請求書発行依頼メールの書き方|すぐ使える例文15選とマナー

ビジネス連絡

「取引先から請求書が届かない」「支払い処理の締切が迫っている」。こんな状況に遭遇したことはありませんか。

請求書の未着は、多くの企業で月に数件は発生する問題です。適切な依頼メールを送ることで、相手に配慮しながら確実に請求書を受領できます。一方で、書き方を間違えると取引先との関係に悪影響を与える可能性があります。

特に2023年10月から始まったインボイス制度では、適格請求書の要件を満たしていない場合、仕入税額控除が受けられません。従来以上に、請求書の発行依頼時には注意が必要です。

この記事で解決できること
・取引先に失礼のない請求書発行依頼メールの書き方
・状況別にすぐ使えるコピペ可能なテンプレート15選
・インボイス制度に対応した正しい依頼方法
・よくあるトラブルを回避する具体的な対処法

すぐ使える基本テンプレート(最重要)

最も使用頻度の高い汎用テンプレートです。【】の部分を実際の内容に変更してそのまま使用できます。

件名:【請求書発行依頼】【対象月】分・【案件名】について

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

【対象月】分の【案件名】について、請求書をまだ受領しておりませんので、
ご連絡させていただきました。

弊社では月末締め翌月末払いとしており、経理処理の関係で
【締切日】までに請求書をお送りいただけますでしょうか。

期日を過ぎますと翌月のお支払いとなってしまうため、
ご協力をお願いいたします。

なお、本メールと行き違いでお送りいただいている場合は、
何卒ご容赦ください。

お忙しい中恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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請求書発行依頼メールの基本ルール

相手に配慮しながら確実に請求書を受領するため、以下のルールを守りましょう。

  1. 謙虚で丁寧な姿勢を基本とする
    請求書の未着は発行漏れや送付漏れが原因のケースが多いですが、相手を責めるような表現は避けます。「こちらで確認できていない」という姿勢で依頼することが重要です。
  2. 件名で用件を明確にする
    「【請求書発行依頼】4月分・○○案件」のように、一目で内容がわかる件名にします。緊急性がある場合のみ【至急】を付けます。
  3. 締切の理由を説明する
    「弊社は月末締め翌月末払いのため、○日までに受領が必要です」など、なぜその日までに必要なのかを明確に伝えます。
  4. 行き違いへの配慮を入れる
    「本メールと行き違いでお送りいただいている場合はご容赦ください」の一文を必ず含めます。

送信タイミングの目安

状況 送信タイミング 理由
通常の遅れ 予定日から2-3日後 相手の事情を考慮した適切な間隔
締切が近い 締切の5-7日前 対応時間の確保
締切当日 午前中 当日対応の可能性を最大化

状況別テンプレート15選

1. 初回取引先向け

件名:【請求書発行のお願い】【対象月】分・【案件名】納品の件

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

【納品日】にご納品いただきました【商品・サービス名】について、
検収も完了いたしましたので、請求書の発行をお願いいたします。

弊社の請求書処理スケジュールは以下の通りです。

■弊社支払いスケジュール
・締切日:毎月【締切日】日
・支払日:翌月末日

つきましては、【締切日】までに請求書をお送りいただけますと、
【支払予定日】にお支払いが可能です。

ご不明な点がございましたら、お気軽にお声がけください。

よろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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2. 既存取引先向け

件名:【請求書送付のお願い】【対象月】分の件

【会社名】【部署名】
【氏名】様

お疲れさまです。
【会社名】の【氏名】です。

【対象月】分の請求書の件でご連絡します。

いつもでしたらこの時期に届いているのですが、
まだ受領できておりません。

お忙しい時期で恐縮ですが、【締切日】頃までに
お送りいただけますでしょうか。

本メールと行き違いでしたら申し訳ございません。

よろしくお願いします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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3. 催促メール(2回目)

件名:【再送】請求書発行依頼の件(【対象月】分・【案件名】)

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

先日ご連絡いたしました【対象月】分【案件名】の請求書について、
再度ご連絡いたします。

弊社の経理処理締切が【締切日】となっており、
それまでに受領できないと翌月のお支払いとなってしまいます。

お忙しい中大変恐縮ですが、【締切日】(【曜日】)までに
ご送付いただけますでしょうか。

お手数をおかけして申し訳ございませんが、
ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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4. 緊急依頼(当日締切)

件名:【至急】請求書発行依頼(本日締切)

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

【対象月】分【案件名】の請求書について、緊急にご連絡いたします。

弊社の経理処理締切が本日となっており、
本日中に受領できないと翌月のお支払いになってしまいます。

大変急で恐縮ですが、本日17時までに
メールでお送りいただくことは可能でしょうか。

お忙しい中大変恐縮ですが、
ご確認のほどよろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】(直通)|携帯:【番号】
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5. 再発行依頼

件名:【請求書再発行依頼】記載内容修正のお願い

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

【受領日】付でお送りいただいた請求書について、
記載内容の修正をお願いしたく、ご連絡いたします。

■修正箇所
・【修正項目】:(誤)【間違った内容】 → (正)【正しい内容】

お手数をおかけして申し訳ございませんが、
修正版の請求書を【締切日】までにお送りいただけますでしょうか。

ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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6. 複数件まとめて依頼

件名:【請求書発行依頼】【対象月】分・複数案件について

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

【対象月】分の以下案件について、請求書の発行をお願いいたします。

■請求対象案件
1. 【案件名1】 ¥【金額1】
2. 【案件名2】 ¥【金額2】
3. 【案件名3】 ¥【金額3】

弊社締切:【締切日】
支払予定日:【支払日】

請求書は案件別でも、まとめて1通でも構いません。

よろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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7. メール添付希望

件名:【請求書発行依頼】メール送付のお願い

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

【対象月】分【案件名】の請求書発行をお願いいたします。

つきましては、請求書はメール添付(PDF形式)で
お送りいただけますでしょうか。

■送付先
宛先:【経理部メールアドレス】

【締切日】までに受領できると助かります。

ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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8. 検収完了通知と併せた依頼

件名:【検収完了】請求書発行のお願い

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

【納品日】にご納品いただきました【商品・サービス名】について、
本日検収が完了いたしましたのでご報告いたします。

つきましては、請求書の発行をお願いいたします。

■検収完了案件
・案件名:【案件名】
・検収完了日:【検収完了日】
・契約金額:¥【金額】(税込)

弊社締切の【締切日】までにお送りいただけると
【支払日】にお支払いが可能です。

よろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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9. 月次定期処理向け

件名:【月次定期】【対象月】分・保守費用の請求書について

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

【対象月】分の定期保守費用について、請求書の発行をお願いいたします。

■請求内容
・【サービス名】保守費用:【対象月】分
・契約金額:¥【金額】(税込)

毎月【通常送付日】頃にお送りいただいているかと思いますが、
念のためご連絡いたします。

よろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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10. 年度末・期末処理向け

件名:【期末処理】請求書発行の緊急依頼

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

弊社決算期末の関係で、【対象月】分の請求書について
緊急にお願いがございます。

期末処理のため、【締切日】(【曜日】)までに
請求書をお送りいただけますでしょうか。

■対象案件
・【対象月】分【案件名】
・金額:¥【金額】(税込)

決算処理の都合で急で恐縮ですが、
ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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11. 送付先変更通知

件名:【重要】請求書送付先変更のお知らせ

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

【開始月】より弊社の請求書処理が変更になりましたので、
お知らせいたします。

■変更内容
・新送付先:【新メールアドレス】
・形式:PDF添付(従来通り)
・締切:【締切日】日(変更なし)

【開始月】分の請求書より、新しい送付先へお送りください。

ご面倒をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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12. 支払条件変更の通知

件名:【支払条件変更】請求書発行タイミングについて

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

このたび弊社の支払条件を変更させていただくことになりましたので、
ご連絡いたします。

■変更内容(【適用開始月】分より適用)
・変更前:【旧条件】
・変更後:【新条件】

つきましては、【対象月】分の請求書を
【締切日】までにお送りいただけますでしょうか。

支払条件の変更により、ご面倒をおかけして申し訳ございません。

よろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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13. 最終通知

件名:【最終通知】請求書発行依頼について

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

これまで数回ご連絡させていただいております
【対象月】分【案件名】の請求書について、最終のご連絡をいたします。

弊社の経理処理期限が【締切日】となっており、
それまでに受領できない場合は翌月のお支払いとさせていただきます。

お忙しい中恐れ入りますが、【締切日】(【曜日】)17時までに
ご送付いただけますでしょうか。

期限内に受領できない場合の支払予定日は【翌月支払日】となります。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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14. 個人事業主向け

件名:【請求書発行依頼】【対象月】分業務委託の件

【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

【対象月】分の業務委託について、請求書の発行をお願いいたします。

■業務内容
・【業務内容】
・合計:¥【金額】(税込)

個人事業主の方で適格請求書発行事業者に登録されていない場合は、
従来通りの請求書で構いません。

弊社締切の【締切日】までにお送りいただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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15. インボイス制度対応依頼

件名:【請求書発行依頼】インボイス対応のお願い

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【会社名】の【氏名】です。

【対象月】分【案件名】の請求書発行をお願いいたします。

2023年10月よりインボイス制度が開始されているため、
以下の点をご確認いただけますでしょうか。

■適格請求書の記載事項
・適格請求書発行事業者登録番号
・税率ごとの合計金額(10%、8%の区分)
・税率ごとの消費税額

貴社が適格請求書発行事業者として登録済みの場合、
上記事項を含めた請求書をお送りください。

よろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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インボイス制度対応のポイント

2023年10月1日から開始されたインボイス制度により、請求書発行依頼時に確認すべき事項が追加されました。

適格請求書の必要記載事項

  1. 適格請求書発行事業者の登録番号
    「T」から始まる13桁の番号が必要です。
  2. 税率ごとに区分した合計金額
    標準税率(10%)と軽減税率(8%)を分けて記載します。
  3. 税率ごとに区分した消費税額
    税率ごとの消費税額を明記し、端数処理は税率ごとに1回のみ行います。

経過措置について

免税事業者からの請求書についても、以下の経過措置があります。

期間 控除割合
2023年10月~2026年9月 80%控除可能
2026年10月~2029年9月 50%控除可能
2029年10月~ 控除不可

よくあるトラブルと対処法

何度依頼しても返事がない場合

メールだけでなく、電話で直接確認しましょう。システムトラブルや担当者不在など、理由がある場合があります。最終的には支払い条件の変更も検討する必要があります。

請求書の記載内容に間違いがある場合

速やかに連絡し、修正版の再発行を依頼します。修正箇所を「正・誤」で明確に伝え、期限も再度確認しましょう。

よくある質問

請求書発行依頼メールはいつ送るべきですか?

通常の請求書受領予定日から2-3日遅れた時点で連絡するのが一般的です。支払い処理の締切日の5-7日前には受領したいため、逆算して依頼しましょう。緊急の場合は電話での連絡も併用することをお勧めします。

件名にはどのような表現を使うべきですか?

「【請求書発行依頼】」で始まり、対象期間や案件名を含めます。緊急性がある場合は【至急】を付けますが、多用すると効果が薄れるため注意が必要です。一目で内容がわかる簡潔な表現を心がけましょう。

取引先が適格請求書発行事業者でない場合はどうすればよいですか?

免税事業者の場合、適格請求書は発行できません。経過措置により2029年9月まで段階的に控除が可能ですが、帳簿への記載が必要です。長期的には取引先に課税事業者への転換を相談するか、取引条件の見直しを検討しましょう。

何度依頼しても請求書が来ない場合の対処法は?

まず電話で直接確認し、先方の事情を把握しましょう。システムトラブルや担当者不在などの理由がある場合があります。最終的には支払い条件の変更や翌月処理への移行も検討する必要があります。

請求書の送付方法はメールと郵送のどちらが良いですか?

現在はメール添付(PDF形式)が主流です。迅速性があり、電子帳簿保存法にも対応できます。ただし取引先の希望や社内ルールにより郵送が必要な場合もあるため、事前に確認することが大切です。

メールの文面はどの程度丁寧にすべきですか?

相手との関係性にもよりますが、基本的には謙虚で丁寧な姿勢を保ちます。請求書の未着は多くの場合相手の発行漏れですが、責めるような表現は避け、「こちらで確認できていない」という姿勢で依頼することが重要です。

まとめ

請求書発行依頼メールは、企業の資金繰りと取引先との信頼関係に直結する重要なコミュニケーションです。適切な書き方をマスターすることで、円滑な支払いサイクルを維持しながら良好なビジネス関係を築けます。

成功のための4つのポイント
・謙虚で丁寧な姿勢を基本とする
・件名で用件を明確にする
・締切の理由を説明する
・行き違いへの配慮を入れる

本記事のテンプレートを参考に、状況に応じてカスタマイズして活用してください。適切な依頼メールにより、スムーズな請求書受領と良好な取引関係の維持を実現できます。

参考文献・引用情報