【例文12選】見積もりお礼メールの書き方|断り方・価格交渉まで完全網羅

ビジネス連絡

見積書を受け取った後、「どのような返信をすればよいか」「お礼メールは必要なのか」と迷う方は多いでしょう。適切なお礼メールは、取引先との信頼関係を築き、円滑なビジネス進行を実現する重要なコミュニケーションです。

本記事では、見積もりお礼メールの基本マナーから、状況別に使い分けできる実用的なテンプレートまで、ビジネス現場ですぐに活用できる内容を解説します。

この記事で身につくスキル
・見積もりお礼メールの基本マナーと適切な送信タイミング
・状況に応じて使い分けできる実用的なテンプレート12選
・相手に好印象を与える文章作成のポイント
・よくある失敗を避ける注意点とチェック方法

見積もりお礼メールの重要性

見積書を受け取った際のお礼メールは、ビジネスマナーとして重要な役割を果たします。メールを送ることで、以下の効果が期待できます。

お礼メールの3つの効果
1. 受領確認の役割
相手に見積書が確実に届いたことを伝え、安心感を与えます

2. 信頼関係の構築
迅速で丁寧な対応により、誠実なビジネスパートナーとしての印象を与えます

3. 今後の流れの明確化
検討期間や回答予定日を伝えることで、双方の期待値を合わせられます

見積もりお礼メールの基本構成

効果的なお礼メールは、以下の5つの要素で構成されます。この順序を守ることで、相手に伝わりやすく、好印象を与えるメールが作成できます。

順序 構成要素 目的 記載例
1 件名 内容の明確化 【受領確認】見積書ありがとうございます
2 宛名 相手への敬意 【会社名】【部署名】【氏名】様
3 お礼と受領確認 感謝の表明と確認 見積書をお送りいただき、ありがとうございます
4 今後の対応 次のステップの明示 ○月○日までに検討結果をご連絡いたします
5 署名 連絡先の明示 会社名・部署・氏名・連絡先

適切な送信タイミング

見積もりお礼メールは、受領後できるだけ早く送ることが重要です。適切なタイミングでの返信により、相手に良い印象を与えることができます。

推奨する送信タイミング
理想:見積書受領当日(営業時間内)
許容範囲:見積書受領から2営業日以内
注意点:深夜・早朝・休日の送信は避ける
遅れた場合:「お返事が遅くなり申し訳ございません」の一文を追加

状況別テンプレート12選

見積もりを受け取った後の状況に応じて使い分けできる、実用的なテンプレートをご紹介します。【】の部分を実際の内容に変更するだけで、適切なお礼メールが完成します。

基本パターン(テンプレート1-4)

1. 標準受領確認メール(最も使用頻度が高い基本型)

件名:【受領確認】見積書ありがとうございます(【自社名】【氏名】)

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

この度は見積書をお送りいただき、誠にありがとうございます。

■受領内容の確認
・見積書番号:【番号】
・金額:【金額】円(税込)
・有効期限:【年月日】
・納期:【期間】

内容を確認させていただき、社内で検討いたします。
【検討期限】までに回答させていただきますので、
お待ちいただけますでしょうか。

検討中にご質問させていただくこともあるかと存じますが、
その際はよろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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2. 高額案件向け丁寧版(重要取引先・高額案件用)

件名:【重要案件】見積書受領のご連絡

【会社名】【部署名】
【氏名】様

平素より格別のお世話になっております。
【自社名】の【氏名】です。

【案件名】に関する詳細な見積書をお送りいただき、
誠にありがとうございます。

【氏名】様ならびに貴社チームの皆様にお時間をかけて
ご検討いただいた内容を拝見させていただいております。

■見積もり概要
・案件名:【案件名】
・総額:【金額】円(税込)
・実施期間:【期間】
・その他条件:【特記事項】

弊社としても重要な案件と位置づけており、
社内での検討・承認プロセスを経て、
【検討期限】までには正式な回答を差し上げる予定です。

検討過程でご質問や追加資料のご依頼を
させていただくこともあるかと存じますが、
引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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3. 急ぎ案件向けスピード重視版

件名:【至急案件】見積書受領のお礼

【会社名】【部署名】
【氏名】様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

急ぎの案件にも関わらず、迅速に見積書をお送りいただき、
ありがとうございます。

■受領内容
・金額:【金額】円(税込)
・納期:【期間】
・特急対応:【対応内容】

緊急性を重視いただいた内容で、大変助かります。

【検討期限】までに社内確認を完了し、
【回答期限】にはご回答いたします。

迅速なご対応に心より感謝いたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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4. 簡潔版(当日中の速報用)

件名:見積書受領のお礼(まずはご連絡まで)

【会社名】【部署名】
【氏名】様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

見積書をお送りいただき、ありがとうございます。

確かに受領いたしました。
内容を確認の上、改めてご連絡いたします。

まずは受領のご連絡まで申し上げます。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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質問・確認パターン(テンプレート5-7)

5. 技術的質問メール(詳細確認が必要な場合)

件名:【確認事項】見積書の内容について

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

詳細な見積書をありがとうございます。

内容を検討する中で、以下の点について確認させてください。

■確認事項
1. 【質問項目1】
   【具体的な質問内容】

2. 【質問項目2】
   【具体的な質問内容】

お手数をおかけしますが、【回答期限】までに
ご回答いただければ検討を進められます。

よろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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6. 条件調整相談メール(予算・納期等の調整)

件名:【条件調整のご相談】見積書の件

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

見積書をありがとうございます。

内容・品質ともに申し分ないのですが、
以下の点についてご相談があります。

■調整希望事項
【調整項目】:【現在の条件】→【希望条件】
【調整理由】:【具体的な理由】

上記のような調整は可能でしょうか。

弊社としても可能な限り調整いたしますので、
ご検討いただければ幸いです。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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7. 競合比較検討メール(複数社比較中の場合)

件名:【検討状況のご報告】見積書の件

【会社名】【部署名】
【氏名】様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

見積書をありがとうございます。

現在、複数社様からお見積もりをいただいており、
慎重に比較検討を行っております。

つきましては、貴社の特徴や強みについて
改めて教えていただけませんでしょうか。

■特にお聞きしたい点
・【比較ポイント1】
・【比較ポイント2】

【検討期限】までにご回答いただければ
検討に反映させていただきます。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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結果連絡パターン(テンプレート8-12)

8. 採用決定連絡メール(発注決定の場合)

件名:【発注決定】見積書の件

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

先日は見積書をお送りいただき、ありがとうございました。

社内で検討いたしました結果、
貴社にお願いすることを正式に決定いたしました。

■採用の理由
・【選定理由1】
・【選定理由2】

契約書等の準備を進めますので、
【打ち合わせ希望日】にお打ち合わせの機会を
いただけませんでしょうか。

■候補日程
・【候補日1】
・【候補日2】
・【候補日3】

プロジェクト成功に向けて、
よろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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9. 丁寧な不採用連絡メール(関係性維持重視)

件名:【検討結果のご連絡】見積書の件

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

先日は詳細な見積書をお送りいただき、
誠にありがとうございました。

社内で慎重に検討させていただきました結果、
今回は見送らせていただくこととなりました。

【氏名】様には貴重なお時間を割いて
丁寧にご対応いただいたにも関わらず、
このような結果となり申し訳ございません。

今回のご提案内容は技術的にも優れており、
弊社にとって大変勉強になりました。

今後機会がございましたら、
ぜひお声がけさせていただきたく存じます。

この度は本当にありがとうございました。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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10. 保留・延期連絡メール(検討期間延長の場合)

件名:【検討期間延長のお願い】見積書の件

【会社名】【部署名】
【氏名】様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

見積書をお送りいただき、ありがとうございます。

当初【元の期限】にご回答予定とお伝えしましたが、
【延長理由】により、検討期間を延長させていただければと思います。

■新しいスケジュール
・【重要会議等】:【日時】
・ご回答期限:【新しい期限】

見積書の有効期限についても、
可能でしたら【延長希望期限】まで延長していただければ
助かります。

ご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、
ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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11. 一部採用・分割発注メール(部分的な採用の場合)

件名:【部分採用のご相談】見積書の件

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

見積書をありがとうございます。

ご提案いただいた内容のうち、
以下の項目についてお願いしたく存じます。

■採用希望項目
・【採用項目1】:【金額】
・【採用項目2】:【金額】

■今回見送り項目
・【見送り項目】:【理由】

一部のみの採用となり恐縮ですが、
ご対応いただけますでしょうか。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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12. 価格交渉メール(WIN-WIN追求型)

件名:【価格調整のご相談】見積書の件

【会社名】【部署名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

詳細な見積書をありがとうございます。

内容・品質ともに申し分なく、
ぜひ貴社にお願いしたいのですが、
予算についてご相談があります。

■現在の状況
・ご提示額:【金額】円
・予算上限:【金額】円
・差額:【金額】円

以下の方法で調整は可能でしょうか。

・【調整案1】:【具体的な内容】
・【調整案2】:【具体的な内容】

弊社としても可能な限り調整いたしますので、
お互いにとって良い形で進められればと思います。

ご検討のほどよろしくお願いいたします。

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【会社名】【部署】
【氏名】 
E-mail:【アドレス】
TEL:【番号】|携帯:【番号】
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見積もりお礼メールの注意点

効果的なお礼メールを作成するために、以下の注意点を押さえておきましょう。

NG例(不適切) OK例(推奨) 理由
見積もりの件 【受領確認】見積書ありがとうございます 具体的で分かりやすい件名にする
検討します ○月○日までに検討結果をご連絡します 具体的な期日を明示する
高すぎます 予算調整についてご相談があります 建設的な表現で関係を維持する
お疲れさまでした お忙しい中ありがとうございます 社外には「お疲れさま」は不適切
取り急ぎ まずは受領のご連絡まで 丁寧で適切な表現にする

送信前のチェックリスト

メール送信前に必ず確認すべき項目をまとめました。

送信前必須チェック(10項目)
☐ 件名で内容が明確に分かるか
☐ 宛先・会社名・部署名・氏名が正確か
☐ 見積番号・金額・期限の記載に誤りがないか
☐ 次のアクション(回答期限等)が明記されているか
☐ 感謝の気持ちが適切に表現されているか
☐ 質問事項が具体的で答えやすい形になっているか
☐ 敬語の使い方が適切で統一されているか
☐ 誤字・脱字がないか
☐ 連絡先情報(電話・メール)が正確に記載されているか
☐ 送信タイミングが営業時間内の適切な時間帯か

よくある質問

見積もりお礼メールは必ず送る必要がありますか?

必須ではありませんが、ビジネスマナーとして送ることを推奨します。見積書を受け取ったことを相手に伝え、今後の流れを明確にすることで、双方にとってスムーズな取引につながります。特に重要な案件や継続的な取引を希望する相手には、必ず送りましょう。

どのテンプレートを選べばよいか迷います。判断基準を教えてください。

現在の状況に応じて選択してください。見積書を受け取ったばかりなら「標準受領確認メール」、質問がある場合は「技術的質問メール」、結果が決まった場合は「採用決定」または「不採用連絡」メールを使用します。迷った場合は、最も基本的な「標準受領確認メール」から始めることをお勧めします。

見積もりを断る際のお礼メールで注意すべき点は?

断る場合でも感謝の気持ちを必ず伝え、今後の関係継続への意思を示すことが重要です。「今回は見送らせていただきますが、今後機会がございましたらお声がけします」といった表現で、関係性を維持する姿勢を示しましょう。また、断る理由は簡潔に留め、相手を批判するような表現は避けてください。

見積もり金額が予算オーバーの場合、どのように伝えればよいですか?

「高すぎます」といった直接的な表現は避け、「予算調整についてご相談があります」として建設的に伝えましょう。具体的な予算上限を示し、仕様変更や段階的導入などの代替案を提案することで、双方にとって最適な解決策を模索する姿勢が大切です。

見積もりお礼メールに返信がない場合、フォローアップすべきですか?

お礼メールは基本的に返信を求めるものではないため、返信がなくても問題ありません。ただし、質問をしている場合や重要な案件の場合は、1週間程度経過後に「ご多忙の中恐れ入ります」といった配慮のある表現でフォローアップすることをお勧めします。

複数社への見積もり依頼をしている場合、その旨を伝えるべきですか?

複数社検討中であることを伝えることは問題ありません。「複数社様からお見積もりをいただいており、慎重に検討しております」といった表現で、公正な比較検討を行っていることを示すことで、かえって相手の信頼を得られる場合もあります。

見積もりお礼メールの適切な文章量はどの程度ですか?

案件の重要度により調整が必要ですが、一般的には200-400字程度が適切です。簡潔すぎると感謝の気持ちが伝わりにくく、長すぎると相手の負担になります。必要な情報を過不足なく伝えることを心がけ、相手の立場を考慮した文章量にしましょう。

急ぎの案件で見積もりを依頼した場合、お礼メールはどうすべきですか?

急ぎ案件の場合は、迅速な対応への感謝を必ず表現しましょう。「急ぎの案件にも関わらず迅速にご対応いただき」といった文言を入れ、相手の努力を認めることが重要です。また、こちらも迅速に検討・回答することを約束し、具体的な期限を示すことで相手の安心感につながります。

まとめ

見積もりお礼メールは、ビジネス関係を円滑にし、取引先との信頼関係を築く重要なコミュニケーションツールです。適切なタイミングで、状況に応じたテンプレートを活用することで、相手に好印象を与え、スムーズな取引進行を実現できます。

見積もりお礼メール成功の5つのポイント
1. 迅速な対応:受領から2営業日以内の返信で信頼獲得
2. 明確な構成:5つの基本要素で分かりやすいメール作成
3. 具体的な内容:見積番号・金額・期限を正確に記載
4. 適切な表現:相手への敬意を示す丁寧で正確な敬語
5. 次ステップの明示:検討期限や今後の流れを明確に伝達

この記事で紹介した12のテンプレートとポイントを活用して、あなたのビジネスシーンに最適な見積もりお礼メールを作成してください。適切なコミュニケーションにより、ビジネス成功と継続的な成長を実現していきましょう。

参考文献・引用情報