面接後のお礼メールを送りたいけれど、担当者の名前がわからずに困っていませんか。「御中?各位?それともご担当者様?」どの敬称を使えばよいか迷う方は少なくありません。
結論として、宛先不明の場合は「部署名+御中」が基本で、複数担当者には「各位」、個人担当者が想定される場合は「採用ご担当者様」が適切です。ただし「各位様」は誤用であり、「御中」と個人名は併用しません。
- 宛先不明時の敬称選択の明確な判断基準
- 「御中」「各位」「ご担当者様」の正しい使い分け
- 新卒・中途・業界別のメールテンプレート(すぐにコピペ可能)
- よくある間違いと正しい表現の完全対応表
宛先不明時の敬称選び|迷わない4つの判断基準
面接官の名前がわからない場合、以下の4つの判断基準で適切な敬称を選べます。
「御中」:組織や部署に宛てる場合(最も安全で基本)
「各位」:複数・不特定の担当者に宛てる場合(「各位様」は誤用)
「ご担当者様」:個人の担当者が明確に想定される場合
「採用チーム御一同様」:チーム全体への感謝を示したい場合
30秒で判断できるフローチャート
- 部署名のみ判明・安全を重視したい場合
「株式会社○○ 人事部 御中」←最も確実で失礼のない選択 - 複数の担当者がいることが明確な場合
「株式会社○○ 人事部 各位」(「各位様」は絶対に使用しない) - 個人の担当者が想定され、親近感を示したい場合
「株式会社○○ 採用ご担当者様」 - チーム全体への感謝を強調したい場合
「株式会社○○ 採用チーム御一同様」
宛先不明の面接お礼メールテンプレート集
実際のビジネスシーンでそのまま使える、厳選されたメールテンプレートをご紹介します。
【新卒向け・基本】部署名のみ判明(御中)
件名:本日の面接御礼(○○大学・氏名) 株式会社○○ 人事部 御中 本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、 誠にありがとうございました。 ○○大学○○学部の○○と申します。 面接では、貴社の○○事業について詳しく伺うことができ、 入社への意欲がますます高まりました。 特に「○○への取り組み」についてお聞かせいただいたお話は、 私が大学で学んだ○○分野の知識と深く関連しており、 ぜひ貴社で活かしたいと強く感じております。 面接を通じて、貴社で成長していきたいという思いが 一層強くなりました。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 ○○大学○○学部○年 ○○ ○○ 電話:090-0000-0000 メール:example@university.ac.jp
【中途向け・基本】複数担当者想定(各位)
件名:本日の面接御礼(氏名・応募職種) 株式会社○○ 人事部 各位 本日は面接のお時間をいただき、 誠にありがとうございました。 面接でお聞かせいただいた貴社の○○戦略について、 深く感銘を受けました。 私の○○業界での○年間の経験を活かし、 特に○○分野において貴社の更なる発展に 貢献したいと強く感じております。 略儀ながらメールにて御礼申し上げます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 ○○ ○○(現職:株式会社○○ ○○部) 電話:090-0000-0000 メール:example@email.com
【共通・丁寧】個人担当者想定(ご担当者様)
件名:面接御礼(氏名・応募職種) 株式会社○○ 採用ご担当者様 本日は面接の機会をいただき、 誠にありがとうございました。 面接を通じて、貴社の企業理念である「○○」について 深く理解することができ、私自身の価値観と 非常に合致することを実感いたしました。 ぜひ貴社の一員として働かせていただき、 持てる力を発揮したいという気持ちを 強くしております。 取り急ぎ、メールにて御礼申し上げます。 今後ともよろしくお願いいたします。 ○○ ○○ 電話:090-0000-0000 メール:example@email.com
【新卒向け・最終面接】会社全体への感謝
件名:本日の最終面接御礼(○○大学・氏名) 株式会社○○ 御中 本日は最終面接のお時間を頂戴し、 誠にありがとうございました。 ○○大学の○○と申します。 役員の方々から直接お聞かせいただいた 貴社のビジョンと今後の展望に、 深く感動いたしました。 私も貴社の一員として、そのビジョンの実現に向け、 学生時代に培った○○の経験を活かして 貢献したいという気持ちを強くいたしました。 貴重なお時間をいただき、心より感謝申し上げます。 引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。 ○○大学○○学部○年 ○○ ○○ 電話:090-0000-0000 メール:example@university.ac.jp
【中途向け・専門職】技術面接後
件名:本日の技術面接御礼(氏名・○○エンジニア応募) 株式会社○○ 技術部 各位 本日は技術面接にお時間をいただき、 誠にありがとうございました。 面接では、貴社の技術的な取り組みや 開発環境について詳しく伺うことができ、 非常に刺激を受けました。 特に○○技術への取り組みについては、 私がこれまで○○社で携わってきた ○○プロジェクトの経験を活かして 貢献できると確信しております。 技術的な質問にも丁寧にお答えいただき、 ありがとうございました。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 ○○ ○○ 現職:株式会社○○ ○○エンジニア 電話:090-0000-0000 メール:example@email.com
【共通・急ぎ】当日夜の送信
件名:本日の面接御礼(氏名) 株式会社○○ 人事部 御中 夜分遅くに失礼いたします。 本日は面接のお時間をいただき、 誠にありがとうございました。 面接では貴社の○○について詳しく伺うことができ、 ますます貴社で働きたいという気持ちが 強くなりました。 簡潔ではございますが、 取り急ぎメールにて御礼申し上げます。 ご返信は営業時間内で結構です。 今後ともよろしくお願いいたします。 ○○ ○○ 電話:090-0000-0000 メール:example@email.com
【共通・オンライン】Web面接後
件名:本日のオンライン面接御礼(氏名) 株式会社○○ 採用ご担当者様 本日はオンライン面接にお時間をいただき、 誠にありがとうございました。 Web環境での面接にも関わらず、 貴社の雰囲気や事業内容について 詳しく知ることができました。 接続の不具合等でご迷惑をおかけした点もございましたが、 丁寧にご対応いただき、感謝しております。 面接を通じて、貴社への入社意欲が 一層高まりました。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 ○○ ○○ 電話:090-0000-0000 メール:example@email.com
【転職エージェント経由】企業直接送信
件名:面接御礼(氏名・○○エージェント経由) 株式会社○○ 人事部 御中 本日は○○エージェント経由でご紹介いただいた 面接の機会をいただき、誠にありがとうございました。 面接では、貴社の○○事業の詳細や 今後の展開についてお聞かせいただき、 私のこれまでの経験を活かして 貢献できる場があることを確信いたしました。 エージェント経由での応募ではございますが、 直接御礼をお伝えしたく、メールいたします。 今後の選考についてのご連絡は、 引き続きエージェント経由で結構です。 今後ともよろしくお願いいたします。 ○○ ○○ 電話:090-0000-0000 メール:example@email.com
よくある間違いと正しい書き方|完全対応表
宛先不明時によく見られる間違いを、理由とともに詳しく解説します。
間違った例 | 正しい例 | 詳しい理由・解説 |
---|---|---|
人事部各位様 | 人事部各位 | 「各位」は敬称のため「様」不要。「各位様」は二重敬語 |
株式会社○○ 御中 田中様 | 株式会社○○ 田中様 | 「御中」は組織宛て、個人名がある場合は「様」のみ使用 |
人事部長様 | 人事部長 田中様 または 人事部長 | 役職+様は二重敬語。役職のみか氏名+様を使用 |
様各位 | 各位 | 「様」と「各位」の併用は不可。「各位」のみで敬称として完結 |
人事部 人事課 御中 | 人事部人事課 御中 | 「御中」は最後に一つだけ。部課名併記時も同様 |
採用担当各位様 | 採用担当各位 | 「各位」が敬称のため、追加の「様」は不要 |
人事御中 | 人事部 御中 | 正式な部署名を使用し、「部」「課」等を省略しない |
○○会社様 | 株式会社○○ 御中 | 会社名に「様」は不適切。組織には「御中」を使用 |
絶対に覚えておきたい敬語の鉄則
- 「御中」は組織専用の敬称:会社・部署・団体に使用、個人名との併用は絶対に不可
- 「各位」は完結した敬称:「各位様」「様各位」などの重複は誤用
- 個人名と組織名の使い分け:個人名がわかる場合は必ず「様」のみ使用
- 二重敬語の厳格な回避:役職+様、各位+様などは必ず避ける
- 正式名称の使用:「人事」ではなく「人事部」など、正式な部署名を使用
面接形態・業界別の宛名選択ガイド
面接の形態や業界によって最適な宛名選択が変わる場合があります。以下のガイドを参考にしてください。
面接形態・業界 | 第1推奨 | 第2推奨 | 特記事項 |
---|---|---|---|
会社説明会後面接 | 人事部 御中 | 採用ご担当者様 | 大人数対応のため組織宛てが安全 |
グループ面接 | 採用ご担当者各位 | 人事部 御中 | 複数面接官がいる場合が多い |
1対1面接 | 採用ご担当者様 | 人事部 御中 | 個人的な関係性を重視 |
最終面接 | 御中 | 役員・社長宛て | より格式高い表現が望ましい |
技術面接(IT) | 技術部 各位 | 開発チーム 御中 | チーム全体への感謝を表現 |
営業職面接 | 営業部 御中 | 採用ご担当者様 | 現場部署への配慮も重要 |
オンライン面接 | 人事部 御中 | 各位 | 参加者が把握しにくい場合が多い |
ベンチャー企業 | 採用ご担当者様 | 御中 | 親近感を重視する文化が多い |
大手企業 | 御中 | 各位 | 格式を重視する傾向 |
外資系企業 | 御中 | HR担当者様 | 日本式のマナーをしっかり守る |
新卒と中途の違い|書き分けのポイント
宛名の書き方は同じでも、本文では新卒と中途で表現を変える必要があります。
・大学名・学部・学年を件名と署名に必ず明記する
・学生時代の具体的な経験を企業の事業と関連付けて表現
・面接で学んだことや新たな発見を具体的に記載
・成長意欲と謙虚さのバランスを意識した表現
・入社後の目標や貢献できることを前向きに表現
中途の場合の重要ポイント
・現職の会社名・職種・経験年数を適度に記載
・即戦力として貢献できる具体的なスキルや経験を明示
・転職理由や現職への不満は絶対に記載しない
・これまでの実績と応募企業での活用方法を明確化
・業界知識や専門性をさりげなくアピール
送信タイミングと追加の注意点
お礼メールの効果を最大化するため、送信タイミングにも注意しましょう。
理想:面接当日の夜(18:00〜21:00)
許容:翌日の午前中(9:00〜11:00)
限界:面接から48時間以内
避けるべき時間
・深夜(22:00以降)や早朝(8:00前)
・週末の夜や祝日
・面接から1週間以上経過した後
送信前の最終チェックリスト
□ 会社名・部署名が正確に記載されているか
□ 敬称が適切に選択されているか(御中・各位・様の使い分け)
□ 「各位様」「御中○○様」などの誤用がないか
□ 件名に用件と氏名が明記されているか(25文字以内)
□ 面接での具体的な内容・印象に触れているか
□ 署名(氏名・連絡先)が正確に記載されているか
□ 誤字脱字がないか(特に固有名詞)
□ 送信時間が適切か(営業時間内推奨)
□ 宛先メールアドレスが正しいか
□ 添付ファイルの有無確認(不要な添付は避ける)
□ 文章の長さが適切か(400字程度目安)
□ 返信不要の旨を記載したか(必要に応じて)
よくある質問
Q1. 面接官の名前を全く覚えていない場合、どう対処すべきですか?
A. 「部署名+御中」が最も安全で確実です。無理に個人名を思い出そうとして間違った名前を書くリスクを避けるため、組織宛ての「御中」を使用することを強くお勧めします。これは最も失礼のない選択肢です。
Q2. 人事部以外の部署の方が面接官だった場合の宛名は?
A. その部署名+「御中」を使用します。例えば営業部の方が面接官の場合は「営業部 御中」、技術部の場合は「技術部 御中」、管理部の場合は「管理部 御中」となります。正式な部署名を使用することが重要です。
Q3. 複数の部署から面接官が参加した場合はどうすべきですか?
A. 主となる部署+「御中」を使用し、本文で他部署への感謝を表現します。例:「人事部 御中」として、本文に「営業部および技術部の皆様にも貴重なお時間をいただき、感謝申し上げます」と記載するのが適切です。
Q4. 「採用ご担当者様」と「採用担当者様」はどちらが正しいですか?
A. 「採用ご担当者様」がより丁寧で適切です。「ご」を付けることで相手に対するより深い敬意を表現できます。ビジネスメールでは丁寧な表現を選択することが重要です。
Q5. オンライン面接で参加者の詳細がわからなかった場合は?
A. 「会社名+御中」または「人事部 御中」が最も安全です。オンライン面接では画面の都合で参加者が把握しにくい場合があるため、組織宛てにして本文で「面接にご参加いただいた皆様に感謝申し上げます」と全体への感謝を表現しましょう。
Q6. 転職エージェント経由の面接後、企業に直接お礼メールを送るべきですか?
A. 企業から直接連絡があった場合は送っても構いませんが、エージェントにも必ず報告してください。企業に直接送る場合は通常通りの宛名を使用し、件名に「○○エージェント経由」と明記することで、経緯を明確にしましょう。
Q7. グループ面接で他の応募者もいた場合の注意点は?
A. 「人事部 各位」または「採用ご担当者各位」を使用し、他の応募者への言及は避けます。自分の印象や感謝のみを表現し、他の応募者と比較するような内容は書かないようにしましょう。
Q8. 面接で技術的な質問に十分答えられなかった場合のお礼メールの書き方は?
A. 宛名は通常通りとし、本文で「不十分な回答となった点があり申し訳ございませんでした」と簡潔に触れる程度に留めます。詳細な補足説明は避け、今後の学習意欲を前向きに表現することが大切です。
まとめ
面接後のお礼メールで宛先が不明な場合は、適切な敬称選択により、ビジネスマナーを理解している印象を確実に与えることができます。迷った場合は「部署名+御中」を選択することで、最も安全で失礼のない対応が可能です。
- 基本は「御中」:部署名+御中が最も確実で安全
- 複数担当者は「各位」:「各位様」は絶対に使用しない
- 個人想定時は「ご担当者様」:より親近感を示せる
- 迷ったら「御中」:最も失礼のない選択肢
- 送信は当日夜まで:遅くとも翌日午前中までに送信
この記事のテンプレートを活用し、面接で得た具体的な印象や学びを盛り込んで、心のこもったお礼メールを作成してください。適切な宛名と誠実な内容により、選考プロセスにおいてもプラスの印象を確実に与えることができるでしょう。