も汎用性の高い標準形
月次定例 【月次請求書】【8月分保守費用】【請求No.2025-08】 毎月の定例請求
検収完了 【検収完了】請求書送付【プロジェクト名】【支払期日9/30】 プロジェクト完了時
前払い 【前払い請求】着手前費用【案件名】【入金確認後開始】 着手前の前払い請求
合算請求 【合算請求書】【7-8月分】【月次保守費用】 複数月分の合算
差替・訂正 【差替】請求書再送付【税額訂正済み】【前便破棄願い】 請求書の訂正時
再送・催促 【再送】請求書のご送付【支払期日確認のお願い】 支払確認や再送時
個別案件 【個別請求】【Webサイト改修費用】【案件No.A-2025-08】 単発プロジェクト
軽減税率あり 【請求書送付】【軽減税率適用あり】【詳細内訳記載】 複数税率の商品混在
分納・分割 【分納請求】第1回分【全3回中】【案件名】 分割払いの場合
口座変更 【重要】請求書送付【振込先口座変更あり】【要確認】 振込先変更時
急いで欲しい 【至急】請求書送付【支払期日迫る】【○月○日まで】 支払期日が近い場合
英語併記 【Invoice/請求書】【August 2025/8月分】【Project ABC】 海外関係者がいる場合
電子インボイス 【電子請求書】Peppolシステム経由【ダウンロード方法別途】 デジタルインボイス使用
見積から請求 【見積→請求】承認内容に基づく請求書【見積No.連動】 見積承認後の請求
自動送付 【自動送付】月次請求書【システム発行】【確認のみ】 システム自動生成
クラウド共有 【クラウド共有】請求書アクセス用URL【期限付き】 セキュアなファイル共有
事前通知 【事前通知】来月請求予定【概算金額・内容確認】 請求前の予告
年末調整 【年末請求】12月分+調整【年間総額確定】 年末の総額調整
最終確認 【最終確認】請求書送付済み【行き違いご容赦】 念押しの確認時

請求書送付メールの本文テンプレート20選

実際のメール本文で使える、状況別のテンプレートをご紹介します。コピーして【 】内を置き換えるだけで使用できます。

1. 標準形(初回・基本パターン)

【会社名】
【部署名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】でございます。

下記のとおり、【対象月・案件名】の請求書を
お送りいたします。

■ 請求金額:【¥123,456(税込)】
■ 対象期間:【2025年8月分】
■ 対象内容:【Webサイト保守・運用】
■ 支払期日:【2025年9月30日(月)】
■ 支払方法:【銀行振込(振込手数料ご負担)】
■ 振込先:【○○銀行 ○○支店 普通 1234567
      口座名義:カブシキガイシャ○○】
■ 添付ファイル:【請求書_2025年8月分_○○様.pdf】

ご確認のうえ、お支払いのほど
よろしくお願いいたします。

ご不明な点がございましたら、
お気軽にお声がけください。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――
【署名】
――――――――――――――――――

2. 月次定例(簡潔版)

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

毎月定例の【8月分】請求書を
お送いたします。

■ 請求金額:【¥98,000(税込)】
■ 支払期日:【9月30日(月)】
■ 添付:【invoice_202508_clientA.pdf】

前月からの変更はございません。

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――
【署名】
――――――――――――――――――

3. 検収完了後の請求

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

【8月15日】に検収いただきました
【プロジェクト名・フェーズ名】について、
請求書をお送りいたします。

■ 請求金額:【¥456,789(税込)】
■ 検収完了日:【2025年8月15日】
■ 支払期日:【2025年9月30日(月)】
■ 添付:【請求書_検収完了分_プロジェクト名.pdf】

検収のお手続きをいただき、
ありがとうございました。

ご確認のうえ、お支払いのほど
よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――
【署名】
――――――――――――――――――

4. 前払い請求

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

【プロジェクト名】の着手に際し、
前払い分の請求書をお送りいたします。

■ 請求金額:【¥300,000(税込)】
■ 内容:【着手金(総額の50%)】
■ 支払期日:【2025年9月15日(金)】
■ 作業開始:【ご入金確認後、3営業日以内】

ご入金を確認させていただいた後、
速やかに作業を開始いたします。

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――
【署名】
――――――――――――――――――

5. 合算請求(複数月分)

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

ご依頼により、【7月・8月分】を
合算した請求書をお送りいたします。

■ 合算金額:【¥246,800(税込)】
■ 内訳:7月分 ¥123,400 + 8月分 ¥123,400
■ 支払期日:【2025年9月30日(月)】
■ 添付:【請求書_7-8月合算分.pdf】

各月の詳細内訳は添付ファイルに
記載しております。

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

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【署名】
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6. 差替・訂正版

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

先ほどお送りしました請求書に
【税額計算】の誤りがございました。

深くお詫び申し上げます。

訂正版をお送りいたしますので、
先の請求書は破棄をお願いいたします。

■ 正しい請求金額:【¥123,456(税込)】
■ 添付(正):【請求書_8月分_訂正版.pdf】
■ 破棄対象:【請求書_8月分.pdf(先ほど送付分)】

ご迷惑をおかけして申し訳ございません。

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

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【署名】
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7. 口座変更あり

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

【8月分】の請求書をお送りいたします。

【重要】振込先口座を下記に変更しております。

■ 新振込先:【△△銀行 △△支店 普通 7654321】
■ 口座名義:【カブシキガイシャ○○】
■ 請求金額:【¥123,456(税込)】
■ 支払期日:【2025年9月30日(月)】

口座変更に関するご質問は、
お電話でも承ります。
【TEL: 03-1234-5678(経理部直通)】

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

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【署名】
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8. セキュアなファイル共有

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

セキュリティ確保のため、請求書は
期限付きリンクでご案内いたします。

■ ダウンロードURL:【https://...】
■ アクセス期限:【2025年9月30日まで】
■ アクセス権限:【貴社ドメインのみ】
■ 請求金額:【¥123,456(税込)】
■ 支払期日:【2025年9月30日(月)】

URLからファイルをダウンロードし、
ご確認をお願いいたします。

アクセスに関してご不明な点がございましたら、
お気軽にお声がけください。

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【署名】
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9. 英語併記版

Dear 【Name】,
【会社名】
【ご担当者名】 様

Thank you for your continued business.
いつもお世話になっております。

Please find the attached invoice for August 2025.
2025年8月分の請求書をお送りいたします。

■ Amount/金額:【¥123,456 (incl. tax/税込)】
■ Due Date/支払期日:【September 30, 2025/2025年9月30日】
■ Payment Method/支払方法:【Bank Transfer/銀行振込】

If you have any questions, please feel free to contact us.
ご不明な点がございましたら、お気軽にお声がけください。

Thank you for your prompt attention to this matter.
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

Best regards,
【Name】

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【署名/Signature】
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10. 電子インボイス(Peppol対応)

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

Peppolネットワーク経由で電子請求書を
発行いたします。

■ 受領方法:【貴社の電子インボイス受信システム】
■ Peppol ID:【0088:1234567890123】
■ 請求金額:【¥123,456(税込)】
■ 支払期日:【2025年9月30日(月)】

システムでの受領確認後、
お支払い処理をお願いいたします。

電子インボイスに関してご不明な点がございましたら、
お気軽にお声がけください。

――――――――――――――――――
【署名】
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11. 軽減税率対象商品あり

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

【8月分】の請求書をお送りいたします。
軽減税率(8%)対象商品が含まれております。

■ 請求金額:【¥135,680(税込)】
■ 内訳:標準税率(10%)対象 ¥110,000
    軽減税率(8%)対象 ¥23,148
■ 支払期日:【2025年9月30日(月)】
■ 添付:【請求書_8月分_税率別内訳.pdf】

税率別の詳細は添付ファイルを
ご確認ください。

お支払いのほど、よろしくお願いいたします。

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【署名】
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12. 分納・分割払い

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

【プロジェクト名】の第1回分納分について、
請求書をお送りいたします。

■ 今回請求額:【¥200,000(税込)】
■ 総額:【¥600,000(税込)】
■ 分納回数:【第1回/全3回】
■ 支払期日:【2025年9月30日(月)】
■ 次回請求予定:【2025年10月31日】

ご事前にご相談いただいた分割払いでの
お取り扱いとさせていただいております。

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

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【署名】
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13. 再送・支払確認

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

【8月10日】にお送りしました【7月分】の
請求書について、念のため再送いたします。

■ 請求金額:【¥123,456(税込)】
■ 支払期日:【2025年9月30日(月)】
■ 請求書No.:【INV-2025-07-001】

お支払い済みの場合は、
本メールはご放念ください。

行き違いの際は、ご容赦くださいませ。

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

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【署名】
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14. 急ぎの場合

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

支払期日が近づいておりますため、
至急ご確認をお願いいたします。

■ 請求金額:【¥123,456(税込)】
■ 支払期日:【2025年8月25日(金)】
■ 残り日数:【3営業日】
■ 添付:【請求書_緊急案件_8月分.pdf】

ご都合がつかない場合は、
お早めにご相談ください。

ご対応のほど、よろしくお願いいたします。

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【署名】
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15. 事前通知・概算案内

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

【9月分】の請求について、
事前にご案内いたします。

■ 請求予定金額:【約¥150,000(税込)】
■ 請求予定日:【2025年10月1日】
■ 支払期日:【2025年10月31日】
■ 主な内容:【月次保守費用 + 追加作業費】

追加作業の詳細については、
正式な請求書にて明記いたします。

ご質問等ございましたら、
お気軽にお声がけください。

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【署名】
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16. 年末調整・総額確定

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

【2025年12月分】および年間調整分の
請求書をお送りいたします。

■ 12月分:【¥123,456(税込)】
■ 年間調整:【¥5,000(税込)】
■ 合計請求額:【¥128,456(税込)】
■ 2025年総額:【¥1,500,000(税込)】
■ 支払期日:【2025年12月28日(木)】

年間総額の詳細内訳は
添付ファイルをご確認ください。

本年もお世話になり、ありがとうございました。

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【署名】
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17. システム自動発行

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。

※このメールはシステムより自動送信されています。

【8月分】の請求書を自動発行いたします。

■ 請求金額:【¥123,456(税込)】
■ 発行日:【2025年9月1日】
■ 支払期日:【2025年9月30日(月)】
■ 添付:【auto_invoice_202508.pdf】

内容にご不明な点がございましたら、
下記担当者までお問い合わせください。

■ お問い合わせ先:【経理部 田中】
■ TEL:【03-1234-5678】
■ Mail:【keiri@company.co.jp】

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【署名】
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18. 最終確認・念押し

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

【8月分】の請求書について、
最終確認のご連絡をいたします。

■ 請求金額:【¥123,456(税込)】
■ 支払期日:【2025年9月30日(月)】
■ 送付済み日:【2025年9月1日】

お支払いの準備はいかがでしょうか。

すでにお手続き済みの場合は、
本メールはご放念ください。

行き違いの際は、ご容赦くださいませ。

――――――――――――――――――
【署名】
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19. 追加請求・変更分

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

【8月実施の追加作業】について、
別途請求書をお送りいたします。

■ 追加請求額:【¥45,000(税込)】
■ 作業内容:【緊急対応・システム修正】
■ 作業日:【2025年8月20日】
■ 支払期日:【2025年9月30日(月)】

事前にご相談いただいた追加作業の
請求となります。

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――
【署名】
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20. クラウド経由・リンク共有

【会社名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

セキュリティ強化のため、
クラウドストレージ経由で
請求書をお送りいたします。

■ アクセスURL:【https://secure-storage.com/...】
■ 有効期限:【2025年10月15日まで】
■ パスワード:【別途SMS送信】
■ 請求金額:【¥123,456(税込)】
■ 支払期日:【2025年9月30日(月)】

ダウンロード後は、ファイルの
削除をお願いいたします。

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

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【署名】
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インボイス制度への対応

2023年10月から開始されたインボイス制度では、適格請求書として認められるために以下6つの記載事項が必要です。これらの要件は請求書ファイル側で満たし、メール本文では支払い実務に必要な情報のみを記載することが効率的です。

適格請求書の必須記載事項

  1. 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
    「T」から始まる13桁の登録番号を明記します。
  2. 取引年月日
    商品やサービスの提供日を記載します。
  3. 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
    商品・サービスの内容と、軽減税率対象の場合はその旨を明記します。
  4. 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
    10%と8%を分けて金額と税率を記載します。
  5. 税率ごとに区分した消費税額等
    税率別の消費税額を明記します。
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
    取引先(受領者)の正式名称を記載します。

電子インボイスと電子帳簿保存法

電子メールやクラウドサービスなどを利用してデータで交付した請求書は、データのまま保存することが義務付けられており、2024年1月からは完全義務化されています。メールでPDFを送付する場合も電子取引データとして、電子のまま保存する必要があります。

また、日本のデジタルインボイス・Peppolの標準仕様JP PINTも整備されており、取引先が対応していれば相互運用しやすい標準となっています。

セキュリティ対策とPPAP問題

従来よく使われていたパスワード付きZIPファイル(PPAP)は、2020年11月に平井デジタル改革担当大臣が中央省庁でのPPAPを廃止する方針を発表しており、セキュリティ上の問題が指摘されています。

PPAPの主な問題点

  1. マルウェア感染リスク
    パスワード付きZIPファイルの中身はセキュリティソフトがチェックできないため、マルウェアを検知できない可能性があります。
  2. ネットワーク盗聴への脆弱性
    同一ネットワーク(通信経路)でzipファイルとパスワードをそれぞれ送るため、ネットワークが盗聴されてしまうと、いとも簡単に情報漏洩を許してしまいます。
  3. 業務効率の悪化
    受信者がパスワードを確認してファイルを展開する手間がかかり、作業効率を低下させます。

推奨される代替策

PPAPの代替案として、ファイルとパスワードを別々の方法で送るか、クラウドストレージサービスを利用することが推奨されています。

  1. クラウドストレージの活用
    Google Drive、OneDrive、Dropboxなどで期限付きリンクを生成し、アクセス制御を設定します。
  2. 別経路でのパスワード送付
    ファイルをメールで送り、パスワードを電話やSMSで連絡します。
  3. 専用ファイル送信サービス
    セキュリティに特化したファイル送信サービスを利用します。

よくある質問

Q1. 請求書メールの件名はどのように付ければよいですか?

A. 「請求書送付」「対象期間・案件名」「重要な情報」を含めます。例:「【請求書送付】【8月分保守費用】【支払期日9/30】」のように、受信者が内容を即座に判別できる件名にします。緊急性がある場合は【至急】、訂正の場合は【差替】なども併記しましょう。

Q2. メール本文にはどの情報を記載すべきですか?

A. 支払いに必要な情報を箇条書きで明記します。請求金額・対象期間・支払期日・振込先・添付ファイル名は必須です。インボイス制度の詳細要件は請求書ファイル側で満たし、メール本文では支払い実務に必要な最小限の情報に留めることが効果的です。

Q3. インボイス制度に対応するため、メールで注意すべき点は?

A. 適格請求書の要件は請求書ファイル側で満たし、メールは送付案内に徹します。登録番号や税率区分などの詳細は請求書PDF内で記載し、メール本文では「インボイス対応済み」程度の記載で十分です。電子データで送付する場合は電子保存が義務となる点にも注意が必要です。

Q4. 請求書ファイルの安全な送付方法は?

A. PPAPは避け、クラウドストレージや期限付きリンクを活用します。パスワード付きZIPファイルはセキュリティリスクがあるため、Google DriveやOneDriveなどの期限付き共有リンクや、専用のファイル送信サービスの利用を推奨します。

Q5. 請求書の再送や催促はどのタイミングで行うべきですか?

A. 支払期日の1週間前と当日に確認するのが一般的です。ただし、取引先との関係性や支払条件によって調整します。再送の際は「行き違いの場合はご容赦ください」などの配慮も忘れずに記載しましょう。

Q6. 英語併記や海外取引先向けの対応方法は?

A. 重要な情報は英語と日本語で併記し、窓口を明確にします。金額・支払期日・連絡先は必ず両言語で記載し、質問や確認事項があった際の対応窓口(英語対応可能な担当者)も明記することが重要です。

送信前の確認チェックリスト

送信前の90秒チェック
□ 件名に「請求書送付」「対象期間」「案件名」を含めている
□ 請求金額・支払期日・振込先・添付ファイル名を本文に明記
□ 適格請求書の要件を請求書ファイル側で満たしている
□ 添付ファイル名が分かりやすく、バージョン管理されている
□ 宛先(To・Cc・Bcc)が適切に設定されている
□ PPAPを避け、安全なファイル共有方法を選択している
□ 相手の作業負担を最小限にする配慮がされている
□ 不明点があった際の連絡先を記載している
□ 敬語と文章表現が適切である
□ 誤字脱字がないか最終確認済み

まとめ

請求書送付メールは、単なる事務連絡ではなく、取引先との信頼関係を築く重要なコミュニケーションツールです。相手が次に何をすればよいかを一目で理解できる明確な内容を心がけることで、円滑な取引関係を維持できます。

特に重要なのは、インボイス制度への適切な対応と、セキュリティを考慮したファイル送付です。適格請求書の要件は請求書ファイル側で満たし、メール本文では支払い実務に必要な情報のみを簡潔に記載することで、効率的で分かりやすいコミュニケーションが実現できます。

また、従来のPPAP(パスワード付きZIP)は避け、クラウドストレージや専用サービスを活用した安全なファイル共有を実践することで、セキュリティリスクを軽減しながら業務効率も向上させることができます。

本記事のテンプレートを参考に、自社の業務に適した請求書送付メールの運用を確立し、より良い取引関係の構築にお役立てください。

実践のポイント
請求書送付メールは、相手の立場に立って「何をすればよいか」「いつまでに」「どのように」が分かりやすく伝わることを最優先に考えましょう。定型化できる部分はテンプレート化し、個別対応が必要な部分は丁寧にカスタマイズすることで、効率性と丁寧さを両立できます。