朝起きて「熱が出ている…」「頭痛がひどい…」そんな時、会社への連絡で「何と言えばいいんだろう」と悩んだ経験はありませんか。体調不良での連絡は、誰にとっても気が重いものですが、適切な伝え方を知っていれば、相手にも理解してもらいやすくなります。
体調不良の連絡で大切なのは、相手に必要な情報を的確に伝えながら、業務への影響を最小限に抑える配慮を示すことです。この記事では、「挨拶・謝罪→症状→対応方針→業務調整→復帰予定」の5つのステップを基本として、電話・メール・チャットツールで使える具体的なテンプレートをご紹介します。
・体調不良連絡の基本的な流れと必要な要素
・電話・メール・Slackなど手段別のテンプレート
・発熱・頭痛・腹痛など症状別の適切な表現方法
・感染症が疑われる場合の対応と配慮
・欠勤・遅刻・早退・在宅勤務への切り替え方法
体調不良の連絡の基本5ステップ
体調不良の連絡には、相手が判断に必要な情報を漏れなく、かつ簡潔に伝える型があります。体調が悪い時でも、この5つのステップを意識することで、適切な連絡ができます。
- 挨拶と謝罪の気持ちを最初に伝える
「おはようございます」「急なご連絡で申し訳ございません」など、基本的な挨拶と謝罪から始めます。 - 症状を簡潔に説明する
発熱の度数、主な症状など、勤務可否の判断に必要な事実を1〜2文で伝えます。詳細な病状は不要です。 - 対応方針を明確に示す
欠勤、遅刻、早退、在宅勤務への切り替えなど、具体的な対応方針を伝えます。 - 業務への影響と調整を説明する
当日の予定や担当業務について、代行依頼や調整方法を伝えます。 - 復帰予定と今後の連絡について示す
「明日までに再度連絡します」「受診後に報告します」など、今後の見通しを伝えます。
電話での体調不良の連絡テンプレート
電話は最も確実で緊急性を伝えやすい連絡手段です。声の調子からも体調の深刻さが伝わりやすいため、基本的には電話での連絡が推奨されます。
発熱による欠勤の場合
おはようございます。○○です。 急なご連絡で申し訳ございません。 昨夜から38度2分の熱があり、 本日は欠勤させていただきます。 本日予定していた○○会議については、 △△さんに資料共有をお願いしております。 病院を受診後、明日の出社予定について 改めてご連絡いたします。 ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
頭痛による遅刻の場合
おはようございます。○○です。 朝から激しい頭痛があり、 10時30分頃の出社になります。 9時からの定例会議は 議事録で後ほど確認いたします。 薬を飲んで様子を見ておりますが、 症状が改善しない場合は 再度ご連絡いたします。
咳症状による在宅勤務への切り替え
おはようございます。○○です。 咳と軽い喉の痛みがあり、 周囲への配慮として 本日は在宅勤務に切り替えさせてください。 14時からのお客様との面談は オンラインでの対応に変更し、 先方には私から連絡いたします。 本日は○○の資料作成を中心に 進める予定です。
メールでの体調不良の連絡テンプレート
メールは記録として残り、詳細な情報を整理して伝えられる利点があります。緊急性が高い場合は電話を優先し、メールは補完的に使用することをおすすめします。
件名の例
- 【緊急】体調不良による欠勤のご連絡(○○)
- 【本日の勤務】体調不良のため遅刻のご連絡(○○)
- 【勤務方法変更】体調不良による在宅勤務のお願い(○○)
基本的なメールテンプレート
○○部長 ○○様 おはようございます。○○です。 急なご連絡で申し訳ございません。 【症状の説明】により、 本日は【欠勤/遅刻/在宅勤務】とさせていただきます。 【業務への影響と対応】 ・○時からの会議:△△さんに資料共有済み ・お客様との面談:私から日程調整のご連絡 ・急ぎの案件:□□の件のみ優先対応予定 【復帰予定・今後の連絡】 受診後、明日の出社について再度ご連絡いたします。 ご迷惑をおかけして申し訳ございません。 何かございましたらお電話ください。 ○○
チャットツールでの体調不良の連絡テンプレート
Slack・Teamsなどのチャットツールは迅速な連絡と、チーム全体への情報共有に適しています。ただし、重要な連絡の見落としを防ぐため、上司への個別連絡も併用することをおすすめします。
上司への個別メッセージ
おはようございます。 体調不良のため本日は欠勤いたします。 詳細はメールでお送りしました。 緊急の場合はお電話でご連絡ください。 申し訳ございません。
チーム全体への連絡
@channel おはようございます。 体調不良のため本日は在宅勤務に切り替えます。 対面予定の方は個別にご連絡いたします。 チャットでの連絡は通常通り対応可能です。 ご迷惑をおかけします。
症状別の適切な表現方法
症状を伝える際は、勤務可否の判断に必要な情報を簡潔に伝えることが大切です。病名の自己診断は避け、客観的な症状を伝えましょう。
症状 | 適切な表現例 | 注意点 |
---|---|---|
発熱 | 「38度の熱があります」「37度8分の発熱と悪寒があります」 | 具体的な体温を伝える |
頭痛 | 「激しい頭痛があります」「頭痛がひどく集中できません」 | 業務への影響度を含める |
腹痛・嘔吐 | 「腹痛と吐き気があります」「胃腸の調子が悪く」 | 感染性の可能性に配慮 |
咳・喉の痛み | 「咳と喉の痛みがあります」「咳が止まらず」 | 周囲への感染リスクを考慮 |
めまい・立ちくらみ | 「めまいがひどく立っていられません」「立ちくらみが続いています」 | 安全面での懸念を伝える |
体調不良全般 | 「体調が優れず」「全身の倦怠感があります」 | 具体的な症状があれば併記 |
感染症が疑われる場合の対応
発熱や咳などの症状がある場合、感染症の可能性を考慮した対応が求められます。特に新型コロナウイルス感染症については、適切な配慮が重要です。
厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症の5類移行後、発症後5日間は外出を控えること、5日目に症状が続いている場合は、熱が下がり症状が軽快してから24時間程度経過するまで外出を控えることを推奨しています。法的な外出自粛義務はありませんが、周囲への配慮として重要です。
感染症疑いの場合の連絡例
おはようございます。○○です。 発熱と咳の症状があり、 感染症の可能性も考慮して 本日は出社を控えさせていただきます。 本日は在宅で対応可能な業務を行い、 対面予定のお客様には 私から日程変更のご連絡をいたします。 医療機関を受診し、 症状の経過を見て復帰時期をご相談いたします。 ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
欠勤・遅刻・早退・在宅勤務の使い分け
体調不良の程度や症状に応じて、最適な対応方法を選択することが重要です。それぞれの特徴と適用場面を理解しておきましょう。
対応方法 | 適用場面 | 連絡時のポイント |
---|---|---|
欠勤 | 高熱、激しい症状、感染症疑い | 復帰予定の見通しを伝える |
遅刻 | 軽い症状、薬で改善見込み | 具体的な到着時刻を伝える |
早退 | 勤務中の症状悪化 | 残り業務の引き継ぎを明確に |
在宅勤務 | 軽症、感染リスク配慮、集中力低下 | 実施予定業務を具体的に |
よくある失敗例と改善方法
体調不良の連絡では、症状の辛さから適切な連絡ができないことがあります。以下のような失敗例を避け、相手に配慮した連絡を心がけましょう。
NG例 | 問題点 | 改善方法 |
---|---|---|
「体調が悪いので休みます」だけ | 情報不足で判断ができない | 症状、復帰予定、業務調整を含める |
病状の詳細すぎる説明 | 不要な情報で要点が伝わらない | 勤務可否に必要な症状のみ伝える |
曖昧な表現「なんとなく調子が…」 | 深刻度が伝わらない | 具体的な症状を簡潔に説明 |
始業時刻を過ぎてからの連絡 | 業務調整が後手になる | 体調不良が分かった時点で即連絡 |
業務の調整を相手任せ | 相手に負担をかける | 可能な範囲で代案や調整案を提示 |
復帰時の連絡とフォローアップ
体調が回復して職場に復帰する際の連絡も重要です。適切なタイミングと内容で復帰の意思を伝えましょう。
復帰連絡のテンプレート
○○部長 ○○様 お疲れさまです。○○です。 昨日はお休みをいただき、 ありがとうございました。 体調が回復しましたので、 明日から通常通り出社いたします。 休業中にお預かりいただいた業務は 優先的に対応いたします。 ご迷惑をおかけしましたが、 今後ともよろしくお願いいたします。 ○○
復帰時の注意点
- 完全に回復してから復帰する
無理な復帰は再発のリスクがあり、周囲にも迷惑をかけることになります。 - 感染症の場合は配慮期間を守る
新型コロナウイルス感染症の場合、発症後10日間程度は周囲への配慮が推奨されています。 - 業務のキャッチアップを計画的に行う
休業中の業務状況を確認し、優先度を整理して取り組みます。
よくある質問
電話とメール、どちらで連絡すべきですか?
基本的には電話での連絡が推奨されます。緊急性が伝わりやすく、相手からの質問にもその場で答えられるためです。ただし、声が出ない場合や深夜・早朝の場合は、メールやチャットツールで先に連絡し、「後ほど電話いたします」と付け加えると良いでしょう。
どの程度詳しく症状を説明すべきですか?
勤務可否の判断に必要な範囲で簡潔に伝えることが大切です。発熱の場合は具体的な体温、その他の症状は業務への影響度を含めて1〜2文で説明しましょう。病名の自己診断や詳細な病状説明は避けてください。
咳だけの症状でも休むべきですか?
周囲への感染リスクを考慮して判断することが重要です。軽い咳でも、感染症の可能性がある場合は在宅勤務への切り替えや休暇を検討しましょう。特に、お客様対応や会議が多い日は、周囲への配慮として出社を控えることをおすすめします。
在宅勤務に切り替える場合の連絡で注意すべき点は?
実施予定の業務内容を具体的に伝えることが重要です。「資料作成」「メール対応」「オンライン会議参加」など、在宅でも継続できる業務を明確にし、対面予定があった場合の調整方法も併せて連絡しましょう。
体調不良が数日続く場合の連絡頻度は?
毎日の状況報告が基本です。「明日までに再度連絡します」として、翌日の朝に体調と出社予定について連絡しましょう。3日以上続く場合は、医師の診断書や診察結果を含めて報告すると、より適切な判断ができます。
LINEやSNSでの連絡は適切ですか?
会社の方針や慣習によって判断が分かれます。公式な連絡手段として認められている場合は問題ありませんが、重要な連絡の見落としを防ぐため、電話やメールでの補完連絡も検討しましょう。不安な場合は、正式な連絡手段を使用することをおすすめします。
体調不良の連絡のチェックリスト
連絡前に以下の項目を確認し、必要な情報が揃っているかチェックしましょう。
□ 挨拶と謝罪から始めている
□ 症状を簡潔に説明している
□ 対応方針(欠勤/遅刻/早退/在宅)を明確にしている
□ 当日の業務や予定への対応を示している
□ 復帰予定や今後の連絡について伝えている
□ 適切な連絡手段を選択している
□ 感染症疑いの場合は周囲への配慮を示している
□ 緊急連絡先を相手に伝えている
まとめ
体調不良の連絡は、働く上で避けられない場面の一つです。しかし、適切な方法で行うことで、相手の理解を得ながら、自分の体調回復に専念することができます。
大切なのは、迅速性・明確性・配慮の3つを兼ね備えた連絡を心がけることです。「挨拶・謝罪→症状→対応方針→業務調整→復帰予定」の5つのステップを基本として、状況に応じて適切なテンプレートを活用してください。
また、感染症が疑われる場合は、周囲への配慮を最優先に考えることが重要です。自分の体調管理はもちろん、職場全体の健康を守るという責任感を持って行動しましょう。
体調不良は誰にでも起こりうることです。無理をして悪化させるよりも、適切に休息を取って早期回復を目指すことが、結果的に職場全体のためにもなります。この記事のテンプレートを参考に、いざという時に適切な連絡ができるよう準備しておいてください。