価格表送付メールの書き方完全ガイド|件名・テンプレート例文・添付の注意点を解説

ビジネス連絡

「価格表を送ったのに全然返事がない…」「メールに添付した価格表、本当に見てもらえてるのかな?」「税込・税抜どっちで書けばいいの?」

価格表送付メールで、こんな悩みを抱えていませんか?

実は、価格表メールで失敗する人の多くが「相手の立場」を考えていません。受信者は、あなたのメールを見て「この価格表は何のサービスで、いくらで、いつまで有効なのか」を瞬時に判断したいのです。

しかし、件名が曖昧だったり、税込・税抜の表示が不明確だったり、有効期限が書いていなかったりすると、相手は「後で確認しよう」と思ってそのまま忘れてしまいます。

この記事では、価格表メールで絶対に失敗しない方法を具体的に解説します。件名の書き方から添付ファイルの作り方、法的な注意点まで、コピペで使えるテンプレート付きでお伝えします。記事を読み終えれば、相手に「分かりやすい」と思ってもらえる価格表メールが確実に送れるようになります。

なぜ価格表メールで失敗するのか

価格表メールでよくある失敗は、相手の立場を考えていないことです。受信者は価格表を見て判断・検討・上司への報告をする必要があります。

価格表メール失敗の3大原因
・件名があいまいで重要度が伝わらない
・税込・税抜の表示が不明確で混乱を招く
・有効期限や条件の記載が不十分で後でトラブルになる

失敗しない価格表メールの型

以下の3つの原則を守れば、価格表メールで失敗することはありません。

失敗しない価格表メール3原則
・件名:【価格表送付】+商品名で一目でわかる
・本文:箇条書きで要点整理(税込価格・期限・窓口を明記)
・添付:PDF形式で改ざん防止・閲覧性を確保

今すぐ使える基本テンプレート

コピペで使える基本形です。○○を自社情報に変更するだけで使用できます。

件名:【価格表送付】○○サービス(有効期限:12/31まで)

○○株式会社
営業部 ○○様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の△△です。

ご依頼いただきました○○の価格表をお送りいたします。

■価格表の内容
・対象:○○スタンダード/プロプラン
・価格:月額10,000円(税抜)/11,000円(税込)
・最小契約:12か月
・有効期限:2025年12月31日

■添付資料
・価格表(PDF)
・サービス詳細資料

ご検討いただき、○月○日までに候補プランをお聞かせください。
ご質問は下記までお気軽にどうぞ。

株式会社△△ 営業部
△△ △△
TEL:03-0000-0000(直通)
Email:sales@example.co.jp

状況別件名テンプレート

件名は受信者が優先度を判断する重要な要素です。状況に合わせて使い分けてください。

状況 件名例 ポイント
通常送付 【価格表送付】○○サービス(有効期限:12/31まで) 期限を必ず明記
初回提案 【ご提案】○○サービス価格表+導入提案書 提案であることを明示
価格改定 【重要・価格改定】新価格表のご案内(4/1適用) 重要性と適用日を強調
再送・催促 【再送】価格表のご案内(ご確認のお願い) 丁寧な表現で催促
特別条件 【限定条件】特別価格表のご提供(要秘密管理) 機密性を明示

状況別メール文例

初回営業での提案

件名:【ご提案】○○システム価格表+導入提案書

○○株式会社
情報システム部 ○○様

初めてご連絡いたします。
株式会社△△の△△と申します。

先日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。
ご相談いただいた業務効率化の件で、価格表と提案書をお送りします。

■ご提案の概要
・対象システム:○○業務管理システム
・想定ユーザー:50名
・月額費用:50,000円(税抜)/55,000円(税込)
・初期費用:500,000円(税抜)/550,000円(税込)
・導入期間:約3か月

■特典
・今月末までのお申込みで初期費用20%割引
・導入サポート3か月無償

○月○日までにご検討いただき、ご質問やご要望をお聞かせください。
詳細なお見積書もご用意いたします。

株式会社△△ 営業部
△△ △△
TEL:03-0000-0000
Email:sales@example.co.jp

価格改定の通知

件名:【重要・価格改定】新価格表のご案内(4/1適用開始)

○○株式会社
○○部 ○○様

日頃より格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
株式会社△△の△△です。

誠に申し上げにくいお知らせですが、価格を改定させていただきます。

■改定の内容
・実施日:2025年4月1日
・対象:全プランの基本料金
・改定幅:月額1,100円(税込)の値上げ
・理由:原材料費・人件費の高騰
・経過措置:3月末までのご契約は現行価格を6か月間適用

お客様にはご負担をおかけしますが、サービス品質の維持・向上のため、何卒ご理解をお願いいたします。

詳細は添付の新価格表をご確認ください。
ご質問は遠慮なくお申し付けください。

株式会社△△ 営業部
△△ △△
TEL:03-0000-0000
Email:sales@example.co.jp

特別条件での提案

件名:【限定条件】特別価格表のご提供(要秘密管理)

○○株式会社
○○部 ○○様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の△△です。

ご相談いただいた件で、貴社限定の特別条件をご提案いたします。

■重要なお願い
・本資料は機密情報です
・社外への持ち出しはご遠慮ください
・有効期限:○月○日 17:00まで

■特別条件
・年間契約で標準価格から15%割引
・導入費用50万円→無償
・専任サポート1年間無償

この条件は貴社のみへの特別提案です。
○月○日までにお返事をお聞かせください。

株式会社△△ 営業部
△△ △△
TEL:03-0000-0000
Email:sales@example.co.jp

フォローアップ・確認

件名:【確認】価格表のご検討状況について

○○株式会社
○○部 ○○様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の△△です。

先日お送りした価格表の件でご連絡いたします。

ご検討状況はいかがでしょうか。
ご不明点やご要望がございましたら、お気軽にお聞かせください。

お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

株式会社△△ 営業部
△△ △△
TEL:03-0000-0000
Email:sales@example.co.jp

価格表に必ず入れる項目

価格表に以下の項目がないと、後でトラブルになる可能性があります。

価格表必須項目チェックリスト
・商品・サービス名と詳細
・単価(税抜・税込・適用税率10%)
・最小契約数量・契約期間
・有効期限(○月○日まで)
・支払条件(締日・支払期日・手数料)
・問い合わせ先(担当者・電話・メール)

税込表示のルール

価格表示には法的なルールがあります。間違えるとトラブルの原因になります。

国税庁の総額表示義務
消費者向けの価格表示は、税込価格(総額)での表示が義務付けられています。違反すると景品表示法により行政指導の対象となります。BtoB取引でも税込・税抜を併記すると安全です。

表示例

取引相手 適切な表示例 注意点
消費者(BtoC) 月額1,100円(税込) 税込価格の明示が必須
事業者(BtoB) 月額1,000円(税抜)/1,100円(税込) 併記で誤解を防止
官公庁 月額1,000円(税抜) 税抜表示が一般的

添付ファイルの正しい作り方

ファイル形式の選び方

価格表の添付ファイルは、相手が正確に内容を確認できることが最重要です。

形式 メリット デメリット おすすめ度
PDF 改ざん困難・どの環境でも同じ表示 編集には専用ソフトが必要
Excel 計算確認可能・編集しやすい バージョンで表示が変わる可能性
Word 作成が簡単 レイアウト崩れのリスク

セキュリティ対策

2020年11月に内閣府がPPAP(パスワード付きZIP)の廃止を発表しました。機密レベルに応じた対策が必要です。

機密レベル 対策方法 適用例
一般 PDF直接添付 標準価格表
注意 パスワード付きPDF 割引価格表
機密 クラウドの限定リンク 特別条件価格表
極秘 専用システム・多要素認証 大口案件の個別見積

電子帳簿保存法の対応

2024年1月から、メールでの価格表送受信は「電子取引」として保存義務があります。

保存が義務化されました
メール添付やダウンロードでの価格表授受は、電子帳簿保存法の「電子取引」に該当します。2024年1月1日から電子データでの保存が完全義務化され、違反すると税務調査で指摘を受ける可能性があります。

具体的な対応方法

最低限必要な対応
・電子データのまま保存(印刷保存は不可)
・ファイル名に日付・金額・取引先名を含める
・検索できるシステムまたはフォルダ管理
・改ざん防止措置(タイムスタンプまたは規程作成)

業界別の注意点

製造業

仕様変更による価格変動、ロット数による単価差、納期と価格の関係を明記します。材料費変動条項も検討してください。

IT・ソフトウェア業界

ユーザー数による従量課金、機能制限の詳細、年額割引条件、サポート範囲を明確にします。

サービス業

時間単価、出張費、追加作業の料金体系、キャンセル条件を記載します。

小売・卸売業

数量割引、決済条件、返品条件、配送費の扱いを明確にします。

よくある失敗例と対策

失敗例 なぜ起こるか 正しい対策
価格表メールが見落とされる 件名が曖昧 【価格表送付】を冒頭に、商品名を明記
期限切れ後に連絡が来る 有効期限が不明確 「○月○日 17:00まで」と具体的に記載
税込・税抜で認識相違 表示方法が統一されていない 税込・税抜価格を必ず併記
添付ファイルが開かない ファイル形式やサイズの問題 PDF形式・適切なサイズで作成
条件の解釈で揉める 前提条件の記載不足 契約期間・支払条件・変更条件を明記

送信前の最終チェック

  • 件名に【価格表送付】と商品名・期限を記載済み
  • 宛先の会社名・部署名・氏名が正確
  • 税込・税抜価格を併記(適用税率も記載)
  • 有効期限が「○月○日 17:00まで」で明確
  • 最小契約数量・契約期間を記載
  • 支払条件(締日・支払期日)を記載
  • 問い合わせ先(担当者・電話・メール)を記載
  • 添付ファイルがPDF形式で適切なサイズ
  • 機密レベルに応じたセキュリティ対策を実施
  • 誤字脱字の最終確認
  • 送信後のフォローアップ

    価格表を送った後の適切なフォローアップで成約率が大きく変わります。

    効果的なフォローアップスケジュール
    ・送信から3日後:受信確認(必要に応じて)
    ・1週間後:検討状況の確認
    ・有効期限3日前:期限のリマインド
    ・期限後:新しい条件での再提案

    送信タイミングの最適化

    価格表送付の成功率を高めるため、以下のタイミングを意識してください。

    最適な送信タイミング
    ・曜日:火曜日~木曜日(月曜日と金曜日は避ける)
    ・時間:午前10時~11時、午後2時~4時
    ・月:月末・月初は避け、中旬が理想的
    ・季節:年度末(3月)・夏季休暇・年末年始は避ける

    企業規模別のアプローチ

    企業規模 アプローチ方法 注意点
    大企業 詳細な比較資料・導入実績・セキュリティ証明書を添付 稟議プロセスが長期化することを考慮
    中小企業 コストパフォーマンス・導入の簡単さを強調 迅速な意思決定を期待できる
    スタートアップ 成長に応じたスケーラビリティ・初期割引を提案 予算制約が厳しいが柔軟性がある
    官公庁 仕様書への適合性・コンプライアンス対応を明記 入札プロセスに準拠した対応が必要

    よくある質問

    なぜExcelではなくPDFで送るのが良いのですか?

    PDFは改ざんが困難で、どの環境でも同じ表示になるためです。Excelは編集可能なため、意図しない変更や数式の破損リスクがあります。重要な商談では信頼性を重視してPDFを選択してください。

    税抜価格だけを記載しても問題ありませんか?

    相手が消費者の場合、国税庁により税込価格(総額表示)が義務付けられています。事業者相手でも認識違いを防ぐため、税込・税抜を併記することを強く推奨します。

    PPAPの代わりにどんなセキュリティ対策をすれば良いですか?

    内閣府がPPAP廃止を発表したため、クラウドストレージの限定リンク、多要素認証システム、または暗号化メールシステムの利用が推奨されています。機密レベルに応じて選択してください。

    メールで送った価格表の保存は必要ですか?

    必要です。2024年1月から電子帳簿保存法により、電子取引データの保存が完全義務化されました。メールでの価格表送受信も対象となり、適切な要件で保存しなければなりません。

    機密価格表を送る時の注意点は何ですか?

    件名と本文に「機密」「社外秘」を明記し、第三者提供の禁止、有効期限の設定、適切なアクセス権限管理が必要です。重要な案件では秘密保持契約の締結も検討してください。

    価格改定メールはいつ頃送るべきですか?

    改定実施の1~3か月前が適切です。取引先の検討・社内調整・予算確保の時間を考慮してください。重要な変更の場合は、メールに加えて電話や対面での説明も併用することを推奨します。

    まとめ

    価格表送付メールは、件名・本文・添付の3要素を適切に組み合わせることで、相手に迷いなく判断してもらえます。

    価格表メール成功の5原則
    ・件名で内容と緊急度を瞬時に伝える
    ・税込・税抜を併記して認識相違を防ぐ
    ・有効期限と条件を明確に記載する
    ・機密レベルに応じたセキュリティ対策を選択する
    ・電子帳簿保存法の要件に適合した管理を行う

    これらのポイントを守ることで、取引先との信頼関係を築き、スムーズな商談進行を実現できます。

    参考文献・引用情報