商談後のお礼メールは、受注に繋げるための重要なフォローメールです。「どんな件名・内容で送ればいいのか?」「いつ送るのがベスト?」「押し売りと思われない方法はあるのか?」といった悩みを持つ営業担当者は少なくありません。
実際、適切な商談後のお礼メールにより、成約率の向上が期待できるという調査結果もあります。商談では平均的に複数回の接触が必要とされており、最初の商談後のお礼メールが特に重要な要素となります。
そこで商談お礼から次回アポイントまで、すぐに使える完成テンプレート7種を用意しました。最短30秒で送れる基本形から、相手の検討段階に応じた対応や、返信率を上げる工夫まで網羅的にご紹介します。
商談お礼メールから受注に繋げるための8つの前提
商談後のお礼メールは、相手の行動を1歩だけ前に進めるための設計がすべて。「感じがいい」だけでは足りません。送信タイミング・件名・差出人表示・冒頭の書き出し・レイアウト・中身の粒度・CTA(次アクション)・人間味まで、型で抜け抜けをなくしましょう。
送信タイミング:原則当日〜翌営業日午前。遅い時間帯は翌朝に。
件名:御礼+用件一言+差出人で一目化(例:商談の御礼と合意事項の共有/見積ドラフト送付)。
差出人表示:表示名は会社名|氏名に。初回・久々の相手ほど効く。
冒頭:御礼+当日の要点1行で唐突感を消す。
レイアウト:1行30字前後・塊ごとに空行。スマホで止まらない。
中身の粒度:本文は要点だけ。詳細は1枚メモPDF/URLに逃がす。
CTA:候補A/B+所要20分まで書くと返信率が上がる。
人間味:本文は端的に、PSでやわらかい一言(雑談の拾い上げ等)。
商談お礼メールの標準テンプレート
件名:本日の商談の御礼と合意事項の共有([自社名][氏名])
[相手会社名] [部署名] [氏名] 様 CC:[同席者名/担当者名] 様 本日は商談のお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。 ご多用のところご調整くださり、厚く御礼申し上げます。 本日の合意事項と、今後の進め方を共有いたします。 【合意事項】 ・[合意1] ・[合意2] 【当方の次アクション】 ・[提出物]を [提出日] までに送付 【貴社の次アクション】 ・[社内確認/稟議](ご担当:[氏名] 様/期限:[日付]) 最終確認は、下記候補の20分でいかがでしょうか。 ・[○/○(火)10:00] ・[○/○(水)16:30] 議事メモ(1枚)を添付しました(ファイル名:議事メモ_[日付].pdf)。 不足や認識違いがございましたら、お手数ですがご指摘ください。 PS:本日は[雑談の小ネタ:例「○○駅前のカフェ」]のお話、勉強になりました。社内でも話題になりました。 ―― [自社名] [部署名] [氏名] 直通:[電話] / Mail:[メール] / Web:[URL]
最も使用頻度の高い標準テンプレート。合意事項と次アクションを明確化し、PSで人間味をプラス。20分という具体的な時間で心理的ハードルを下げます。
商談お礼メールの検討中テンプレート
件名:商談の御礼と検討資料の共有(比較表1枚あり)
[相手会社名] [氏名] 様 本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。 社内ご検討の材料として、下記をお送りします。 ・比較表(1枚) ・概要資料(PDF) URL:[リンク](内容:比較表と概要/DL期限:[8/31]) 【当方】[日付]までに事例1枚と概算を追加で送付 【貴社】社内共有(ご担当:[氏名] 様) ご質問があれば、下記の20分で要点をご説明します。 ・[候補A]/[候補B] 資料で十分な場合は、その旨だけお知らせください。 ―― 署名
検討段階の相手向け。「資料だけでOK」の選択肢を提示することで、相手の心理的負担を軽減。社内共有しやすい1枚資料を重視。
商談お礼メールの条件調整テンプレート
件名:商談の御礼/条件調整の差分一覧(再見積のご案内)
[相手会社名] [部署名] [氏名] 様 CC:[同席者名] 様 本日は前提条件のすり合わせをありがとうございました。 差分を整理いたしました。 【差分一覧】 ・価格:[現行]→[調整案] ・納期:[現行]→[調整案] ・仕様:[現行]→[調整案] 【当方】[日付]までに見積ドラフトを再送 【貴社】社内確認(ご担当:[氏名] 様) 10〜20分の確認は、[候補A]/[候補B]で可能です。 ―― 署名
価格交渉や条件調整後に使用。変更点を明確に整理することで、相手の社内説明をサポート。再見積もりのプロセスを透明化。
商談お礼メールの稟議・購買フロー対応テンプレート
件名:商談の御礼/稟議用1枚サマリと見積の共有
[相手会社名] [部署名] [氏名] 様 CC:[購買/財務ご担当者名] 様 本日は商談の機会を賜り、ありがとうございました。 稟議・購買に必要な資料を以下にまとめます。 ・稟議用1枚サマリ(効果/費用/リスク) ・見積(PDF) ・比較表(1枚) URL:[リンク](内容:上記3点/DL期限:[8/31]) 【当方】[日付]までに契約ドラフトをご送付 【貴社】稟議開始(ご担当:[氏名] 様) 短時間の補足は、[候補A]/[候補B]の20分で対応いたします。 ―― 署名
稟議段階に入った案件向け。購買・財務担当者もCCに含め、必要書類を一式で提供。稟議の成功率を高める構成。
商談お礼メールの失注連絡受領テンプレート(
件名:ご選定の御礼と情報共有のご提案(1枚)
[相手会社名] [氏名] 様 ご選定の結果をご連絡くださり、誠にありがとうございました。 弊社の力及ばず残念ではございますが、検討の機会に深く御礼申し上げます。 差し支えなければ、業界の最新事例を「1枚レポート」で月1回共有してもよろしいでしょうか。 将来的に条件が変わられた際は、あらためてご相談いただけますと幸いです。 これまでのご厚情に感謝申し上げます。 ―― 署名
失注後の関係維持用。感謝を示しつつ、将来の再検討に向けた継続的な関係を提案。月1回の情報提供で関係を継続。
商談お礼メールの複数名商談テンプレート
件名:商談の御礼と合意事項の共有(CC:[担当氏名] 様)
(To:決裁者/CC:実務担当・同席者) [相手会社名] [部門名] [決裁者氏名] 様 CC:[担当氏名] 様/[同席者氏名] 様 本日は商談のお時間を賜り、ありがとうございました。 要点は添付の議事メモ(1枚)に記載しております。 実務は CC の[担当氏名]様と進めます。 [提出物]は [日付] までに当方で対応いたします。 最終確認は、[候補A]/[候補B]の20分でいかがでしょうか。 ―― 署名
複数名が参加した商談向け。決裁者と実務担当者の役割分担を明確化。CCの可視化で情報共有漏れを防止。
商談お礼メールのリマインドテンプレート
件名:商談御礼と合意事項の件(ご状況の確認)
[相手会社名] [氏名] 様 先日お約束の資料をお送りしました。ご確認いかがでしょうか。 もしご検討のうえで迷いどころがあれば、要点だけ10〜20分でご説明いたします。 ・直近の候補:[候補A]/[候補B] 資料で十分な場合は、その旨だけお知らせください。内容に合わせて次の対応を調整いたします。 ―― 署名
返信がない場合の追客用。催促感を避け、サポートの姿勢で接触。「資料で十分」の選択肢で相手の負担を軽減。
商談お礼メールの署名テンプレート
―― [自社名] [部署名] [氏名] 〒[郵便番号] [住所] 直通:[電話] Mail:[メール] Web:[URL]
商談お礼メールの使い方のルール
・添付が重い場合はDLリンクに切替。本文に内容の一言+DL期限を記載
・数字+単位は半角(1枚/20分/1分)。二重敬語は避ける
・差出人名は「会社名|氏名」で統一
送る前の最終チェック(90秒)
□ 社名・氏名・商談日時の誤字なし
□ 合意事項・担当・期限を本文に記載
□ To/CCが適切(本文にCC:氏名を明記)
□ 議事メモ添付 または DLリンク(期限・内容・所要)記載
□ 数字+単位(1枚/20分/1分)の統一、二重敬語なし
□ 差出人名が「会社名|氏名」形式
よくある質問(FAQ)
Q1. 送信はいつが最適?
A. 当日〜翌営業日午前が基本です。遅い時間帯は翌朝に。記憶が鮮明なうちに次の一歩(候補A/B+20分)まで示します。
Q2. 件名はどう作る?
A. 「御礼+商談(打合せ)+用件一言+差出人」です。用件は短く具体に(例:合意事項の共有/見積ドラフト送付)。
Q3. CCは本文にも書く?
A. はい。宛名直下に「CC:氏名」を明記します。共有漏れ・誤返信が減ります。並びは役職順・社外優先が無難。
Q4. 議事は本文?添付?
A. 本文は要点のみ、詳細は1枚メモを添付。重い場合はDLリンクに切替し、本文に内容の一言+DL期限を添えます。
Q5. 敬語が不安です。
A. 尊敬=相手、謙譲=自分を徹底。二重敬語は避ける(「ご覧になられる」→「ご覧になる」「拝見させていただく」→「拝見いたします」)。
Q6. 催促感を出したくない。
A. 「20分だけ」「資料のみでOK」を添え、相手の負担を下げる言い回しに。件名にも強い圧は入れません。
まとめ:商談お礼メールで確実に次へつなげる
商談お礼メールは、相手の検討を前進させる重要なコミュニケーションツールです。「感じが良い」だけでなく、相手の行動を1歩前に進める設計が成功のカギとなります。
1. 迅速な対応:当日〜翌営業日午前中に送信
2. 明確な次アクション:合意事項・担当者・期限を具体化
3. 相手目線の配慮:「20分だけ」「資料のみでOK」で負担軽減
7つのテンプレートを使い分けて、商談の成約率向上を実現してください。相手の状況に応じた適切なアプローチが、必ずビジネス成果につながります。
次回の商談後は、相手の状況に最も適したテンプレートを選択してください。[ ]内を置き換えるだけで、プロフェッショナルなお礼メールが完成します。