【例文付】請求書再送メールの書き方完全ガイド

ビジネス連絡
請求書の再送メールは、多くのビジネスパーソンが悩む実務課題の一つです。「催促しているようで気が引ける」「どんな表現が適切かわからない」といった声をよく耳にします。しかし、適切な配慮と明確な情報提供により、相手との関係を損なうことなく必要な手続きを進められます。この記事では、実務ですぐに使える件名テンプレート20例と本文14種類を詳しく解説し、受領確認から文末表現まで幅広くカバーします。メール容量制限(主要サービス25MB)やインボイス制度の要件など、技術的・法的な観点も含めて体系的に整理しています。

請求書再送メールの5つの基本原則

効果的な請求書再送メールには、以下の5つの原則があります。これらを守ることで、相手に負担をかけずに必要な情報を伝えられます。

  1. 件名で用件と対象を明確化

    「【再送】請求書送付のお願い—4月分(案件名)」のように、再送である旨と対象を一目で分かるように記載します。

  2. 本文は必要情報を体系的に構成

    お詫び→再送理由→請求情報→添付/リンク→受領確認→お礼の順で整理し、相手が必要な情報を素早く把握できるようにします。

  3. 元メールの事実を引用

    前回の送信日時と件名を記載することで、相手が元メールを探しやすくし、行き違いを防げます。

  4. 添付の到達性を考慮

    PDFサイズの目安や、届かない場合のクラウドリンクなど、確実に受け取ってもらう手段を用意します。

  5. 適切なTo/Ccの使い分け

    対応を求める相手をTo、情報共有のみの相手をCcにし、Bccの乱用は避けて透明性を保ちます。

請求書再送メールの件名テンプレート20選

そのまま使える件名テンプレートを20パターンご紹介します。【 】内を実際の情報に置き換えてください。

場面 件名テンプレート 適用タイミング
基本 【再送】請求書送付のお願い—【4月分/案件名】 最も汎用性の高い基本形
差替再送 【差替再送】請求書(宛名訂正済)—【No.1234】 訂正版の送付時
期限明記 【再送】請求書のご確認—受領のお願い(【8/20 17:00】まで) 受領期限がある場合
柔らかい表現 念のための再送:請求書送付の件(行き違いご放念ください) 圧迫感を避けたい場合
部門宛 【再送】請求書のご確認—経理部門各位 特定部門への送付時
内訳訂正 【再送】請求書の内訳訂正について(差替版添付) 計算ミス等の訂正時
容量配慮 【再送/到達確認】請求書PDF(2MB以内) 添付容量が心配な場合
リンク送付 【再送】リンクで請求書送付(有効:【8/31】) クラウドリンクでの送付時
受領確認 【再送】請求書受領の可否ご確認(返信一言で可) 受領確認を重視する場合
検収済 【再送】検収済:請求書の送付依頼 検収完了後の請求時
月次請求 【再送】月次固定費の請求書—【8月分】 定期的な月次請求時
部分請求 【再送】部分請求(第1期分3件) 分割払いの一部請求時
支払日指定 【再送】支払サイクル都合の受領希望:【8/20】 支払日程に制約がある場合
一連書類 【再送】見積→注文→請求の一連書類(まとめ) 関連書類をまとめて送付時
英語併記 【再送】Re-sending invoice for 【Project/Month】 外国人取引先への対応時
送付先変更 【再送】請求書の送付先変更について(差替案内) 送付先の変更があった場合
口座確認 【再送】口座情報最終確認のお願い 振込先の確認が必要な場合
最終連絡 【最終のご連絡】請求書受領の可否につきまして 複数回送付後の最終確認
配慮重視 【再送】(行き違いでしたらご放念ください) 特に丁寧な対応が必要な場合
社内向け 【社内】請求書再送の依頼(【取引先名】宛) 社内での再送依頼時
心理的配慮の重要性

ビジネス心理学では、「面子を潰さない」コミュニケーションが関係維持の鍵とされています。「念のため」「行き違いでしたらご放念ください」といった表現は、相手に「見落とし」の責任を感じさせず、自然な協力を引き出す効果があります。また、「受領済みの一言で結構です」という表現は、返信の心理的ハードルを下げ、レスポンス率を向上させます。

請求書再送メールの本文テンプレート14選

実際のメール本文で使える、状況別のテンプレートをご紹介します。コピーして【 】内を置き換えるだけで使用できます。

1. 基本形(未着の可能性に配慮)

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

先日お送りいたしました請求書につきまして、
念のため再送させていただきます。

■ 対象:【案件名/期間】
■ 請求書No.:【1234】
■ 金額:【¥123,456】
■ 送付方法:PDF添付(2MB以内)
■ 前回送信:【8/15(木)10:12】件名「【  】」

お手数をおかけいたしますが、
受領の可否につきまして、一言ご連絡いただけますでしょうか。

なお、行き違いで既にご確認いただいている場合は、
本メールはご放念ください。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――――
【署名】
――――――――――――――――――――

2. 添付容量制限の可能性

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

先日お送りいたしました請求書について、
添付容量の制限により届いていない可能性があるため、
リンクにて再送いたします。

■ 対象:【案件名/期間】
■ 請求書No.:【1234】
■ 金額:【¥123,456】
■ ダウンロード:【URL】(有効期限:【8/31】)
■ 補足:必要に応じて分割送付も承ります

恐れ入りますが、受領の確認だけご返信いただけますでしょうか。

ご不便をおかけして申し訳ございませんが、
よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――――
【署名】
――――――――――――――――――――

3. 宛名訂正の差替再送

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

先日お送りいたしました請求書につきまして、
宛名に誤りがございましたため、
訂正版を再送いたします。

■ 対象:【案件名/期間】
■ 請求書No.:【1234】
■ 金額:【¥123,456】
■ 訂正内容:宛名(正:【正式名称】/誤:【旧名称】)
■ 適格請求書要件:登録番号・税率別金額・税額記載済み

大変失礼いたしました。
差替版にてご処理をお願いいたします。

今後このようなことがないよう気をつけてまいります。
何卒よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――――
【署名】
――――――――――――――――――――

4. 金額訂正の差替再送

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

先日お送りいたしました請求書について、
金額に誤りがございましたため、
差替版を再送いたします。

■ 対象:【案件名/期間】
■ 請求書No.:【1234】(差替版)
■ 正しい金額:【¥123,456】
■ 誤った金額:【¥98,765】
■ 訂正理由:【消費税計算の誤り】

この度は大変失礼いたしました。
差替版をご査収くださいますよう、お願いいたします。

再発防止に努めてまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――――
【署名】
――――――――――――――――――――

5. 期日前の穏やかな再送(経理部門向け)

【会社名】
経理部門 ご担当者様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

先日お送りいたしました請求書につきまして、
支払サイクルのご都合上、【8/20(火)】までに
ご確認いただけますと幸いです。

■ 対象:【案件名/期間】
■ 請求書No.:【1234】
■ 金額:【¥123,456】
■ 支払期日:【8/31】

もしご都合が難しい場合は、
新しい受領予定日をお知らせください。

ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――――
【署名】
――――――――――――――――――――

6. 二通目(背景と引用を含む)

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

度々のご連絡となり恐縮ですが、
社内処理の都合により、再度ご連絡いたします。

—— 前回送信内容 ——————————
・送信日時:【8/15(木)10:12】
・件名:【請求書送付のお願い—4月分】
・概要:【4月分請求書/¥123,456/No.1234】
————————————————————

【8/21(水)】までに受領の可否について
ご一報いただけますと幸いです。

行き違いで既にご対応いただいている場合は、
本メールはご放念ください。

何卒よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――――
【署名】
――――――――――――――――――――

7. 最終確認(クロージング条件明記)

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

請求書の件につきまして、
これが最終のご連絡となります。

■ 対象:【案件名/期間】
■ 請求書No.:【1234】
■ 金額:【¥123,456】
■ 最終確認期限:【8/21(水)正午】

期限までにご確認が難しい場合、
今月の計上は翌サイクルに回させていただく
可能性がございます。

ご迷惑をおかけいたしますが、
ご了承いただけますと幸いです。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――――
【署名】
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8. 社内向け(担当者への再送依頼)

【部署名】
【氏名】 様

お疲れさまです。
【部署名】の【氏名】です。

【取引先名】宛ての請求書再送を
お願いいたします。

■ 希望受領日:【8/20】
■ 請求書No.:【1234】
■ 金額:【¥123,456】
■ テンプレート:【社内リンク】に下書き済み

送付後、受領の可否をご共有ください。

よろしくお願いいたします。

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【署名】
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9. 社内向け(誤送付の是正報告)

【上司名】 様

お疲れさまです。
【部署名】の【氏名】です。

先ほどの請求書誤送付につきまして、
以下のとおり対応いたしました。

■ 誤送付先:【A社】
■ 正送付先:【B社】
■ 対応内容:正先へ差替版送付完了(宛名・金額確認済み)
■ 再発防止:承認フローを一段追加

今後このようなことがないよう、
十分注意いたします。

対応報告は以上です。

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【署名】
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10. PDFとデータを分離送付

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

セキュリティの都合上、
PDFとCSVデータを分けて再送いたします。

■ PDF請求書:本メール添付(2MB以内)
■ CSVデータ:別メールでパスワード付きZIP
■ パスワード:お電話にて別途お伝えいたします
■ 対象:【案件名/期間】

ご不便をおかけいたしますが、
よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――――
【署名】
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11. 受領確認のみを求める簡易版

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

請求書を再送いたしました。

■ 対象:【案件名/期間】
■ 請求書No.:【1234】
■ 金額:【¥123,456】

お手数ですが、「受領済み」の一言のみ
ご返信いただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――――
【署名】
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12. 月次固定費(定例再送)

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

毎月の定例請求書について、
見落とし防止のため前月と同様の件名・体裁で
再送いたします。

■ 対象:【8月分:運用保守費】
■ 請求書No.:【1234】
■ 金額:【¥123,456】
■ 支払期日:【8/31】

定例処理となりますが、
ご査収のほどよろしくお願いいたします。

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【署名】
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13. 英語併記パターン

Subject: Re-sending invoice — 【Project/Month】

Dear 【Name】,

I'm re-sending the invoice in case the previous email 
didn't reach you successfully.

Details:
■ Invoice No.: 【1234】
■ Amount: 【¥123,456】
■ Project: 【Project Name】

Could you kindly confirm receipt when convenient?
If attachments don't work, I can share a cloud link 
with an expiry date.

【日本語】
請求書が未着の可能性があるため、再送いたします。

■ 請求書No.:【1234】
■ 金額:【¥123,456】
■ 案件:【案件名】

受領のご確認をお願いいたします。
添付が届かない場合は、期限付きリンクでも
共有可能です。

Kind regards,
【Name】

――――――――――――――――――――
【署名】
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14. 受領後の完了確認

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

請求書受領のご連絡をいただき、
ありがとうございます。

■ 対象:【案件名/期間】
■ 請求書No.:【1234】
■ 金額:【¥123,456】
■ 支払予定日:【8/31】

迅速なご対応に心より感謝いたします。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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【署名】
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よくある問題と改善事例

請求書再送メールでよく見られる問題点と、より効果的な改善例をご紹介します。適切な対応により、取引先との関係を良好に保てます。

情報提供の改善事例

改善前 改善後 改善ポイント
請求書を再送します。以上。 対象・請求書No.・金額・前回送信事実を一画面に整理 必要な情報を包括的に提供
添付ファイルをご確認ください。 PDFサイズ明記・届かない場合のリンク代替案も提示 到達性への配慮
確認してください。 「受領済み」の一言のみで結構ですとハードルを下げる 相手の負担軽減

コミュニケーションの改善事例

改善前 改善后 改善ポイント
【至急】請求書再送 【再送】または「念のための再送」で圧迫感を軽減 相手への配慮
添付が届いていないようなので 「念のため再送」「容量制限の可能性」で原因を推定 相手を責めない表現
すぐに確認してください 「お手数ですが」「ご都合のよいときに」で丁寧に依頼 謙虚な姿勢

請求書再送メールの運用ルール

請求書再送メールを効果的に運用するための3つのコツをご紹介します。

  1. 相手の立場に立った情報整理

    「この人は今、何を知りたいだろう?」と考えて、対象・請求書番号・金額・前回送信日時を整理します。相手の手間を最小限にすることで、スムーズなやり取りが実現できます。

  2. 「届かない」を前提とした準備

    メール環境は千差万別です。PDFの容量目安を明記し、届かない場合のクラウドリンクを事前に準備しておくと、二度手間を避けられます。「備えあれば憂いなし」の精神です。

  3. 社内ルールの統一と透明性の確保

    To/Ccの使い分けに迷うことはありませんか?「対応してほしい人はTo、知っておいてもらいたい人はCc」という基本ルールを社内で統一しておくと、余計な混乱を避けられます。

技術的・法的考慮事項:

・主要メールサービスの添付容量制限:Gmail(25MB)、Outlook(20MB)、Yahoo(25MB)

・PDFの適正サイズ:2-5MB(スマホでも開きやすい容量)

・インボイス制度必須記載:登録番号・税率別金額・消費税額

・個人情報保護:Bcc多用は誤送信リスク増大のため避ける

・再送間隔の目安:初回から2-3営業日(相手の処理時間を考慮)

よくある質問

Q1. 「【再送】」という件名は強い印象を与えませんか?

A. 相手によっては圧迫感を感じる場合があります。「念のための再送」「ご確認のお願い」など、より柔らかい表現を使うことも効果的です。相手との関係性に応じて使い分けましょう。

Q2. どれくらいの間隔で再送すべきですか?

A. 緊急度にもよりますが、初回送付から2〜3営業日後が一般的です。二回目以降は1週間程度の間隔を空け、期限を明記することで相手の理解を得やすくなります。

Q3. 受領確認は何を求めればよいですか?

A. 「受領済み」の一言で十分であることを明記します。詳細な返信を求めると相手の負担が増えるため、簡潔な確認で済むことを伝えましょう。

Q4. 添付ファイルが届かないと言われた場合は?

A. PDFの容量を2〜5MB以内に調整し、期限付きクラウドリンクで代替送付します。主要メールサービスは25MB程度の制限があるため、事前に容量を確認しましょう。

Q5. インボイス制度で注意すべき点はありますか?

A. 適格請求書の必須記載事項(登録番号・税率別金額・税額等)を確認します。差替再送の際は特に、必要項目が満たされていることを一言添えると親切です。

Q6. 経理部門に再送する際のコツはありますか?

A. 請求書番号・金額・対象月を冒頭に明記し、受領希望日を一行で示します。To/Ccは担当者をTo、関係者を最小限Ccにして、処理の流れを明確にしましょう。

Q7. このテンプレートの制約や注意点はありますか?

A. 以下の点にご注意ください。業界や企業文化により適切な表現は異なるため、社内の慣例に合わせた調整が必要です。また、海外取引では文化的背景を考慮し、より直接的な表現が好まれる場合もあります。クラウドリンクの有効期限は確実に管理し、期限切れによる二度手間を避けましょう。

送信前の確認チェックリスト

90秒でできる送信前チェック:

□ 件名に用件(再送)・対象・補足を明記

□ お詫び→再送理由→請求情報→添付/リンク→受領確認の順序

□ 前回送信の事実(日時・件名)を引用

□ 添付は容量目安内(2-5MB)・期限付きリンクの準備

□ To/Ccの線引き・Bcc乱用回避

□ 数字・敬語・句読点の統一性を確認

□ インボイス要件(該当する場合)の記載確認

□ クラウドリンクの有効期限設定(推奨:1-2週間)

□ 送信タイミング(営業日の営業時間内)の確認

まとめ

請求書の再送メールは、相手への配慮と必要情報の明確化のバランスが重要です。適切な件名設定体系的な本文構成到達性への配慮を心がけることで、円滑な支払いサイクルと良好な取引関係を維持できます。

今回ご紹介した20の件名テンプレートと14種類の本文例を状況に応じて活用し、改善事例を参考にメール品質を向上させてください。継続的な実践により、効率的な債権管理と顧客満足度の向上が可能になるでしょう。

次のアクション:

請求書の未着や訂正が発生した際は、今回のテンプレートを活用して迅速で丁寧な対応を行ってください。事前に社内でのフローと責任者を明確にしておくことで、より効果的な債権管理が実現できます。