【例文付】領収書発行依頼メールの書き方完全ガイド

ビジネス連絡
取引先への領収書発行依頼は、多くの経理担当者が日常的に行う業務です。しかし、「どんな情報を伝えれば良いのか分からない」「インボイス制度に対応した依頼方法が知りたい」といった悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

適切な領収書発行依頼により、相手の作業負担を軽減しながら、自社の経理処理もスムーズに進められます。この記事では、支払情報の整理からインボイス要件、電子保存への対応まで、実務で即使える依頼メールの作成方法を詳しく解説します。

領収書発行依頼メールの5つの基本原則

効果的な領収書発行依頼には、以下の5つの原則があります。これらを守ることで、相手にとって分かりやすく、対応しやすい依頼となります。

  1. 件名で用件と対象を明確化
    「【領収書発行のお願い】8月分/注文#12345」のように、領収書発行の依頼である旨と対象を具体的に記載します。
  2. 支払情報を一画面で整理
    支払日・金額・支払方法・注文番号や請求書番号など、相手が支払事実を特定するために必要な情報をまとめて提示します。
  3. 宛名と但し書きを明確に指定
    経理処理に必要な正確な会社名と、勘定科目に対応した但し書きを具体的に依頼します。
  4. 交付形式と保存要件を考慮
    PDF等の電子形式を希望する場合は、電子帳簿保存法の要件を踏まえた保存前提であることを伝えます。
  5. インボイス対応を適切に依頼
    必要に応じて、適格請求書としての記載事項(登録番号・税率別金額等)の記載を丁寧に依頼します。

領収書発行依頼メールの件名テンプレート20選

実務でそのまま使える件名テンプレートを20パターンご紹介します。【 】内を実際の情報に置き換えてください。

場面 件名テンプレート 適用タイミング
基本 【領収書発行のお願い】【8月分/注文#12345】 最も汎用性の高い基本形
インボイス対応 【インボイス対応可】領収書ご発行のお願い(登録番号記載希望) 適格請求書として必要な場合
支払完了後 【支払完了】領収書ご発行依頼—【¥○○,○○○/8/20】 支払後の即座の依頼
電子希望 【PDF希望】領収書発行のお願い(有効期限付リンク可) 電子形式での受領を希望
宛名指定 【宛名指定あり】領収書ご発行—宛名:【会社名】 正式な会社名での発行が必要
但し書き指定 【但し書き指定】「【役務名】として」領収書発行のお願い 勘定科目を明確にしたい場合
急ぎ 【至急】経理締めのため領収書発行依頼(【8/25】まで) 期限が迫っている場合
再送依頼 【再送依頼】領収書データの再共有(行き違いご放念ください) データが届いていない場合
紙原本希望 【紙原本希望】領収書郵送のお願い(送付先記載) 物理的な原本が必要な場合
英語対応 【英語版可】Request for Receipt (Invoice-compliant) 外国人取引先への対応
オンライン決済 【オンライン決済】領収書発行依頼—決済ID【XXXX】 クレジットカード等の決済後
イベント参加 【イベント】参加費の領収書発行のお願い(申込番号あり) セミナーや研修の参加費
内訳記載 【内訳記載希望】税率別の金額・税額の明示につきまして 消費税の詳細が必要な場合
期間合算 【合算】複数回分の領収書発行依頼(期間:【8/1-8/31】) 月次等でまとめて処理
差替発行 【宛名変更】領収書の差替発行のお願い 記載内容の訂正が必要
受領確認 【受領確認のお願い】領収書データ再送(返信一言で可) データの到達確認
形式相談 【郵送→PDF可】発行方式のご相談(電子保存対応) 発行形式を変更したい場合
再発行依頼 【控え】領収書の写しのご相談(原本紛失のため) 紛失等による再発行
当日締切 【締め直前】領収書発行のお願い—本日中 その日のうちに必要
社内依頼 【社内】【取引先名】への領収書発行依頼 社内での依頼指示
インボイス制度と電子帳簿保存法の実務への影響
2023年10月のインボイス制度導入により、適格請求書発行事業者登録番号の記載が仕入税額控除の要件となりました。また、2022年1月の電子帳簿保存法改正で、電子で受領した領収書は電子のまま保存することが原則となっています。これらの法改正により、領収書発行依頼時には法的要件を満たす記載事項の明確な依頼が重要になっています。

【状況別】領収書発行依頼メール本文テンプレート14選

実際のメール本文で使える、状況別のテンプレートをご紹介します。コピーして【 】内を置き換えるだけで使用できます。

1. 基本形(PDF希望・インボイス記載依頼)

【会社名】
【部署名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

下記お支払いの領収書ご発行をお願いできますでしょうか。

■ お支払い情報
・お支払い日:【8月18日】
・金額:【¥○○,○○○】(税込)
・お支払い方法:【銀行振込/クレジットカード/現金】
・注文番号/請求書番号:【#12345/INV-6789】

■ 発行内容
・宛名:【自社正式名称】
・但し書き:「【サービス名/商品名】として」

■ 交付形式
PDFでのご発行をお願いいたします。
電子保存に対応いたしますので、
ファイル名例:【2025-08-18_receipt_INV-6789.pdf】

■ インボイス対応(可能でしたら)
貴社の適格請求書発行事業者登録番号および
税率ごとの合計金額と消費税額の記載を
ご検討いただけますと幸いです。

ご発行いただきましたら、本メール宛に
ご送付いただけますでしょうか。

お忙しい中恐れ入りますが、
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

―――――――――――――――――
【署名】
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2. 紙原本の郵送依頼(収入印紙への配慮)

【会社名】
【部署名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

下記お支払いの領収書につきまして、
紙原本でのご発行をお願いできますでしょうか。

■ お支払い情報
・お支払い日:【8月18日】
・金額:【¥○○,○○○】(税込)
・お支払い方法:【現金】
・取引内容:【商品名/サービス名】

■ 発行内容
・宛名:【自社正式名称】
・但し書き:「【商品名】として」

■ 送付先
〒【郵便番号】
【住所】
【会社名 部署名 氏名】
TEL:【電話番号】

なお、収入印紙の要否につきましては、
貴社基準にてご判断いただければと存じます。

お手数をおかけいたしますが、
何卒よろしくお願いいたします。

―――――――――――――――――
【署名】
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3. 急ぎの依頼(経理締切対応)

【会社名】
【部署名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

恐れ入りますが、下記お支払いの領収書につきまして、
経理締めの都合で【8月25日(火)17:00】までに
ご発行いただけますでしょうか。

■ お支払い情報
・お支払い日:【8月18日】
・金額:【¥○○,○○○】(税込)
・お支払い方法:【銀行振込】
・請求書番号:【INV-6789】

■ 発行内容
・宛名:【自社正式名称】
・但し書き:「【サービス名】として」
・形式:PDF(メール添付可)

もし期限までが難しい場合は、
最短でのご対応予定をお聞かせください。

急なお願いで恐縮ですが、
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

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【署名】
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4. 宛名・但し書きの詳細指定

【会社名】
【部署名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

下記お支払いの領収書ご発行をお願いいたします。

■ お支払い情報
・お支払い日:【8月18日】
・金額:【¥○○,○○○】(税込)
・注文番号:【#12345】

■ 発行内容(詳細指定)
・宛名:「【株式会社○○(正式名称)】」
・但し書き:「【コンサルティング業務】として」

宛名は正式な会社名(登記名)での記載を、
但し書きは経理処理の関係で上記の通りに
していただけますと助かります。

形式はPDFでお願いいたします。

お手数をおかけいたしますが、
よろしくお願いいたします。

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【署名】
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5. インボイス記載の明確な依頼

【会社名】
【部署名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

下記お支払いの領収書ご発行をお願いいたします。

■ お支払い情報
・お支払い日:【8月18日】
・金額:【¥○○,○○○】(税込)
・請求書番号:【INV-6789】

■ 発行内容
・宛名:【自社正式名称】
・但し書き:「【サービス名】として」

■ インボイス対応のお願い
仕入税額控除の関係上、可能でしたら
下記の記載をご検討いただけますでしょうか:

・貴社の適格請求書発行事業者登録番号
・税率ごとの合計金額(10%対象、8%対象等)
・消費税額(税率ごと)

ご対応いただける範囲で結構です。

お忙しい中恐れ入りますが、
よろしくお願いいたします。

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【署名】
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6. オンライン決済の領収書依頼

【会社名】
【部署名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

オンライン決済による領収書の発行を
お願いいたします。

■ 決済情報
・決済ID:【XXXX-YYYY-ZZZZ】
・決済日:【8月18日】
・決済金額:【¥○○,○○○】
・決済方法:【クレジットカード】

■ 発行内容
・宛名:【自社正式名称】
・但し書き:「【商品名/サービス名】として」

PDFでのご発行、またはダウンロードURLでの
ご提供をお願いできますでしょうか。

ダウンロードURLの場合は、
有効期限をお教えいただけますと助かります。

ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

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【署名】
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7. イベント・セミナー参加費の領収書

【会社名】
【部署名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

【イベント名】(開催日:【8月20日】)の
参加費につきまして、領収書のご発行を
お願いいたします。

■ 参加情報
・申込番号:【ABC-123】
・参加者名:【氏名】
・参加費:【¥○○,○○○】
・お支払い方法:【クレジットカード】

■ 発行内容
・宛名:【自社正式名称】
・但し書き:「【研修費/セミナー参加費】として」

形式はPDFでお願いいたします。

お忙しい中恐れ入りますが、
ご対応のほど、よろしくお願いいたします。

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【署名】
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8. 期間合算の領収書依頼

【会社名】
【部署名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

【8月1日〜8月31日】の期間分をまとめた
領収書のご発行は可能でしょうか。

■ 対象期間の取引
・期間:【2025年8月1日〜8月31日】
・合計金額:【¥○○○,○○○】
・取引回数:【○回】
・内容:【月次保守サービス等】

■ 発行内容
・宛名:【自社正式名称】
・但し書き:「【8月分サービス利用料】として」

必要でしたら、個別の納品書番号等も
併記いたします。

ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

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【署名】
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9. 再発行のお願い(写し・支払証跡添付)

【会社名】
【部署名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

大変恐縮ですが、下記取引の領収書を
紛失してしまいました。

■ 取引情報
・取引日:【8月18日】
・金額:【¥○○,○○○】
・取引内容:【商品名/サービス名】
・請求書番号:【INV-6789】

可能でしたら「再発行」の旨を明記した
写しのご発行、またはPDFでのご提供を
ご検討いただけますでしょうか。

参考として、お支払いの証跡(銀行振込明細)を
添付いたします。

再発行につきましては任意であることは
理解しております。
ご無理でしたら代替手段を検討いたします。

行き違いで既にご対応いただいている場合は、
本メールはご放念ください。

お手数をおかけして申し訳ございませんが、
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

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【署名】
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10. 宛名変更による差替発行

【会社名】
【部署名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

先日ご発行いただいた領収書につきまして、
宛名の訂正をお願いできますでしょうか。

■ 対象領収書
・発行日:【8月18日】
・金額:【¥○○,○○○】
・請求書番号:【INV-6789】

■ 宛名の訂正
・現在の宛名:【誤った名称】
・正しい宛名:【正式名称】

その他の記載内容(登録番号、税率別内訳等)は
現行のままで問題ございません。

お手数をおかけして恐縮ですが、
差替版のご発行をお願いできますでしょうか。

何卒よろしくお願いいたします。

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【署名】
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11. 電子保存要件を考慮した依頼

【会社名】
【部署名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

下記お支払いの領収書ご発行をお願いいたします。

■ お支払い情報
・お支払い日:【8月18日】
・金額:【¥○○,○○○】(税込)
・請求書番号:【INV-6789】

■ 電子保存への対応
電子帳簿保存法の要件に沿うため、
以下の点でご配慮いただけますでしょうか:

・PDFファイルのプロパティに「発行日・発行者」を記録
・ファイル名に日付と内容を含める
・データの改ざん防止機能(可能であれば)

受領したファイルは弊社にて適切に保存し、
第三者への再配布は行いません。

お忙しい中恐れ入りますが、
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

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【署名】
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12. 受領確認のみ依頼(相手の負担軽減)

【会社名】
【部署名】
【ご担当者名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

下記お支払いの領収書ご発行をお願いいたします。

■ お支払い情報
・お支払い日:【8月18日】
・金額:【¥○○,○○○】(税込)
・注文番号:【#12345】

■ 発行内容
・宛名:【自社正式名称】
・但し書き:「【商品名】として」
・形式:PDF

ご発行後は、「送付済み」の一言のみ
ご返信いただければ十分です。

お忙しい中恐れ入りますが、
よろしくお願いいたします。

―――――――――――――――――
【署名】
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13. 英語併記パターン

Subject: Request for Receipt (Invoice-compliant)

Dear 【Name】,

Could you kindly issue a receipt for the payment below?

Payment Details:
・Date: 【August 18】
・Amount: 【¥○○,○○○】
・Reference: 【INV-6789】

Receipt Details:
・Company Name: 【Company Name】
・Description: 【Service/Product】 as

If possible, please include your tax registration number
and VAT breakdown for invoice compliance.

PDF format is preferred. Thank you for your support.

【日本語】
下記お支払いの領収書発行をお願いいたします。

お支払い情報:
・日付:【8月18日】
・金額:【¥○○,○○○】
・参照番号:【INV-6789】

可能でしたら、適格請求書対応として
登録番号と税額の内訳記載をお願いいたします。

PDF形式でお願いいたします。

Best regards,
【Name】

―――――――――――――――――
【署名】
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14. 社内依頼(経理から営業担当へ)

【部署名】
【担当者名】 様

お疲れさまです。
経理部の【氏名】です。

【取引先名】への領収書発行依頼を
お願いいたします。

■ 依頼内容
・お支払い日:【8月18日】
・金額:【¥○○,○○○】
・請求書番号:【INV-6789】
・宛名:【取引先正式名称】
・但し書き:「【サービス名】として」
・形式:PDF希望(インボイス記載を依頼)

■ 依頼ポイント
・適格請求書発行事業者登録番号の記載
・税率ごとの金額と消費税額の明示

下記テンプレートをご活用ください:
【テンプレートリンク】

ご発行後、受領の可否を
このメールスレッドでご共有ください。

よろしくお願いいたします。

―――――――――――――――――
【署名】
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よくある問題と改善事例

領収書発行依頼メールでよく見られる問題点と、より効果的な改善例をご紹介します。適切な依頼により、スムーズな対応を得られます。

情報提供の改善事例

改善前 改善後 改善ポイント
領収書ください。至急。 支払日・金額・方法・番号を一画面に整理し、期限をお願い口調で 必要情報の包括的提供
インボイスでお願いします 登録番号・税率別合計・税額など必要記載事項を具体的に提示 相手が対応しやすい明確な指示
PDFで送ってください 電子保存前提を明記し、ファイル名ルールやリンク有効期限を考慮 電子帳簿保存法への対応

対応依頼の改善事例

改善前 改善后 改善ポイント
再発行してください 再発行は任意であることを理解し、写しや証跡提示で丁寧に依頼 相手の立場への配慮
領収書の確認をお願いします 「送付済み」の一言のみで十分と明記し、相手の負担を軽減 返信ハードルの引き下げ
すぐに発行してください 経理締めの事情を説明し、難しい場合の代替案も提示 事情説明と柔軟性の両立

領収書発行依頼の実務ポイント

効果的な領収書発行依頼のための重要なポイントをご紹介します。法的要件と実務的な配慮を両立させることが重要です。

  1. 支払事実の特定情報を正確に提供
    支払日、金額、支払方法、注文番号や請求書番号など、相手が支払事実を特定するために必要な情報を漏れなく提供します。
  2. インボイス制度への適切な対応
    適格請求書として必要な場合は、登録番号、税率ごとの合計金額、消費税額の記載を具体的に依頼します。領収書も適格請求書の要件を満たせば有効です。
  3. 電子保存要件を考慮した依頼
    PDF等で受領する場合は、電子帳簿保存法の要件を踏まえ、ファイル名ルールや保存前提であることを明記します。
  4. 再発行依頼時の適切な配慮
    再発行は法的義務ではないことを理解し、支払証跡の提示や写しでの対応など、相手に配慮した依頼を行います。
  5. 相手の作業負担を最小化する工夫
    必要な情報を整理して提示し、返信は簡潔で良いことを明記するなど、相手の負担を軽減する配慮を示します。
法的・技術的な要件:
・インボイス制度:登録番号(T+13桁)、税率ごとの合計額、消費税額等
・電子帳簿保存法:検索要件(日付・金額・取引先の3項目)、真実性確保、可視性確保
・真実性確保:タイムスタンプ付与、改ざん防止システム、定期検査のいずれかを選択
・印紙税:現金受領5万円以上は200円から(金額に応じて段階的に増額)、電子領収書は非課税
・再発行:法的義務なし、相手の善意による対応
・保存期間:法人7年、個人5年(電子データも同様)

よくある質問

Q1. 「領収書」と「請求書」の違いは何ですか?

A. 請求書は支払前の請求書類、領収書は支払後の受領証憑です。インボイス制度下では、適格請求書の要件を満たしていれば、領収書も適格請求書として扱うことができます。

Q2. 宛名は「上様」でも問題ありませんか?

A. 小売業等では適格簡易請求書として宛名不要の場合もありますが、B2Bで仕入税額控除を確実にするなら正式な会社名での記載が安全です。経理処理の観点からも、正確な宛名の記載を依頼することを推奨します。

Q3. 電子領収書(PDF)は有効ですか?印紙は必要ですか?

A. 電子領収書は法的に有効です。電子で発行・受領した領収書は電子帳簿保存法に従って電子のまま保存する必要があります。印紙税は電子文書には課税されません。

Q4. 領収書の再発行を断られることはありますか?

A. 再発行は法的義務ではないため、断られる場合があります。紛失等の場合は、支払明細や取引記録を添えて「写しの発行」等を相談することをお勧めします。

Q5. 複数の取引をまとめた領収書は発行可能ですか?

A. 一定期間をまとめた記載や納品書との組み合わせで要件を満たす運用例があります。ただし、取引先の対応方針によるため、事前に相談することが重要です。

Q6. 件名はどの程度の長さが適切ですか?

A. 30文字前後で要件を前方に配置することが目安です。「依頼内容+対象+期日/番号」の順で構成すると、相手が内容を素早く把握できます。

Q7. 電子領収書の真実性確保要件とは何ですか?

A. 改ざん防止のための技術的措置です。電子帳簿保存法では、①タイムスタンプの付与、②改ざん防止機能を有するシステムでの授受・保存、③定期的な検査による確認、のいずれかを選択する必要があります。具体的な対応方法については税理士等の専門家にご相談ください。

送信前の確認チェックリスト

90秒でできる送信前チェック:
□ 件名に用件(領収書発行)・対象・補足(期日/番号)を明記
□ 支払情報(日・金額・方法・番号)を一画面で整理
□ 宛名・但し書きを具体的に指定
□ 交付形式(紙/PDF)と保存要件を考慮
□ インボイス記載事項を適切に依頼
□ To/Ccの使い分け(対応者=To/共有=Cc)
□ 日付・金額・番号の表記統一
□ 敬語・句読点の正確性確認
□ 期限がある場合は理由と併せて丁寧に依頼

まとめ

領収書の発行依頼は、相手の作業負担を最小化しながら、自社の経理処理に必要な情報を確実に取得することが重要です。支払情報の正確な提示インボイス制度への適切な対応電子保存要件の考慮相手への配慮ある依頼を心がけることで、スムーズな対応を得られます。

2023年のインボイス制度導入と2022年の電子帳簿保存法改正により、領収書発行依頼の重要性はさらに高まっています。法的要件を満たした適切な依頼により、今回ご紹介した20の件名テンプレートと14種類の本文例を活用し、経理業務の効率化と法令遵守を両立させることができるでしょう。

次のアクション:
領収書の発行依頼が必要になった際は、今回のテンプレートを活用して適切で丁寧な依頼を行ってください。社内でのテンプレート共有により、統一された品質の高い依頼メールを実現できます。