学級閉鎖の案内文の書き方|緊急時でもコピペですぐ使えるテンプレート例文15選

学校・PTA

感染症の流行により学級閉鎖を実施する際、学校から保護者への迅速で正確な連絡が求められます。適切な案内文を作成することで、保護者の不安を軽減し、感染拡大防止に協力していただけます。本記事では、学校保健安全法に基づく法的根拠から実用的なテンプレートまで、学級閉鎖案内文の作成に必要なすべての情報をお届けします。

この記事で解決できること
・学級閉鎖案内文の正しい書き方と必要項目
・法的根拠に基づく適切な表現方法
・緊急時でもすぐに使える実用的なテンプレート
・保護者への配慮を考慮した文章構成
・学校現場で実際に使用されている文例

学級閉鎖案内文の法的根拠と基本原則

学級閉鎖は学校保健安全法第20条に基づく臨時休業措置として実施されます。同条では「学校の設置者は、感染症の予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる」と規定されています。

学級閉鎖の決定は校長が学校医と協議して判断し、学校設置者(教育委員会など)が正式に決定するのが一般的な流れです。案内文作成においても、この法的根拠を明記することで保護者の理解と協力を得やすくなります。

学級閉鎖の判断基準について
衛藤隆,中原俊隆編集『学校医・学校保健ハンドブック』(文光堂,2006)によると「欠席率が20%に達した場合は,学級閉鎖,学年閉鎖および学校閉鎖等の措置をとる場合が多い」とされています。ただし、感染症の種類や流行状況により、校長が学校医と相談して総合的に判断されます。

学級閉鎖案内文に必要な7つの要素

効果的な学級閉鎖案内文には、以下の要素を含める必要があります。これらを漏れなく記載することで、保護者が適切に対応できる案内文となります。

  1. 閉鎖対象と期間の明示
    対象学級、開始日時、終了予定日時を最初に明記します。保護者が一目で状況を把握できるよう、件名にも含めることが重要です。
  2. 閉鎖理由と法的根拠
    感染症名を明記し、学校保健安全法に基づく措置であることを記載します。校医や学校設置者との協議により決定したことも併せて記載しましょう。
  3. 再開判断の予定
    いつ、どのような方法で再開の判断と連絡を行うかを具体的に記載します。保護者の不安軽減と適切な準備のために必要な情報です。
  4. 家庭での過ごし方
    不要不急の外出自粛、健康観察の実施など、家庭で留意していただきたい事項を具体的に記載します。
  5. 学習指導の配慮
    家庭学習課題の配布方法や学習の遅れに対する配慮について記載します。保護者の教育への不安を軽減する重要な要素です。
  6. 健康管理のお願い
    症状がある場合の受診、出席停止期間の遵守など、感染拡大防止のための協力をお願いします。
  7. 連絡先と問い合わせ方法
    担当者名、電話番号、受付時間を明記し、保護者が相談できる体制を整えていることを示します。

緊急時対応|当日朝の学級閉鎖お知らせテンプレート

感染症の急速な拡大により、当日朝に学級閉鎖を決定する場合の緊急対応テンプレートです。簡潔ながら必要な情報を網羅した内容となっています。

令和○年○月○日

保護者各位

○○小学校
校長 ○○○○

【緊急】○年○組学級閉鎖のお知らせ

○年○組において感染症による欠席者が増加したため、校医と協議の上、下記の通り学級閉鎖を実施いたします。

■学級閉鎖について
対象学級:○年○組
期  間:○月○日(○)~○月○日(○)
根  拠:学校保健安全法第20条に基づく臨時休業措置

■本日の対応
・給食終了後、13時30分頃下校予定
・学習用具等は持参させます

■家庭でのお願い
・不要不急の外出は控えてください
・毎日の健康観察(検温等)を実施してください
・発熱等の症状がある場合は医療機関を受診してください

■学習について
・家庭学習課題は本日配布いたします
・追加の課題は学校ホームページに掲載予定です

■再開について
・○月○日(○)午前8時に判断し、メール配信いたします
・判断は校医の助言を踏まえて行います

■お問い合わせ
学年主任:○○ 電話:○○○-○○○○-○○○○

ご理解とご協力をお願いいたします。

計画的実施|前日配布の学級閉鎖予告テンプレート

翌日からの学級閉鎖を前日に通知する場合のテンプレートです。保護者が準備時間を確保できるよう、詳細な情報を含んでいます。

令和○年○月○日

保護者の皆様

○○小学校
校長 ○○○○
学年主任 ○○○○

○年○組学級閉鎖実施のお知らせ

平素より本校の教育活動にご理解とご協力を賜り、
誠にありがとうございます。

○年○組におきまして、○○による欠席者が○名に達し、
校医ならびに○○教育委員会と協議した結果、
感染拡大防止のため下記の通り学級閉鎖を実施いたします。

記

■学級閉鎖の概要
対象学級:○年○組(他学級は通常通り授業を行います)
実施期間:○月○日(○)~○月○日(○)
法的根拠:学校保健安全法第20条による臨時休業措置

■家庭での過ごし方
1 外出について
  ・不要不急の外出は控えてください
  ・やむを得ない外出の際はマスクを着用してください
  
2 健康管理について
  ・毎朝の検温と体調チェックを実施してください
  ・発熱、咳、のどの痛み等の症状がある場合は
   すぐに医療機関を受診してください
  ・受診結果は学校までご連絡ください

3 学習について
  ・本日持ち帰りました課題に取り組んでください
  ・追加課題は学校ホームページに○月○日掲載予定です
  ・課題の提出は登校再開後に行います

■登校再開について
・○月○日(○)午前8時に実施可否を判断いたします
・判断結果は午前8時30分までにメール配信いたします
・判断基準は校医の助言と欠席状況を総合的に考慮します

■その他
・部活動は閉鎖期間中参加できません
・学童保育につきましては別途ご相談ください
・ご不明な点は下記までお問い合わせください

■お問い合わせ先
学年主任:○○○○ 電話:○○○-○○○○-○○○○
受付時間:平日8時30分~17時

急な対応となりご迷惑をおかけいたしますが、
感染拡大防止のため、ご理解とご協力をお願いいたします。

○○小学校長 ○○○○

延長・解除決定|学級閉鎖期間変更のお知らせテンプレート

当初の予定から学級閉鎖期間を延長、または早期解除する場合のテンプレートです。変更理由を明確に記載し、保護者の理解を得ることが重要です。

令和○年○月○日

○年○組保護者の皆様

○○小学校
校長 ○○○○

学級閉鎖【期間延長】のお知らせ

○年○組の学級閉鎖につきまして、感染状況を校医と協議した結果、
下記の通り期間を延長いたします。

■期間延長について
【変更前】○月○日(○)まで
【変更後】○月○日(○)まで(○日間延長)

■延長の理由
・家庭内感染による新たな発症者の報告
・潜伏期間を考慮した安全性の確保
・校医による感染拡大防止の助言

■延長期間中のお願い
・引き続き外出を控え、自宅で過ごしてください
・体調に変化がある場合は医療機関を受診してください
・学習課題の追加分を学校ホームページに掲載いたします

■次回判断予定
・○月○日(○)午前8時に再度判断いたします
・結果は午前8時30分までにお知らせいたします

ご迷惑をおかけいたしますが、児童の安全を最優先に
判断いたしましたことをご理解ください。

お問い合わせ:学年主任○○(○○○-○○○○-○○○○)

中学校・高校向け|体育祭前の学級閉鎖テンプレート

学校行事を控えた時期の学級閉鎖では、行事への影響についても言及する必要があります。中学校・高校向けのテンプレート例です。

令和○年○月○日

○年○組保護者の皆様

○○中学校
校長 ○○○○

学級閉鎖実施と体育祭に関するお知らせ

○年○組において感染症の拡大が確認されたため、
下記の通り学級閉鎖を実施いたします。

■学級閉鎖について
期間:○月○日(○)~○月○日(○)
根拠:学校保健安全法第20条に基づく措置

■体育祭への参加について
・現時点では予定通り○月○日実施予定です
・○年○組の参加可否は○月○日(○)に最終判断いたします
・参加できない場合の代替措置については別途ご連絡いたします

■家庭での健康管理
・毎日の体温測定と体調管理を徹底してください
・少しでも体調不良を感じた場合は医療機関を受診してください
・部活動への参加は閉鎖期間中停止といたします

■学習について
・定期考査の日程については影響ありません
・授業の遅れについては登校再開後に配慮いたします

体育祭を楽しみにされていた生徒・保護者の皆様には
ご迷惑をおかけいたしますが、安全を最優先に判断
いたしましたことをご理解ください。

○○中学校長 ○○○○
学年主任   ○○○○

幼稚園・保育園向け|やさしい表現のテンプレート

幼稚園や保育園では、保護者にとって理解しやすい表現を心がけることが重要です。やさしい文調のテンプレート例です。

令和○年○月○日

うさぎ組の保護者の皆様

○○幼稚園
園長 ○○○○

うさぎ組のクラス閉鎖について

いつもお世話になっております。

うさぎ組でかぜをひいているお友達が増えてきました。
園医の先生と相談した結果、みんなが元気になるまで
しばらくお休みすることになりました。

■お休みの期間
○月○日(○)から○月○日(○)まで

■お家での過ごし方
・お外に出るのは少しにして、お家で静かに過ごしてください
・毎日体温を測って、体調をチェックしてください
・熱が出たり、咳が出たりしたら病院に行ってください

■お勉強について
・お家でできる課題をお渡しします
・絵本を読んだり、お絵描きをしたりして過ごしてください

■登園について
・○月○日(○)の朝に決めて、メールでお知らせします
・元気になったら、また楽しく遊びましょう

お子様やご家族の皆様にはご迷惑をおかけしますが、
みんなの健康を守るための大切なお休みです。
ご理解とご協力をお願いいたします。

ご質問がありましたら、いつでもお電話ください。
○○幼稚園 ○○○-○○○○-○○○○

学級閉鎖中の保護者対応マニュアル

学級閉鎖中は保護者から多くの問い合わせが寄せられます。よくある質問と適切な回答をまとめておくことで、統一した対応が可能になります。

よくある質問 標準的な回答 追加説明
うちの子は元気だが外出してもよいか 不要不急の外出は控えてください 感染の潜伏期間を考慮し、感染拡大防止のため
習い事は行ってもよいか 各家庭の判断ですが控えることを推奨 習い事先にも事情を説明し相談を
きょうだいは通常通り登校してよいか 症状がなければ通常通り登校可能 ただし健康観察を注意深く実施
授業の遅れはどうなるか 登校再開後に補習等で対応予定 具体的な計画は後日お知らせ

メール配信システム活用のポイント

現在多くの学校で導入されているメール配信システムを効果的に活用するためのポイントをご紹介します。緊急時の迅速な情報伝達に欠かせない機能です。

効果的なメール配信のコツ
件名は「【緊急】学級閉鎖のお知らせ」など、緊急度を明示しましょう。本文は簡潔に要点をまとめ、詳細は別途配布物やホームページで補完します。配信時間は保護者が確認しやすい時間帯を選び、必要に応じて複数回の配信も検討してください。

感染症別の対応ポイント

感染症の種類により、出席停止期間や注意点が異なります。学校保健安全法施行規則に基づく主要な感染症別の対応ポイントをまとめました。

感染症 出席停止期間 案内文での注意点
インフルエンザ 発症後5日経過し、かつ解熱後2日経過まで(幼児は3日) 解熱剤使用中は解熱とみなさない
新型コロナウイルス 発症後5日経過し、かつ症状軽快後1日経過まで 症状軽快の判断基準を明確に
溶連菌感染症 適正な抗菌薬治療開始後24時間経過まで 医師の診断と治療開始の確認
感染性胃腸炎(ノロウイルス等) 症状消失し医師が感染のおそれなしと認定 手洗いの徹底と食品衛生への注意

共働き家庭への配慮

共働き家庭の増加により、学級閉鎖は家庭に大きな影響を与えます。案内文では以下の配慮を含めることで、保護者の不安を軽減できます。

共働き家庭への配慮ポイント
・学童保育の利用可否について明記
・祖父母等への協力依頼時の注意点
・在宅勤務やシッターサービス利用への理解
・緊急連絡先の確保のお願い
・子どもの一人留守番時の安全確認方法

学習支援の具体的方法

学級閉鎖中の学習の遅れは保護者の大きな心配事です。具体的な学習支援方法を案内文に含めることで、教育への配慮を示せます。

■学習支援について

1 課題配布
 ・本日お配りした課題プリント
 ・学校ホームページ掲載の追加課題(○月○日更新予定)
 ・教科書の該当ページ(国語p.○○、算数p.○○)

2 オンライン学習
 ・○○学習システムを活用してください
 ・ログイン方法は別紙でお知らせします
 ・接続できない場合は学校までご連絡ください

3 学習相談
 ・電話での学習相談を受け付けます
 ・受付時間:平日10時~16時
 ・担当:各教科担任

4 登校再開後の対応
 ・補習授業を○月○日から実施予定
 ・個別指導が必要な場合は個別に対応します

緊急時の連絡体制

学級閉鎖中も学校と保護者の連絡体制を確保することが重要です。効果的な連絡体制の構築方法をご説明します。

24時間対応の連絡体制
緊急時は管理職の携帯電話への転送システムを活用し、土日祝日も含めた連絡体制を整備しましょう。ただし、一般的な問い合わせは平日の受付時間内に限定することで、教職員の負担軽減も図れます。

よくある質問

学級閉鎖の判断基準はどのように決められているのですか?

学校保健安全法第20条に基づき、校長が学校医と協議して判断します。法律上明確な数値基準はありませんが、衛藤隆,中原俊隆編集『学校医・学校保健ハンドブック』(文光堂,2006)によると「欠席率が20%に達した場合は,学級閉鎖,学年閉鎖および学校閉鎖等の措置をとる場合が多い」とされています。感染症の種類や地域の流行状況を総合的に考慮して決定されます。

学級閉鎖中の子どもの過ごし方で注意すべきことは?

不要不急の外出を控え、自宅で静かに過ごすことが基本です。毎日の健康観察(体温測定等)を実施し、症状がある場合は医療機関を受診してください。習い事や塾については、各家庭の判断ですが、感染拡大防止の観点から控えることを推奨しています。

きょうだいが別の学級にいる場合の対応は?

症状がない限り、他の学級のきょうだいは通常通り登校できます。ただし、より注意深い健康観察を実施し、少しでも体調に変化があれば登校を見合わせることが重要です。家庭内感染のリスクを考慮した慎重な判断が求められます。

学級閉鎖の期間はどのように決められるのですか?

感染症の潜伏期間や流行状況を考慮し、校医の助言を基に決定されます。一般的には2~5日間が多く、状況に応じて延長することもあります。期間の延長や短縮については、その都度保護者に連絡いたします。

学級閉鎖中の学習の遅れはどのように対応されますか?

家庭学習課題の配布、オンライン学習システムの活用、登校再開後の補習授業などで対応します。個別の学習支援が必要な場合は、担任教師が個別に対応いたします。学習の遅れについては十分に配慮し、子どもたちが安心して学習に取り組めるよう支援します。

案内文を作成する際の注意点は何ですか?

法的根拠の明記、対象学級と期間の明確化、家庭での過ごし方の具体的指示、連絡先の明記が重要です。また、保護者の不安を軽減するよう配慮し、簡潔で分かりやすい表現を心がけてください。緊急時でも必要な情報を漏れなく記載することが大切です。

まとめ

学級閉鎖案内文は、感染拡大防止と保護者への適切な情報提供という重要な役割を担っています。学校保健安全法第20条に基づく法的根拠を明記し、必要な要素を漏れなく含めることで、保護者の理解と協力を得られる効果的な案内文を作成できます。

緊急時でも冷静に対応できるよう、あらかじめテンプレートを準備し、必要に応じてカスタマイズして使用することをお勧めします。子どもたちの健康と安全を最優先に、学校と家庭が連携して感染拡大防止に取り組むことが何より重要です。

学級閉鎖案内文作成の要点
法的根拠に基づく適切な判断と迅速な情報共有により、保護者の不安を軽減し、効果的な感染拡大防止が実現できます。本記事のテンプレートを参考に、各学校の実情に応じた案内文を作成し、子どもたちの健やかな学校生活を支えていきましょう。

参考文献・引用情報