支払期日リマインドメールの書き方完全ガイド|角を立てないテンプレート例文・送信タイミング

ビジネス連絡

支払期日が過ぎているのに入金がない。催促したいが取引先との関係を悪化させるのは避けたい。このような悩みを抱える経理担当者や営業担当者は多いでしょう。

支払期日リマインドメールは、相手に不快感を与えることなく確実に入金を促すための重要なビジネススキルです。適切な書き方とタイミングをマスターすれば、取引先との良好な関係を保ちながら売掛金の回収を進めることができます。

この記事では、実際に効果の高い催促メールの例文から反応がない場合の対処法まで、支払期日リマインドメールのすべてを実務に基づいて解説します。

この記事で解決できること
・期日が過ぎた時の効果的な催促メール例文
・関係を損ねずに確実に動いてもらう書き方
・反応率を高める送信タイミングと頻度
・段階別に強度を上げる催促の流れ

効果的な送信タイミングと基本戦略

まず、催促メールで最も重要な送信タイミングと戦略を理解しましょう。企業間決済の実務では、以下のタイミングが効果的とされています。

効果的な催促タイミング
期日当日:確認依頼(反応率:高)
期日後1〜3日:丁寧な催促(最重要)
期日後4〜7日:明確な要請(決定的)
期日後8日以降:最終警告→法的措置検討

確実に動いてもらうための3つの原則

反応率を高める原則
期限を明確に設定:「◯日まで」を必ず記載
選択肢を提示:支払いOR連絡の2択を提示
段階的に強化:回数を重ねるごとに明確な表現に

そのまま使える催促メールテンプレート

以下は実際に高い反応率を示すテンプレートです。段階に応じて使い分けてください。

期日後1〜3日:丁寧な催促(最も使用頻度が高い)

件名:【支払い状況確認】◯月分ご請求について

株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯様

いつもお世話になっております。
◯◯株式会社の◯◯です。

◯月◯日が支払期日でした◯月分ご請求書について、本日時点でご入金の確認ができておりません。

恐れ入りますが、【◯月◯日(◯)まで】に下記のいずれかをお願いいたします。

①お振り込み手続き
②お支払い予定日のご連絡

▼該当請求書
・請求書番号:No.◯◯◯
・請求金額:¥◯◯◯(税込)
・支払期日:◯年◯月◯日
・振込先:◯◯銀行 ◯◯支店 普通◯◯◯◯◯

ご事情がおありの場合は、お気軽にご相談ください。

すでにお振り込みをいただいている場合は、行き違いのご連絡となり申し訳ございません。

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――――――
◯◯株式会社 ◯◯部
◯◯ ◯◯
TEL:000-0000-0000
E-mail:xxxx@xxxx.co.jp
――――――――――――――――――――――

期日後4〜7日:明確な要請(2回目の催促)

件名:【重要】お支払いのお願い|請求書No.◯◯◯

株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯様

いつもお世話になっております。
◯◯株式会社の◯◯です。

◯月◯日にご連絡いたしました◯月分ご請求書について、現在もご入金およびご連絡をいただけていない状況です。

誠に恐縮ですが、【◯月◯日(◯)まで】に必ず下記のいずれかをお願いいたします。

①お振り込み手続きの完了
②お支払い予定日のご連絡

▼ご請求詳細
・請求書番号:No.◯◯◯
・請求金額:¥◯◯◯(税込)
・当初支払期日:◯年◯月◯日(◯日経過)
・振込先:◯◯銀行 ◯◯支店 普通◯◯◯◯◯

なお、上記期日までにご対応いただけない場合は、お取引の継続について検討せざるを得ない状況となります。

ご事情がおありの場合は、分割支払いや期日調整についてもご相談に応じますので、まずはご連絡ください。

すでにお手続きをいただいている場合は、重ねてのご連絡となり失礼いたします。

――――――――――――――――――――――
◯◯株式会社 ◯◯部
◯◯ ◯◯
TEL:000-0000-0000
E-mail:xxxx@xxxx.co.jp
――――――――――――――――――――――

期日後8日以降:最終警告(3回目の催促)

件名:【最終通知】お支払いについて|請求書No.◯◯◯

株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯様

◯◯株式会社の◯◯です。

◯月分ご請求書(No.◯◯◯)について、これまで2度ご連絡いたしましたが、ご入金およびご連絡をいただけておりません。

つきましては、【◯月◯日(◯)】を最終期限として、下記の対応をお願いいたします。

■お振り込み手続きの完了
■または、具体的なお支払い予定日のご連絡

▼ご請求詳細
・請求書番号:No.◯◯◯
・請求金額:¥◯◯◯(税込)
・当初支払期日:◯年◯月◯日(◯日経過)
・振込先:◯◯銀行 ◯◯支店 普通◯◯◯◯◯

なお、上記最終期限までにご対応いただけない場合は、誠に遺憾ながら法的手続きを含む債権回収措置を検討いたします。

このような事態を避けるため、至急ご対応をお願いいたします。

すでにお手続きをいただいている場合は、行き違いのご連絡となり深くお詫び申し上げます。

――――――――――――――――――――――
◯◯株式会社 ◯◯部
◯◯ ◯◯
TEL:000-0000-0000
E-mail:xxxx@xxxx.co.jp
――――――――――――――――――――――

期日当日:確認依頼(当日のリマインド)

件名:【本日期日】◯月分お支払いのご確認

株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯様

いつもお世話になっております。
◯◯株式会社の◯◯です。

本日【◯月◯日】が◯月分ご請求書の支払期日となっております。

お支払い状況につきまして、ご確認いただけますでしょうか。

▼ご請求内容
・請求書番号:No.◯◯◯
・金額:¥◯◯◯(税込)
・振込先:◯◯銀行 ◯◯支店 普通◯◯◯◯◯

お忙しい中恐れ入りますが、【本日中】にお支払い状況をお教えいただけますと幸いです。

すでにお手続きをいただいている場合は、行き違いとなり失礼いたします。

よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――――――――
◯◯株式会社 ◯◯部
◯◯ ◯◯
TEL:000-0000-0000
E-mail:xxxx@xxxx.co.jp
――――――――――――――――――――――

反応率を高める件名の作り方

件名は開封率に直結する重要な要素です。ビジネスメールの研究によると、以下のパターンが効果的です。

段階 件名例 開封率向上のポイント
1回目 【支払い状況確認】◯月分ご請求について 「確認」で圧迫感を軽減
2回目 【重要】お支払いのお願い|請求書No.◯◯◯ 「重要」で緊急性を演出
3回目 【最終通知】お支払いについて|請求書No.◯◯◯ 「最終」で危機感を喚起
当日 【本日期日】◯月分お支払いのご確認 「本日」で即時性を強調

確実に動いてもらうための表現テクニック

単に丁寧なだけでは相手は動きません。相手に行動を促すための具体的なテクニックを身につけましょう。

期限設定の効果的な方法

期限設定のコツ
具体的な日付:「◯月◯日(◯)まで」
理由を付加:「月末処理のため」「決算処理のため」
選択肢を提示:支払いOR連絡の2択
段階的に短縮:1回目7日→2回目5日→3回目3日

心理的プレッシャーを与える表現

段階 効果的な表現 心理的効果
1回目 「ご確認いただけますでしょうか」 責任の明確化
2回目 「お取引の継続について検討せざるを得ない」 関係継続への危機感
3回目 「法的手続きを含む債権回収措置を検討」 法的リスクの示唆

関係を損ねないための配慮表現

プレッシャーを与えながらも関係を維持するため、以下の配慮表現を併用しましょう。

必須の配慮表現
・「行き違いの場合は失礼いたします」
・「ご事情がおありの場合はご相談ください」
・「分割支払いや期日調整もご相談に応じます」
・「このような事態を避けるため」(3回目)

反応がない場合の段階的対応

メールで3回催促しても反応がない場合は、以下の手順で対応を強化します。

段階的対応の流れ
第1段階:メールでの催促(3回まで)
第2段階:電話による直接確認
第3段階:書面による督促状の郵送
第4段階:内容証明郵便による通知
最終段階:法的措置(支払督促・少額訴訟)

電話による確認

メール送信から3日経過しても反応がない場合は、電話で直接確認します。

電話での確認事項
・メールの受信確認
・請求書の受領状況
・支払い遅延の理由
・具体的な支払い予定日
・今後の連絡方法の確認

内容証明郵便による通知

最終段階として、内容証明郵便を利用します。これにより「いつ・誰が・誰に・どのような内容を送ったか」が日本郵便株式会社によって証明されます。

法的根拠と遅延損害金

最終段階では法的根拠を示すことで、相手に支払いの必要性を認識させることができます。

遅延損害金の根拠

契約書に遅延損害金の定めがある場合は、その条項に従います。定めがない場合は、民法第404条により法定利率(年3%)が適用されます。

遅延損害金の計算例
100万円を30日間遅延(年3%の場合)
1,000,000円 × 0.03 × 30日 ÷ 365 = 2,466円

業界別のカスタマイズ例

業界の特性に応じて、メール文面を調整することで効果を高めることができます。

建設業向けカスタマイズ

工事完了確認書をお送りいただいた◯月分工事代金について、
支払期日の◯月◯日を過ぎてもご入金の確認ができておりません。

月末の支払いサイクルに間に合わせるため、
【◯月◯日まで】にお振り込み手続きをお願いいたします。

IT・サービス業向けカスタマイズ

◯月分のサービス利用料について、継続的なサービス提供のため、
【◯月◯日まで】にお支払い手続きをお願いいたします。

なお、お支払いが確認できない場合、
サービスの継続提供が困難になる可能性がございます。

よくある質問

何回まで催促メールを送っても良いですか?

一般的には3回が限度です。それ以上は相手に過度なプレッシャーを与え、関係悪化のリスクが高まります。3回送信しても反応がない場合は、電話や書面による督促に移行してください。

催促メールの送信間隔はどのくらい空けるべきですか?

1回目と2回目の間は3〜5日、2回目と3回目の間は3〜7日程度が適切です。高額案件や重要取引では間隔を短縮し、2〜3日間隔でも構いません。

相手から「支払い予定日」の連絡があった場合はどうすれば良いですか?

必ず書面(メール)で確認し、記録として残してください。「◯月◯日までにお振り込みいただけるとのこと、承知いたしました」といった確認メールを送り、その日付以降は改めて催促を行います。

取引先から「請求書を受け取っていない」と言われた場合は?

即座に請求書を再送付し、配信確認を取ってください。郵送の場合は配達証明、メールの場合は開封確認を利用します。再送付後は通常の催促スケジュールでフォローしてください。

法的措置について言及するタイミングはいつですか?

3回目の催促(最終通知)で言及するのが適切です。それより早い段階では関係悪化のリスクが高く、遅すぎると実効性が低下します。「法的手続きを含む債権回収措置を検討いたします」程度の表現に留めてください。

遅延損害金について言及しても良いですか?

契約書に記載がある場合は2回目の催促から言及可能です。記載がない場合でも法定利率(年3%)の請求は可能ですが、関係悪化のリスクを考慮し、3回目の催促で言及することをお勧めします。

まとめ

支払期日リマインドメールは、段階的に強度を上げながら相手に確実な行動を促すことが重要です。丁寧さと実効性のバランスを保ちながら、期限設定と選択肢の提示により相手の行動を誘導しましょう。

成功のための5つのポイント
・期限を明確に設定し、段階的に短縮する
・支払いOR連絡の選択肢を必ず提示する
・心理的プレッシャーと配慮表現を併用する
・3回で効果がなければ電話・書面に移行
・法的措置の示唆は最終段階で行う

この記事で紹介したテンプレートと手法を活用して、効果的な支払期日リマインドメールを作成してください。適切な催促により、健全なキャッシュフローを維持し、ビジネスの成長を支えていきましょう。

参考文献・引用情報