資料催促メールの書き方|すぐ使えるテンプレート例文10選

ビジネス連絡

取引先に資料の提出を催促したいけれど、どう書けば失礼にならないのか悩んでいませんか。

資料催促メールは「状況確認→配慮の前置き→依頼内容→期限→提出方法→代替案」の構成で、文化庁の敬語指針に基づいた表現を使えば、相手との関係を損なわずに確実な資料提出を促すことができます。

この記事では、仕様書・見積書・報告書など、あらゆる資料の催促で今すぐ使えるメールテンプレートを状況別に詳しくご紹介します。正しい敬語表現と配慮のある文面で、スムーズな資料催促を実現しましょう。

資料催促メールの基本原則と敬語マナー

資料催促を成功させるには、相手への配慮と正しい敬語使用が重要です。文化庁の指針を基に基本原則を理解しましょう。

資料催促メールの基本構成

基本構成(6ステップ)
①状況確認:前回の依頼日と資料名を明記
②配慮の前置き:「お忙しいところ恐れ入りますが」で相手への敬意
③依頼内容:必要な資料を具体的に列挙
④期限設定:提出期限を明確に提示
⑤提出方法:メール添付・URL・郵送など手段を指定
⑥代替案:「暫定版でも」「部分提出でも」など選択肢を用意

文化庁「敬語のTPO」の指針
依頼は相手に負担をかける行為であり、必ず配慮の前置きが必要です。「恐れ入りますが」「お忙しいところ恐縮ですが」などの婉曲表現で、相手への配慮を示すことが求められています。

避けるべき敬語の間違いと正しい表現

二重敬語の回避(文化庁指針)
×「ご提出いただかれますでしょうか」
○「ご提出いただけますでしょうか」
○「ご提出ください」

命令調の回避
×「資料を提出してください」
○「資料をご提出いただければ幸いです」

責任転嫁の回避
×「資料が届いていないので困っています」
○「進行の都合上、ご提出いただけますと助かります」

資料催促メールテンプレート10選【完全版】

あらゆる状況に対応できる資料催促メールのテンプレートをご紹介します。件名から署名まで完全版なので、そのままご利用ください。

1. 初回催促(穏やか・基本パターン)

件名:【資料ご提出のお願い】○○仕様書の件(○/○依頼分)

○○株式会社
○○部○○課
○○様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。

○月○日にお願いいたしました「○○仕様書」について、
ご連絡を差し上げます。

お忙しいところ恐れ入りますが、
下記資料をご提出いただけますでしょうか。

■ご提出いただきたい資料
・○○仕様書(詳細版)
・○○設計図面
・○○材料リスト

■提出方法・期限
・期限:○月○日(○曜日)正午まで
・方法:メール添付またはファイル共有URL
・形式:PDF・Word・Excel いずれでも結構です

ご都合が悪い場合は、暫定版や作成可能な部分のみでも
お聞かせいただければ幸いです。

ご不明な点がございましたら、
下記までお気軽にご連絡ください。

何卒よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――
株式会社△△ ○○部
□□ □□(担当)
TEL:000-0000-0000
MAIL:sample@example.com
――――――――――――――――

2. 期限が迫った場合(丁寧だが明確)

件名:【期限のご案内】○○見積書のご提出(○/○まで)

○○様

お世話になっております。
株式会社△△の□□です。

先日お願いしております「○○見積書」につきまして、
ご提出期限が○月○日(○曜日)午後5時となっております。

恐れ入りますが、下記についてご対応いただけますでしょうか。

■必要な資料
・○○システム導入見積書
・保守契約見積書

■残り期限:あと○日

もしご都合がつかない場合は、以下の対応も可能です。
・概算金額のみの暫定提出
・詳細は後日、概要は期限内に提出
・期限の再調整(○日程度延長可能)

進捗状況だけでもお聞かせいただければ幸いです。

引き続きよろしくお願いいたします。

――――――――――――――――
株式会社△△ ○○部
□□ □□
TEL:000-0000-0000
MAIL:sample@example.com
――――――――――――――――

3. 二度目の催促(配慮と選択肢を重視)

件名:【再度のお願い】○○報告書のご提出について

○○様

度々のご連絡で恐れ入ります。
株式会社△△の□□です。

○月○日にお願いしております「○○報告書」について、
進行の都合上、○月○日(○曜日)までに
ご提出いただけますでしょうか。

ご多用中とは存じますが、下記のいずれかで
お聞かせいただけますと助かります。

■提出可否の確認
・資料提出:可能/要調整/困難
・提出予定:○月○日頃/未定/検討中

■代替案のご提案
・完成部分のみの提出
・概要版での暫定提出
・期限の再設定(○日程度)

ご事情がおありの場合は、その旨を
お知らせいただくだけでも結構です。

お忙しい中、恐れ入りますが
ご協力のほどよろしくお願いいたします。

――――――――――――――――
株式会社△△ ○○部
□□ □□
TEL:000-0000-0000
MAIL:sample@example.com
――――――――――――――――

4. 最終確認(関係を損なわない表現)

件名:【確認】○○企画書の件(本日中にご状況をお聞かせください)

○○様

重ねてのご連絡で恐縮です。
株式会社△△の□□です。

「○○企画書」の件につきまして、
進行の都合上、本日中にご状況を
お聞かせいただけますと幸いです。

■確認させていただきたい内容
・資料作成の進捗状況
・提出可否の判断
・課題やご不明点の有無

簡単な内容で結構ですので、
現在の状況をお教えください。

もしご事情がございましたら、
差し支えない範囲でお聞かせいただければ
と存じます。

・他の業務との調整が必要
・社内承認に時間がかかっている
・資料作成で不明点がある

このような場合は、解決策を一緒に
検討させていただきます。

お忙しい中、たびたび恐れ入りますが
何卒よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――
株式会社△△ ○○部
□□ □□
TEL:000-0000-0000
MAIL:sample@example.com
――――――――――――――――

5. 資料不足時の再提出依頼

件名:【追加資料のお願い】○○提案書の不足部分について

○○様

○○提案書をご提出いただき、ありがとうございます。
株式会社△△の□□です。

○月○日にご提出いただきました資料を
確認させていただきました。

恐れ入りますが、下記の部分について
追加でご提出いただけますでしょうか。

■追加でお願いしたい内容
・コスト詳細(2ページ目の内訳)
・実施スケジュール(ガントチャート)
・担当者署名・社印(最終ページ)

■ご提出方法
・期限:○月○日(○曜日)まで
・方法:メール添付またはURL共有
・形式:PDF推奨(他形式も可)

不足部分のひな型が必要でしたら、
こちらからお送りいたします。

お手数をおかけして恐縮ですが、
ご対応いただけますと幸いです。

――――――――――――――――
株式会社△△ ○○部
□□ □□
TEL:000-0000-0000
MAIL:sample@example.com
――――――――――――――――

6. バージョン更新時の差し替え依頼

件名:【最新版への差替えのお願い】○○設計書(Ver.2.0)

○○様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。

○○設計書につきまして、仕様変更に伴い
最新版への差し替えをお願いいたします。

■差し替え内容
・現在:○○設計書 Ver.1.0(○/○版)
・更新:○○設計書 Ver.2.0(○/○版)

■主な変更点
・○○機能の仕様変更(3ページ目)
・○○項目の追加(5ページ目)
・○○基準の見直し(7ページ目)

■ご提出期限
・○月○日(○曜日)午前中まで

既に旧版で作業を進められている場合は、
その旨お知らせください。
変更の影響範囲を一緒に確認いたします。

お忙しい中お手数をおかけいたしますが、
ご対応のほどよろしくお願いいたします。

――――――――――――――――
株式会社△△ ○○部
□□ □□
TEL:000-0000-0000
MAIL:sample@example.com
――――――――――――――――

7. 社内向け(上司・同僚用)

件名:【資料確認のお願い】○○プロジェクト企画書

○○部長

お疲れさまです。□□です。

○月○日にお願いしました「○○プロジェクト企画書」
について、○月○日(○曜日)までにご確認・ご提出を
お願いできますでしょうか。

■必要な資料
・プロジェクト企画書(A4・5ページ程度)
・予算計画書(Excel形式)
・実施スケジュール表

■提出先
・共有フォルダ:○○/○○/企画書フォルダ
・または私宛メール添付

資料のひな型は○月○日にお渡ししたものを
ご活用いただければと思います。

ご不明な点や作成で困る部分がございましたら、
いつでもお声かけください。
一緒に作成することも可能です。

お忙しい中恐縮ですが、
よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――
○○部 □□
内線:0000
メール:sample@company.com
――――――――――――――――

8. 急ぎの場合(電話フォロー前提)

件名:【至急】○○契約書類のご提出のお願い

○○様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。

○○契約に関する書類について、
急ぎご提出をお願いしたく、ご連絡いたします。

■緊急でお願いしたい資料
・○○契約書(署名・押印済み)
・○○証明書(コピー可)

■提出期限:本日午後5時まで
■提出方法:メール添付(PDFスキャン可)

急なお願いで恐縮ですが、○○の手続き期限の関係で
本日中の提出が必要となっております。

この後、お電話でも確認させていただきます。

ご多用中に恐れ入りますが、
何卒よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――
株式会社△△ ○○部
□□ □□
TEL:000-0000-0000(直通)
MAIL:sample@example.com
――――――――――――――――

9. 一斉催促用(BCC配信)

件名:【資料ご提出のお願い】○○調査票(○/○まで)

関係者各位

いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。

○○調査票の提出につきまして、
期限が近づいてまいりましたので、
改めてご案内申し上げます。

■提出資料:○○調査票
■提出期限:○月○日(○曜日)正午
■提出方法:専用URL(○○○.com/survey)
      または添付ファイル

■記入項目
・基本情報(1ページ目)
・実施状況(2ページ目)
・今後の予定(3ページ目)

未提出の方は上記期限までのご提出を
お願いいたします。

既にご提出済みの方は、本メールは
無視していただいて結構です。

■お問い合わせ先
・担当:□□
・電話:000-0000-0000
・メール:sample@example.com

※本メールはBCC配信しております
※返信は不要ですが、ご質問は上記まで

――――――――――――――――
株式会社△△ ○○部
□□ □□
――――――――――――――――

10. 電話フォロー後の確認メール

件名:【お電話の件】○○資料提出についてのご相談内容

○○様

先ほどはお忙しい中、お電話をいただき
ありがとうございました。
株式会社△△の□□です。

お話しいただいた内容を確認のため、
改めて整理させていただきます。

■ご相談内容
・○○資料の作成で○○の部分が不明
・○○のデータが入手困難
・○月○日頃には提出可能予定

■弊社からの対応
・○○の部分:参考資料を○月○日にお送り
・○○のデータ:弊社で代替案を検討
・提出期限:○月○日まで延長

参考資料は明日午前中にお送りいたします。
その他ご不明な点がございましたら、
いつでもお声かけください。

行き違いがございましたらご容赦ください。
引き続きよろしくお願いいたします。

――――――――――――――――
株式会社△△ ○○部
□□ □□
TEL:000-0000-0000
MAIL:sample@example.com
――――――――――――――――

資料催促メールの件名パターン【効果的な12選】

件名は開封率を左右する重要な要素です。資料の種類と緊急度に応じて使い分けてください。

基本パターン(標準的な催促)
・【資料ご提出のお願い】○○の件(○/○依頼分)
・【期限のご案内】○○資料のご提出(○/○まで)
・【ご確認】○○資料について(再送)

緊急度を示すパターン
・【至急】○○契約書類のご提出のお願い
・【重要】○○資料について(本日中)
・【最終確認】○○資料の件(○/○期限)

配慮を重視するパターン
・【お時間のあるときに】○○資料についてご相談
・【進捗確認】○○資料の作成状況について
・○○資料についてお伺い(お忙しい中恐縮です)

具体的な作業を示すパターン
・【追加資料のお願い】○○の不足部分について
・【差替版のお願い】○○資料(最新版への更新)
・【修正版のお願い】○○資料の修正点について

資料催促で失敗しないための重要なポイント

資料催促メールで関係を悪化させないために、以下の点に必ずご注意ください。

送信前の必須確認事項

メール送信の確認
・依頼メールが下書きフォルダに残っていないか
・送信エラーで戻ってきていないか
・相手のメールアドレスに間違いがないか

受信確認
・相手からの返信を見落としていないか
・迷惑メールフォルダに振り分けられていないか
・他の方法(電話・FAX)で連絡が来ていないか

資料到着確認
・郵送物が届いていないか
・共有フォルダにアップロードされていないか
・他の担当者が受け取っていないか

適切な催促タイミング

初回催促のタイミング
・社外取引先:期限の翌営業日~3日後
・社内関係者:期限の翌日~2日後
・急ぎの案件:期限前日にリマインド+翌日催促

二回目以降の間隔
・通常案件:初回から5~7日後
・急ぎの案件:初回から3~5日後
・最終催促:二回目から2~3日後

効果的な送信時間
・午前中(9:00~11:00):最も開封率が高い
・避けるべき時間:月曜午前、金曜午後、終業間際

個人情報保護とBCC送信

一斉催促時の注意(個人情報保護委員会指針)
複数の相手に資料催促メールを送る場合は、必ずBCC機能を使用してください。CCでの一斉送信は、他の受信者のメールアドレスが全員に表示され、個人情報漏えいにあたります。

誤送信時の対応(IPA指針)
BCC→CCの誤送信は典型的な情報漏えい例です。万一発生した場合は、即座に関係者への連絡、原因調査、再発防止策の検討を行い、必要に応じて監督機関への報告を実施してください。

業種別の資料催促ポイント

業種によって扱う資料や注意点が異なります。以下を参考に、より効果的な催促メールを作成してください。

業種 主な資料 催促時の注意点 推奨する配慮
製造業 仕様書、図面、品質証明書 技術的な確認時間を考慮 暫定版での先行提出を提案
IT・システム 要件定義書、設計書、テスト仕様 バージョン管理の重要性 最新版の確認と差分説明
建設・不動産 設計図、見積書、許可申請書 法的期限との関係 官公庁提出期限の共有
金融・保険 申込書、証明書類、財務諸表 機密性とコンプライアンス セキュアな提出方法の提示
医療・薬事 承認申請書、臨床データ、安全性情報 薬事法等の法的要件 法的期限の明確化
教育・研修 カリキュラム、教材、評価資料 学事スケジュールとの調整 段階的な提出の提案

よくある質問(FAQ)

Q. 資料催促メールは何回まで送ってよいですか?

A. 基本的には3回まで(初回・2回目・最終確認)が適切です。それ以降は電話での確認に切り替え、催促内容をメールで再度共有することをお勧めします。4回以上のメール催促は相手にプレッシャーを与えすぎる可能性があります。

Q. 上司や重要取引先への催促で特に注意すべき点は?

A. より丁寧な敬語表現と十分な配慮を示しましょう。「恐れ入ります」「ご多用中恐縮ですが」などの表現を使い、「暫定版でも」「お時間のあるときに」といった相手の都合を最優先にした選択肢を必ず提示してください。

Q. 資料の形式や提出方法はどう指定すべきですか?

A. 具体的で選択しやすい指定を心がけましょう。「PDF・Word・Excel いずれでも可」「メール添付またはURL共有」など、相手が対応しやすい複数の選択肢を提示することで、提出率が向上します。

Q. 催促しても資料が提出されない場合はどうすればよいですか?

A. まずは電話で直接状況を確認することをお勧めします。相手の課題や困っている点を聞き取り、解決策を一緒に考える姿勢を示しましょう。作業の分担、期限の調整、必要な支援の提供など、win-winの関係を維持できる解決策を模索することが重要です。

Q. 資料に不備があった場合の再提出依頼はどう書けばよいですか?

A. まず提出への感謝を必ず示し、不備の指摘は建設的な表現を使いましょう。「○○の部分について追加情報をお願いできますでしょうか」のように、相手の努力を認めつつ、具体的で分かりやすい修正点を伝えることが大切です。

Q. 機密資料の催促で注意すべき点は?

A. セキュリティを最優先に考えた提出方法を指定しましょう。機密性の高い資料はメール添付を避け、セキュアなファイル共有サービスの利用を推奨します。パスワード付きファイルを使用する場合は、ファイルとパスワードを必ず別々に送信してください。

Q. 複数の資料を一度に催促する場合の書き方は?

A. 資料ごとに優先度と期限を明確に分けて記載しましょう。「最優先:○○資料(○/○まで)」「次優先:○○資料(○/○まで)」のように整理し、相手が対応しやすい順序で提示することが効果的です。

Q. 外部パートナーへの催促で気をつけることは?

A. より丁寧で配慮のある表現を心がけ、関係継続への意識を示しましょう。「今後ともお取引を続けさせていただきたく」「長期的なパートナーシップを重視しており」などの表現で、単発の取引ではなく継続的な関係を大切にしていることを伝えてください。

まとめ

資料催促メールは単なる業務連絡ではなく、相手との信頼関係を維持しながら必要な資料を確実に入手するための重要なコミュニケーション手段です。基本構成「状況確認→配慮の前置き→依頼内容→期限→提出方法→代替案」を守り、文化庁の敬語指針に基づいた適切な表現を使用することで、相手に不快感を与えることなく効果的な催促が可能になります。

資料催促成功の5つのポイント
・相手の立場と都合を最優先に考慮する
・配慮の前置きと婉曲表現を必ず使用する
・具体的な期限と提出方法を明記する
・代替案を提示してハードルを下げる
・3回以上の催促は電話でフォローする

この記事でご紹介したテンプレートを参考に、あなたの状況に合わせてカスタマイズしてご活用ください。適切な資料催促により、スムーズなプロジェクト進行と良好なビジネス関係を実現しましょう。

参考文献・引用情報