支払い遅延のお詫びメールの書き方|すぐ使える例文テンプレートと件名のコツ

ビジネス連絡

支払い遅延が発覚したら、まずは迅速な連絡が重要です。適切なお詫びメールを送ることで、取引先との信頼関係を維持し、今後のビジネスへの悪影響を最小限に抑えられます。

この記事では、支払い遅延のお詫びメールの書き方を状況別に詳しく解説します。コピペで使える例文テンプレートから、適切な件名の付け方、送信タイミング、法的要件まで、実務で必要な情報をすべて網羅しました。

この記事で身につけられること
・状況別のお詫びメールテンプレート(当日・翌日・分割等)
・相手に配慮した件名の書き方
・法定利率や下請法への対応方法
・信頼関係を維持するための実践的なコツ

今すぐ使える基本テンプレート

最も使用頻度の高い基本パターンです。○○部分を実際の情報に置き換えてすぐにご利用いただけます。

件名:【支払い遅延のお詫び】請求書No.○○(○月○日お支払予定)

○○株式会社
○○部 ○○様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の△△です。

○月○日がお支払期日でございました請求書No.○○につきまして、弊社の手続き不備により期日内にお支払いができておりません。誠に申し訳ございません。

■お支払い予定
・支払日:○月○日(○曜日)
・支払時刻:午前中(○○銀行より振込)
・請求金額:○○円

■遅延損害金について
契約書の定めに従い、弊社にて負担いたします。

■原因と対策
原因:承認手続きの遅延
対策:承認フローの見直しと期日管理システムの導入

ご迷惑をおかけし、心よりお詫び申し上げます。
今後このようなことがないよう、管理体制を強化いたします。

何かご不明点がございましたら、お気軽にお声がけください。

株式会社△△ ○○部
△△ △△
TEL:000-0000-0000
Email:○○@example.com

件名パターン集(状況別)

件名は相手が優先度を瞬時に判断できる重要な要素です。内容が一目でわかる具体的な件名にしましょう。

状況 件名例 使用場面
基本 【支払い遅延のお詫び】請求書No.○○(○月○日お支払予定) 通常の遅延時
当日支払 【至急・本日お支払い】請求書No.○○のお詫び 当日中に支払可能
翌日以降 【深謝】支払い遅延と新たな支払予定のご連絡 期日を大幅に超過
分割相談 【ご相談】支払い遅延のお詫びと分割のお願い 分割支払を依頼
完了報告 【お支払完了報告】請求書No.○○(○月○日入金) 支払完了後の報告

状況別メールテンプレート

当日中に支払い可能な場合

件名:【至急・本日お支払い】請求書No.12345のお詫び

○○株式会社
経理部 ○○様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の△△です。

本日がお支払期日でございました請求書No.12345について、弊社の確認不備により手続きが遅れておりました。誠に申し訳ございません。

本日○時頃に○○銀行よりお振込手続きを完了いたします。
入金確認は○月○日の午前中になる見込みです。

■お支払い詳細
・請求金額:○○円
・振込銀行:○○銀行○○支店
・振込予定時刻:本日○時頃

急なご連絡となり恐縮ですが、入金確認までしばらくお待ちいただけますようお願いいたします。

今後はより一層注意してまいります。
このたびは誠に申し訳ございませんでした。

株式会社△△ ○○部
△△ △△
TEL:000-0000-0000

翌営業日以降の支払いとなる場合

件名:【深謝】支払い遅延と新たな支払予定のご連絡

○○株式会社
○○部 ○○様

平素よりお世話になっております。
株式会社△△の△△です。

○月○日がお支払期日でございました請求書No.○○について、期日を過ぎてもお支払いできておらず、深くお詫び申し上げます。

■新しいお支払予定
・支払予定日:○月○日(○曜日)
・支払時刻:午前中を予定
・請求金額:○○円
・遅延損害金:別途ご相談させていただきます

■遅延の原因
弊社の資金繰り管理に不備があり、予定していた入金が遅れたためです。

■再発防止策
・資金繰り計画の見直し
・支払期日の前倒し管理
・担当者のダブルチェック体制

ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
今後このようなことがないよう、管理体制を抜本的に見直します。

お急ぎのところ恐れ入りますが、何卒ご容赦いただけますようお願い申し上げます。

株式会社△△ ○○部
△△ △△
TEL:000-0000-0000
Email:○○@example.com

分割支払いを相談する場合

件名:【ご相談】支払い遅延のお詫びと分割のお願い

○○株式会社
○○部 ○○様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の△△です。

○月○日期日の請求書No.○○について、誠に心苦しいお願いでございますが、分割でのお支払いをご相談させていただけないでしょうか。

■分割支払いのご提案
・第1回:○月○日 ○○円(総額の50%)
・第2回:○月○日 ○○円(残額)
・遅延損害金:弊社にて負担いたします

■遅延の理由
大口取引先からの入金が予定より遅れており、一時的な資金繰りの逼迫が生じております。○月○日には入金予定が確定しており、確実にお支払いできる見込みです。

ご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。
分割支払いについてご検討いただき、可否をお聞かせいただけますと幸いです。

お忙しい中恐れ入りますが、ご返答をお待ちしております。

株式会社△△ ○○部
△△ △△
TEL:000-0000-0000
Email:○○@example.com

支払い完了の報告

件名:【お支払完了報告】請求書No.12345(9月15日入金完了)

○○株式会社
経理部 ○○様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の△△です。

お支払いが遅れておりました請求書No.12345について、本日○月○日○時○分に入金が完了いたしました。

■入金詳細
・入金日時:○月○日○時○分
・入金金額:○○円
・振込名義:株式会社△△

このたびは支払い遅延により、ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんでした。

今後は支払い管理を徹底し、このようなことがないよう努めてまいります。
引き続きご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

株式会社△△ ○○部
△△ △△
TEL:000-0000-0000

お詫びメールの基本原則

支払い遅延お詫びメールの5つの鉄則
・発覚後、即座に連絡する
・具体的な支払日時を明記する
・遅延の原因を簡潔に説明する
・再発防止策を示す
・遅延損害金について言及する

連絡のタイミング

支払い遅延が判明した時点で、可能な限り迅速に連絡しましょう。遅れるほど相手の不信感が増し、今後の取引関係に悪影響を与える可能性があります。

理想的な連絡タイミング
・遅延判明後:即座にメール送信
・メール送信後:電話で補足説明
・支払完了後:完了報告メール
・翌月以降:再発防止の確認連絡

書き方のポイント

お詫びメールでは、誠意を示しつつも要点を明確に伝えることが重要です。以下のポイントを意識して作成しましょう。

項目 具体的な書き方 注意点
件名 【支払い遅延のお詫び】請求書No.○○ 一目で内容がわかるように
冒頭 挨拶→遅延の事実→お詫びの言葉 簡潔に要点を伝える
本文 支払予定日・金額・原因・対策 具体的な情報を箇条書きで
結び 再度お詫び→今後の決意 誠意ある表現で締める

法的要件への対応

支払い遅延には法的な側面もあります。適切に対応することで、法的リスクを回避し、円滑な解決を図れます。

遅延損害金について

契約書に定めがない場合、法定利率(2025年現在は年3%、令和8年4月1日から令和11年3月31日まで)が適用されます。

遅延損害金の計算例
支払金額100万円、遅延期間30日の場合
100万円 × 3% × 30日 ÷ 365日 = 約2,466円
※計算方法:元本 × 年利率 × 遅延日数 ÷ 365日

下請法への対応

下請取引では、親事業者は物品等を受領した日から60日以内に支払う義務があります。遅延は禁止行為に該当し、適切な対応が必要です。

下請法における注意点
・受領後60日以内の支払義務
・遅延利息の支払義務(年14.6%)
・公正取引委員会による指導・勧告の可能性
・違反時の企業名公表リスク

送信前の最終チェック

メール送信前に以下の項目を確認し、漏れがないかチェックしましょう。

  • 件名に【お詫び】と具体的内容を記載
  • 相手の正式な会社名・部署名・氏名を確認
  • 支払予定日時を具体的に明記
  • 請求書番号や金額に間違いがないか確認
  • 遅延の原因と再発防止策を記載
  • 遅延損害金について言及
  • 連絡先を正確に記載
  • 誤字脱字がないか最終確認
  • よくある失敗と対策

    失敗例 原因 対策
    支払日が曖昧 「近日中」「来週」等の表現 「○月○日○時」と具体的に記載
    原因の説明不足 「手続きミス」等の漠然とした説明 具体的な原因と対策を明記
    遅延損害金の未言及 金銭的負担への言及を避ける 契約条件に従う旨を明記
    フォロー連絡忘れ 支払後の報告を怠る 支払完了後は必ず報告

    敬語の使い方

    お詫びメールでは、相手への敬意を軸とした適切な敬語を使用し、二重敬語や過度な婉曲表現は避けましょう。

    NG表現 OK表現 理由
    拝見させていただきました 拝見いたしました 二重敬語の回避
    お支払いしていただく お支払いいたします 主語の明確化
    させていただいております いたしております 過度な敬語の回避

    電話でのフォロー

    メール送信後は、可能であれば電話でもフォローしましょう。直接話すことで、誠意がより伝わりやすくなります。

    電話フォローのポイント
    ・メール送信後、1-2時間以内に電話
    ・簡潔に状況を説明し、お詫びする
    ・相手の質問に正確に答える
    ・電話後、要点をメールで再送信

    よくある質問

    支払い遅延に気づいたらまず何をすべきですか?

    即座に状況確認を行い、1時間以内にお詫びメールを送信してください。メール送信後30分以内に電話でフォローし、支払予定日を明確に伝えることが重要です。遅れるほど相手の不信感が増し、関係修復が困難になります。

    遅延損害金の計算方法と支払い義務について教えてください

    契約書に定めがあればその利率を、なければ法定利率(現在年3%、令和11年3月31日まで)で計算します。計算式は「未払金額×年利率×遅延日数÷365日」です。法的には支払い義務が生じますが、実際の請求については取引関係を考慮して慎重に判断しましょう。

    下請取引で支払いが遅れた場合のリスクは?

    下請法では親事業者に受領後60日以内の支払義務があり、遅延は禁止行為です。年14.6%の遅延利息支払義務が生じ、公正取引委員会による指導・勧告の対象となります。企業名公表や取引停止命令のリスクもあるため、即座の対応が必要です。

    分割支払いを相談したいのですが、どう切り出せばよいですか?

    まず遅延の事実を認めて謝罪し、その上で具体的な分割案(日付・金額)を提示してください。遅延理由を正直に説明し、第2回支払いの確実性を示すことが重要です。相手の承諾なしに一方的な分割はできないため、誠意ある相談姿勢を示しましょう。

    支払い完了後のフォローは必要ですか?

    支払い完了後は必ず報告メールを送信してください。入金日時と金額を明記し、改めてお詫びと感謝の言葉を添えることで、誠意ある対応として評価されます。さらに1ヶ月後に再発防止策の実施状況を報告すると、信頼回復により効果的です。

    何度連絡しても相手から返事がない場合はどうすればよいですか?

    メール・電話で3回連絡しても反応がない場合は、内容証明郵便での正式な通知を検討してください。ただし法的手段は関係悪化のリスクもあるため、まずは相手の上司や別の部署経由での連絡を試みることをお勧めします。

    支払い遅延で取引停止になった場合の対処法は?

    取引停止通知を受けた場合、まず経営陣レベルでの謝罪と改善提案を行ってください。具体的な再発防止策、支払条件の変更(前払い等)、担保提供などの条件変更を提示し、関係修復の意思を明確に示すことが重要です。法的手段より話し合いでの解決を優先しましょう。

    まとめ

    支払い遅延のお詫びメールは、取引先との信頼関係を左右する重要なコミュニケーションツールです。適切な対応により、一時的なトラブルを長期的な信頼関係の構築につなげることができます。

    成功のための5つの必須ポイント
    ・遅延判明から1時間以内の迅速な初期対応
    ・具体的な支払日時と確実な実行による信頼回復
    ・法的要件を理解した適切な損害金対応
    ・メールと電話を組み合わせた丁寧なコミュニケーション
    ・支払完了後のフォローによる関係修復と再発防止

    支払い遅延は誰にでも起こり得るビジネスリスクです。しかし、この記事で紹介したテンプレートと手順に従って誠実に対応すれば、相手の理解を得られる可能性は十分にあります。

    最も重要なのは、問題を隠さずに迅速かつ正直に対応することです。相手の立場に立って考え、具体的な解決策を提示し、約束は必ず守る―この基本姿勢があれば、一時的なトラブルを乗り越えて、より強固な取引関係を築くことができるでしょう。

    今すぐ行動すべきこと
    ・この記事のテンプレートをブックマーク保存
    ・自社の支払管理体制を見直し
    ・取引先との契約書で遅延損害金条項を確認
    ・緊急時連絡先リストを整備

    参考文献・引用情報