見積依頼メールの書き方完全ガイド|失礼にならないテンプレート例文12選とマナー

ビジネス連絡

取引先への見積依頼メールで「どう書けば失礼にならないか」「必要な情報を漏れなく伝えるには」と悩んでいませんか。不適切な依頼メールは、相手に負担をかけるだけでなく、不正確な見積もりや対応の遅れを招く原因となります。

本記事では、ビジネスマナーを守りながら効果的な見積依頼メールを作成する方法を、実用的なテンプレートとともに詳しく解説します。初回依頼から相見積もり、緊急対応まで、あらゆるシーンに対応できる例文を用意しており、コピーしてそのまま使えます。

この記事で習得できること
・見積依頼メールの正しい書き方とビジネスマナー
・実務で即使えるシーン別テンプレート12選
・相手に負担をかけない依頼の仕方
・業界特性を踏まえたカスタマイズ方法
・トラブル回避のための注意点

見積依頼メールの重要性

見積依頼メールは取引の出発点となる重要なコミュニケーションです。適切に作成されたメールは、以下の効果をもたらします。

効果的な見積依頼メールの3つのメリット
1. 正確で迅速な見積もりの取得
2. 取引先との信頼関係の構築
3. 後の認識齟齬やトラブルの防止

電話ではなくメールで依頼する理由は、条件や内容を記録として残せることです。これにより、双方の認識を合わせ、後の確認作業を効率化できます。

見積依頼メールの基本構成

効果的な見積依頼メールは、以下の7つの要素で構成されます。

構成要素 内容 重要ポイント
件名 見積依頼であることを明記 商品名・社名を含め簡潔に
宛名 会社名・部署・担当者名 正確な敬称の使用
挨拶・名乗り 関係性に応じた適切な挨拶 初回は丁寧に、継続取引は簡潔に
依頼背景 見積もりが必要な理由 1-2文で要点を説明
具体的条件 仕様・数量・納期・予算など 箇条書きで明確に記載
回答期限 見積書の提出期限 余裕をもった現実的な設定
結び・署名 お礼と連絡先情報 丁寧な締めくくりと明確な連絡先

見積依頼メールの書き方ポイント

件名は具体的かつ簡潔に

件名で見積依頼であることが一目で分かるよう記載します。相手が日々多くのメールを受信する中で、優先度を判断しやすくするためです。

効果的な件名の例
・【見積依頼】○○システム導入について(△△株式会社・山田)
・印刷物制作の見積もりお願い(株式会社○○)
・ウェブサイト制作 見積書ご送付のお願い

必要情報の漏れない記載

見積もりの精度を高めるため、以下の情報を具体的に記載しましょう。

  • 商品・サービスの詳細仕様(機能、グレード、オプション等)
  • 数量・規模(最小・最大・希望数量)
  • 希望納期(絶対期限と理想期限)
  • 予算の目安(上限額、想定範囲)
  • 納入・実施場所と条件
  • 見積書の提出期限と形式(PDF、郵送等)
  • 選定基準(価格重視、品質重視等)

相手への配慮と透明性

見積もり作成には相手の時間と労力が必要です。期限は余裕をもって設定し、急ぎの場合は理由を説明して丁寧にお願いします。相見積もりを取る場合は、公平性の観点から事前に伝えることが重要です。

シーン別見積依頼メールテンプレート集

1. 基本的な見積依頼(既存取引先)

件名:【見積依頼】○○システム保守契約について(△△株式会社・山田)

○○株式会社
営業部 田中様

いつもお世話になっております。
△△株式会社の山田です。

現在ご契約いただいている○○システムの保守契約が
来月末で満了となりますため、
更新契約についてお見積もりをお願いいたします。

■見積内容
・対象システム:○○管理システム Ver.3.2
・契約期間:2025年4月1日~2026年3月31日
・サービス内容:現契約と同等
・追加希望:リモート監視機能
・見積書提出期限:2025年2月28日
・提出形式:PDFでメール送付

現行契約で特に問題はございませんが、
リモート監視機能の追加をご検討いただければと存じます。

ご質問等ございましたら、お気軽にお声がけください。

お忙しい中恐れ入りますが、
よろしくお願いいたします。

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△△株式会社 情報システム部
山田 太郎
TEL:03-1234-5678
E-mail:yamada@sample.co.jp
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2. 初回取引先への見積依頼

件名:【初回お取引】ウェブサイト制作の見積もりお願い(△△株式会社・山田)

○○制作株式会社
営業部 ご担当者様

初めてご連絡させていただきます。
△△株式会社の山田と申します。

貴社のホームページで制作実績を拝見し、
弊社コーポレートサイトのリニューアルについて
お見積もりをお願いしたく、ご連絡いたしました。

■プロジェクト概要
・目的:企業ブランディング強化
・サイト規模:約15ページ
・必要機能:お問い合わせフォーム、ブログ機能、多言語対応
・デザイン:レスポンシブ対応必須
・希望納期:2025年5月末
・予算目安:200万円程度

弊社は製造業で創業25年の実績があり、
海外展開も視野に入れたサイト構築を検討しております。

貴社の○○社様制作事例が弊社の目指すイメージに近く、
ぜひご相談させていただければと存じます。

お見積書は2025年3月15日までに
メールでお送りいただけますでしょうか。

初回のお取引となりますが、
何卒よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――――――
△△株式会社 企画部
山田 太郎
TEL:03-1234-5678
E-mail:yamada@sample.co.jp
――――――――――――――――――――――

3. 相見積もりの見積依頼

件名:【相見積もり】印刷物制作の見積依頼(△△株式会社・山田)

○○印刷株式会社
営業部 佐藤様

いつもお世話になっております。
△△株式会社の山田です。

弊社の会社案内パンフレット制作について
お見積もりをお願いいたします。

■印刷仕様
・サイズ:A4判
・ページ数:12ページ(表紙含む)
・部数:3,000部
・用紙:表紙/アートポスト220kg、本文/マットコート135kg
・印刷:4色カラー
・加工:中綴じ製本
・希望納期:2025年4月30日

なお、本件につきましては社内規定により
複数社様に同一条件でお見積もりをお願いしており、
価格・品質・納期を総合的に検討させていただきます。

他社様の見積条件等については
お答えできかねますが、ご理解ください。

お見積書は2025年3月20日までに
PDFファイルでお送りいただけますでしょうか。

ご多忙の折恐縮ですが、
よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――――――
△△株式会社 営業企画部
山田 太郎
TEL:03-1234-5678
E-mail:yamada@sample.co.jp
――――――――――――――――――――――

4. 緊急対応の見積依頼

件名:【緊急】設備故障修理の見積依頼(△△株式会社・山田)

○○メンテナンス株式会社
サービス部 鈴木様

いつもお世話になっております。
△△株式会社の山田です。

本日午前、弊社の生産設備に故障が発生し、
緊急修理が必要な状況となりました。

■故障内容
・設備名:○○加工機(型番:XYZ-2000)
・症状:モーター部異常音、動作停止
・発生時刻:本日10:30頃
・影響:生産ライン停止中

■修理依頼内容
・緊急点検・診断
・部品交換(必要に応じて)
・動作確認・テスト運転

急なお願いで大変恐縮ですが、
明日2025年2月20日の午前中までに
概算見積もりをお教えいただけますでしょうか。

生産計画への影響を最小限に抑えたく、
可能な限り早急な対応をお願いいたします。

対応が困難な場合は、
最短でのスケジュールをお知らせください。

緊急連絡先:090-1234-5678(山田直通)

何卒よろしくお願いいたします。

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△△株式会社 製造部
山田 太郎
TEL:03-1234-5678(代表)
携帯:090-1234-5678
E-mail:yamada@sample.co.jp
――――――――――――――――――――――

5. 追加発注の見積依頼

件名:追加発注のお見積もり依頼(○○部品・△△株式会社)

○○商事株式会社
営業部 田中様

いつもお世話になっております。
△△株式会社の山田です。

昨年12月に納入いただきました○○部品について、
予想を上回る好調な売れ行きのため、
追加発注を検討しております。

■追加発注内容
・部品名:○○部品(型番:ABC-123)
・数量:5,000個(前回3,000個)
・仕様:前回納入品と同一
・希望納期:2025年4月末
・納入場所:弊社○○工場(前回同様)

数量増加に伴い、
ボリュームディスカウントのご検討も
いただけますと幸いです。

また、今後の安定調達を見据え、
年間契約での価格もお教えください。

お見積書は2025年3月10日までに
お送りいただけますでしょうか。

継続的なパートナーシップを
よろしくお願いいたします。

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△△株式会社 調達部
山田 太郎
TEL:03-1234-5678
E-mail:yamada@sample.co.jp
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6. 概算見積もりの依頼

件名:【概算見積】オフィス移転の概算費用について(△△株式会社)

○○引越サービス株式会社
法人営業部 鈴木様

いつもお世話になっております。
△△株式会社の山田です。

来年度のオフィス移転を検討しており、
予算策定のため概算費用をお教えください。

■移転概要(予定)
・現在地:○○区○○(○○ビル8階・約150坪)
・移転先:○○区周辺で検討中(同規模)
・移転時期:2025年9月頃
・従業員数:約40名
・什器:デスク、チェア、書庫、複合機等

現在は検討初期段階のため、
詳細は未確定ですが、
大まかな費用感をお教えいただければ
社内検討の参考とさせていただきます。

正式な見積もりは移転先確定後に
改めて依頼いたします。

2025年3月末までに概算をお教えいただけますと
助かります。

よろしくお願いいたします。

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△△株式会社 総務部
山田 太郎
TEL:03-1234-5678
E-mail:yamada@sample.co.jp
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7. 仕様変更による再見積依頼

件名:仕様変更による再見積もりのお願い(○○システム案件)

○○システム株式会社
開発部 田中様

いつもお世話になっております。
△△株式会社の山田です。

2月15日にお送りいただきました
○○システムの見積書について、
社内検討の結果、仕様変更が必要となりました。

■変更内容
【追加項目】
・ユーザー数:50名 → 80名に変更
・在庫管理機能の追加
・スマートフォン対応の追加

【削除項目】
・レポート自動配信機能

上記変更に伴う価格変更について、
再見積もりをお願いできますでしょうか。

変更のお手数をおかけして申し訳ございません。

修正見積書は2025年3月25日までに
お送りいただけますと幸いです。

ご不明な点がございましたら、
お気軽にお問い合わせください。

よろしくお願いいたします。

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△△株式会社 情報システム部
山田 太郎
TEL:03-1234-5678
E-mail:yamada@sample.co.jp
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8. 複数プランの見積依頼

件名:研修プログラム 複数プランの見積依頼(△△株式会社)

○○研修株式会社
企画部 佐藤様

いつもお世話になっております。
△△株式会社の山田です。

2025年度新入社員研修について、
複数プランでのお見積もりをお願いします。

■共通条件
・対象者:新入社員25名
・実施時期:2025年4月
・研修目的:ビジネスマナー、基礎スキル習得

■プラン別見積希望
【プランA】集合研修(3日間)
・会場:弊社会議室使用
・講師派遣:2名
・教材費込み

【プランB】合宿研修(2泊3日)
・会場:貴社研修施設
・講師派遣:3名
・宿泊・食事・教材費込み

【プランC】オンライン研修(1週間)
・オンライン実施
・録画視聴機能付き
・個別フォローアップあり

予算と効果を比較検討したく、
各プランの詳細見積もりをお願いいたします。

2025年3月20日までにお送りいただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。

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△△株式会社 人事部
山田 太郎
TEL:03-1234-5678
E-mail:yamada@sample.co.jp
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9. 物流・配送の見積依頼

件名:定期配送サービスの見積依頼(△△株式会社・山田)

○○運輸株式会社
営業部 鈴木様

初めてご連絡いたします。
△△株式会社の山田と申します。

弊社製品の定期配送について、
サービス内容と料金のお見積もりをお願いします。

■配送概要
・ルート:東京都内 → 関西圏(大阪・京都・神戸)
・頻度:週2回(火曜・金曜発送)
・荷物:精密機器(要注意取扱い)
・梱包:120サイズダンボール 平均15個/回
・重量:1個あたり約3kg
・配送先:固定8か所
・開始予定:2025年4月~

■希望サービス
・午前中配送指定
・配送状況リアルタイム追跡
・破損・紛失補償
・年間契約による料金優遇

現在他社利用中ですが、
サービス向上のため見直しを検討しております。

月額定額料金でのお見積もりをお願いします。

2025年3月15日までにお送りいただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。

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△△株式会社 物流部
山田 太郎
TEL:03-1234-5678
E-mail:yamada@sample.co.jp
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10. 建設・工事の見積依頼

件名:オフィス改装工事の見積依頼(△△株式会社・山田)

○○建設株式会社
工事部 田中様

いつもお世話になっております。
△△株式会社の山田です。

弊社オフィスの一部改装工事について
お見積もりをお願いいたします。

■工事概要
・場所:○○ビル6階 弊社オフィス
・改装範囲:会議室エリア(約40㎡)
・工事内容:
  - 間仕切り壁撤去・新設
  - 床材張替え(フロアタイル)
  - 天井・壁クロス張替え
  - LED照明器具交換
  - LAN配線工事

■工期・条件
・希望完了:2025年5月末
・作業時間:平日19時以降、土日
・駐車場:なし(近隣コインパーキング利用)
・近隣配慮:騒音対策必須

つきましては、現地調査をお願いした上で
詳細見積書をお送りください。

現地確認のご都合をお聞かせいただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。

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△△株式会社 総務部
山田 太郎
TEL:03-1234-5678
E-mail:yamada@sample.co.jp
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11. IT・セキュリティの見積依頼

件名:セキュリティシステム導入の見積依頼(△△株式会社)

○○セキュリティ株式会社
ソリューション営業部 佐藤様

いつもお世話になっております。
△△株式会社の山田です。

弊社のセキュリティ強化のため、
統合セキュリティシステムの導入を検討しており、
お見積もりをお願いいたします。

■導入概要
・対象エリア:本社1-2階(延床500㎡)
・利用者:従業員約50名、来客対応
・運用開始:2025年6月予定

■必要機能
・入退室管理(ICカード認証)
・防犯カメラ(録画30日保存)
・侵入検知システム
・中央監視システム
・クラウド連携機能

■要件
・既存ネットワーク連携
・スマートフォン遠隔監視
・24時間監視センター対応
・年次保守契約

初期費用、月額費用、保守費用を含めた
5年間総額でのお見積もりをお願いします。

2025年3月31日までにお送りいただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。

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△△株式会社 総務部
山田 太郎
TEL:03-1234-5678
E-mail:yamada@sample.co.jp
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12. コンサルティングの見積依頼

件名:業務改善コンサルティングの見積依頼(△△株式会社)

○○コンサルティング株式会社
ご担当者様

初めてご連絡いたします。
△△株式会社の山田と申します。

貴社の業務改善実績を拝見し、
弊社の業務プロセス最適化について
ご相談させていただきたく、ご連絡いたします。

■現在の課題
・部署間情報共有の非効率性
・承認プロセスの長期化
・作業の属人化
・デジタル化の遅れ

■支援期待内容
・現状業務の分析・可視化
・業務フロー再設計
・システム導入支援
・従業員研修・定着支援
・効果測定・継続改善提案

■想定期間
・プロジェクト期間:6か月
・訪問頻度:月3-4回
・最終成果物:業務マニュアル、改善提案書

コンサルティング費用、deliverable、
実施スケジュールを含む
詳細提案書をお願いいたします。

2025年3月25日までにお送りいただけますでしょうか。

ご質問等ございましたら、
お気軽にお問い合わせください。

よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――――――
△△株式会社 経営企画部
山田 太郎
TEL:03-1234-5678
E-mail:yamada@sample.co.jp
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業界別カスタマイズのポイント

業界や商材の特性に応じて、見積依頼メールで重視すべき要素が異なります。

業界 重視する要素 必須記載項目 注意点
IT・システム 技術仕様・セキュリティ ユーザー数、機能要件、既存システム連携の可否 バージョンアップ対応の確認
製造業 品質基準・納期厳守 詳細仕様書、品質規格、検査基準、梱包方法 ISO認証の有無確認
建設・工事 安全性・法令遵守 工事範囲、工期、安全対策、必要許可・届出 現地調査の必要性
印刷・広告 デザイン品質・納期 サイズ、部数、用紙種類、色数、仕上げ加工 校正回数の事前確認
物流・運送 配送品質・追跡可能性 配送頻度、荷物特性、保険の有無、配送先詳細 危険物の取扱い可否

失敗例と改善案

失敗例1:情報不足で曖昧な依頼

失敗例
件名:見積お願いします
本文:ホームページを作りたいので見積もりください。予算はなるべく安く。
改善案
件名:【見積依頼】コーポレートサイト制作について(△△株式会社・山田)
本文:15ページ程度のコーポレートサイト制作について、スマートフォン対応、お問い合わせフォーム機能付きで、5月末納期希望です。予算は150万円程度を想定しております。

失敗例2:期限を設定しない依頼

失敗例
いつでも結構ですので、お時間のある時に見積もりをください。
改善案
2025年3月15日(金)までに見積書をお送りいただけますでしょうか。社内検討会議が3月20日に予定されており、期限内でのご提出をお願いいたします。

失敗例3:一方的な条件提示

失敗例
予算は○万円以内で対応してください。これ以上は出せません。
改善案
予算は○万円程度を想定しておりますが、内容や品質を重視しますので、最適なご提案をいただければ幸いです。予算調整が必要な場合はご相談ください。

セキュリティとコンプライアンス

情報漏洩防止策

  • 機密情報は最小限に留め、必要に応じて秘密保持契約を事前締結
  • 宛先の再確認を徹底し、誤送信を防止
  • 添付ファイルはパスワード保護を実施(パスワードは別送)
  • 個人情報が含まれる場合は明記し、取扱い注意を促す
  • 社外送信時はBCC使用を徹底

法的コンプライアンス

業界によっては特定の法令に基づく要件があります。建設業法(下請法)、個人情報保護法、独占禁止法などの関連法令を確認し、適切な記載を心がけましょう。特に相見積もりでは、談合防止の観点から透明性の確保が重要です。

見積書受領後の適切な対応

受領確認とお礼

見積書を受け取ったら、24時間以内にお礼メールを送信しましょう。検討期間が必要な場合は、その旨と回答予定日を明記します。

質問・確認事項の整理

見積内容で不明な点は、まとめて質問することで効率的です。個別に何度も問い合わせるより、相手の負担も軽減できます。

決定通知の迅速な連絡

採用・不採用が決まったら速やかに連絡します。不採用の場合も、時間を割いていただいたことへの感謝と簡潔な理由を伝えることで、将来の取引機会を保てます。

よくある質問

見積依頼はどのタイミングで送るのが適切ですか?

必要な情報が整理でき次第、可能な限り早期に送信しましょう。ただし、相手が十分な検討時間を確保できるよう、1-2週間程度の余裕をもった期限設定が理想です。また、年末年始や相手の業界の繁忙期は避けることをお勧めします。

相見積もりは必ず伝える必要がありますか?

公平性と透明性の観点から、相見積もりを取る場合は事前に伝えることを強くお勧めします。隠して後で発覚すると信頼関係に悪影響を与える可能性があります。「複数社に同条件で依頼している」旨を明記し、他社条件は開示しないことも併せて伝えましょう。

見積もり後に仕様変更したい場合の対応は?

変更が生じた場合は速やかに連絡が必要です。相手が既に作業に着手している可能性があるため、まず電話で変更の旨を伝え、詳細な変更内容はメールで送付することが効果的です。変更によるお手数への謝罪も必ず含めてください。

予算はどの程度具体的に伝えるべきですか?

可能であれば予算の目安を伝えることをお勧めします。相手は予算に応じた最適な提案ができ、双方にとって効率的です。ただし、相見積もりで競争を促したい場合は、予算を明かさず「適正価格での提案」を求める方法もあります。

見積もりを断る場合の適切な方法は?

見積もり作成にかけた時間と労力への感謝を示し、他社に決定した旨を丁寧に伝えます。可能であれば理由(予算、納期、機能面など)を簡潔に説明し、「今後ともよろしくお願いいたします」で締めくくることで良好な関係を維持できます。

急ぎの見積依頼時に注意すべきことは?

急ぎの理由を明確に説明し、相手への配慮を示すことが重要です。「大変恐縮ですが」「急なお願いで申し訳ございません」などの謝罪を含め、対応困難な場合の代替案も提示しましょう。事前の電話連絡も効果的です。

見積依頼メールに資料添付は必要ですか?

見積もり精度向上に必要な仕様書、図面、写真などがあれば添付しましょう。ファイルサイズに注意し、機密情報が含まれる場合はパスワード保護を実施します。添付ファイルの内容説明も本文に記載してください。

見積書の有効期限はどれくらいが一般的ですか?

業界により異なりますが、一般的には1ヶ月程度が標準的です。原材料価格変動の激しい業界では短く、安定した業界では3ヶ月程度の場合もあります。見積依頼時に有効期限についても確認しておくとトラブル防止に役立ちます。

まとめ

見積依頼メールは取引の出発点となる重要なコミュニケーションです。適切な書き方とマナーを身につけることで、正確な見積もりを迅速に取得し、取引先との信頼関係を構築できます。

見積依頼メール成功の5つの要素
・明確で具体的な情報提供
・相手への適切な配慮とマナー
・現実的で余裕のある期限設定
・透明性のある取引姿勢
・迅速で丁寧なコミュニケーション

本記事のテンプレートとガイドラインを活用して、あなたのビジネスシーンに最適な見積依頼メールを作成してください。適切なコミュニケーションにより、効率的な取引と長期的なパートナーシップを実現していきましょう。

参考文献・引用情報