支払い催促メールの書き方|取引関係を壊さない段階的テンプレート15選

ビジネス連絡

「支払期日を過ぎているが催促方法が分からない」「強く言いすぎて取引関係を悪化させるリスクが心配」そのような悩みを抱える経営者や経理担当者は少なくありません。

支払い催促は企業の資金繰りに直結する重要な業務ですが、適切な方法を知らずに対応すると、大切な取引先との関係を損なうリスクもあります。この記事では、取引先との信頼関係を維持しながら回収を促す支払い催促メールの書き方を、段階別のアプローチとともに解説します。

この記事で理解できること
・催促と督促の違いと法的効力の基礎知識
・段階的アプローチによる催促手順
・実際のビジネスシーンで使える15のテンプレート
・取引関係を配慮した催促方法
・法定利率や遅延損害金に関する正確な知識

催促と督促の違いと法的効力

多くの方が混同しがちな「催促」と「督促」ですが、法的効力や性質において明確な違いがあります。

項目 催促 督促
法的な性質 お願い・依頼レベル 要求・法的な警告
実施タイミング 期日前後から可能 明確な債務不履行後
法的効力 時効中断効果なし 時効完成猶予・更新効果あり
文面の強度 丁寧で配慮のある表現 明確で法的な表現
関係性への影響 関係維持を重視 権利行使を重視

この記事では、取引関係を重視した「催促」メールに焦点を当てています。法的な「督促状」については、専門家へのご相談をお勧めします。

支払い催促メールの重要性

支払い催促メールは企業経営において重要な役割を果たしています。

企業経営への影響

売掛金の回収遅延は自社の資金繰りに直接影響します。適切な催促を行わないことで、取引先が支払い義務を軽視する可能性があります。一方で、過度に強硬な催促は取引関係の悪化を招く恐れがあります。

支払い催促メールの役割
①資金繰りの安定化:迅速な回収により運転資金を確保
②取引先の意識向上:支払い義務の重要性を認識してもらう
③良好な関係継続:配慮のある催促で信頼関係を維持

催促開始の適切なタイミング

「いつから催促してもよいか」について、基本的なタイミングと業界慣習を整理します。

催促開始の基本原則

  • 期日当日の確認
    期日当日の午前中に「本日ご入金予定はいかがでしょうか」と確認することは問題ありません。
  • 期日翌日からの催促
    支払期日を1日でも過ぎた場合、催促を開始できます。ただし、取引関係を考慮して2〜3日程度の猶予を設けることが一般的です。
  • 業界慣習の考慮
    業界によって支払いサイクルが異なります。慣習を理解した上でタイミングを調整しましょう。
  • 送信タイミングの推奨

    催促メールは午前中に送信することを推奨します。相手がメールを確認した時点で、同日中に支払い手続きができる可能性があるためです。火曜日から木曜日の午前10時頃が、相手の業務に支障をきたしにくいタイミングです。

    支払い催促メールの5つの基本原則

    催促メールを作成する際の基本原則をご紹介します。

  • 段階的にアプローチする
    一次催促は「やんわりと確認」、二次催促は「期限と方法を明確化」、三次催促は「最終期限と次の措置の予告」へと段階的に強度を上げます。
  • 必要な情報を完結させる
    未入金の事実、請求番号、金額、期日、振込先、希望対応期限を明記し、相手が必要な情報をすべて確認できるようにします。
  • 相手の手間を最小限にする
    請求書の再添付や振込先の再掲により、相手が情報を探し回る手間を省きます。
  • 行き違いへの配慮を忘れない
    「行き違いでしたらご容赦ください」の一文を添え、既に支払い済みの可能性も考慮した丁寧な姿勢を示します。
  • 法的事項は正確な情報に基づく
    遅延損害金や法定利率について触れる際は、正確な情報を記載します。現在の法定利率は年3%です。
  • 段階別アプローチの設計方法

    支払い催促は適切なタイミングで段階的に行うことが重要です。

    段階 タイミング 対応方針 主な内容
    一次催促 期日当日〜3日後 やんわりと確認 行き違い配慮・入金予定日の確認・請求書再添付
    二次催促 一次から1週間後 期限と方法を明確化 具体的な期限設定・振込先明記・影響の示唆
    三次催促 二次から1週間後 最終期限と措置の予告 最終期限・以降の対応予告・丁寧だが明確な警告
    その他の手段 三次催促後 電話・書面・法的措置 電話確認・内容証明郵便・支払督促・法的手続き

    件名テンプレート10選

    メールを開いてもらうための件名テンプレートをご紹介します。

    段階・場面 件名テンプレート 使用タイミング
    一次催促(基本) 【ご確認】請求書No.○○のお支払いについて【○/○期日】 期日当日〜数日後の初回確認
    一次催促(定例) 【お支払いのお願い】○月分サービスご請求の件 月次定例の支払い確認
    二次催促(期限設定) 【二次催促】○/○(○)までのご入金につきまして 具体的期限を設定した催促
    三次催促(最終) 【最終のご連絡】○/○までにご入金がない場合のご案内 最終期限と措置の予告
    特殊(部分入金) 【部分入金の確認】残額のご入金につきまして 一部入金後の残額請求
    緊急対応 【至急】本日中のご入金可否について 当日中の対応が必要
    承認プロセス 【稟議中のご状況確認】請求書の件 社内承認待ちの状況
    関係性重視 【最終確認】ご入金またはご連絡のお願い 関係性を重視した最終確認
    情報再送 【振込先再掲】請求書No.○○入金予定のご相談 振込先確認も含めた催促
    経理担当向け 【経理ご担当者様向け】支払い予定日の共有依頼 支払い部門への直接的な確認

    金額規模別の対応指針

    請求金額の規模によって、催促方法や期限設定を調整することが重要です。

    金額規模 催促開始タイミング 期限設定 対応の特徴
    少額(50万円未満) 期日から3日後 1週間程度 簡潔で丁寧な催促を心がける
    中額(50万円以上500万円未満) 期日翌日 5営業日程度 段階的アプローチを厳格に実施
    高額(500万円以上) 期日当日 3営業日以内 電話併用、上席への報告検討

    段階別催促メールテンプレート15選

    実際のメール本文で使える段階別のテンプレートをご紹介します。○○内を置き換えてご利用ください。

    一次催促(やんわり確認)

    1. 基本形(初回・丁寧版)

    件名:【ご確認】請求書No.○○のお支払いについて【○/○期日】
    
    【会社名】【部署名】
    【氏名】様
    
    いつもお世話になっております。
    【会社名】の【氏名】でございます。
    
    請求書No.○○につきまして、お支払い状況の確認を
    させていただきたくご連絡いたします。
    
    ■ 請求内容
    ・請求書番号:○○
    ・請求金額:○○円(税込)
    ・支払期日:○年○月○日(○)
    ・対象:○○
    
    本日時点でご入金の確認が取れておりませんが、
    入金予定日をご教示いただけますでしょうか。
    
    念のため請求書を再添付いたします。
    振込先情報も併せて記載しております。
    
    ■ 振込先
    ○○銀行 ○○支店 普通 ○○
    口座名義:○○
    
    行き違いでお支払い済みの場合は、
    本メールはご放念ください。
    
    引き続き何卒よろしくお願いいたします。
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】|携帯:【番号】
    —-------

    2. 当日確認版

    件名:【本日期日】請求書No.○○のご入金について
    
    【会社名】【部署名】
    【氏名】様
    
    いつもお世話になっております。
    【会社名】の【氏名】です。
    
    本日が支払期日となっております請求書No.○○について、
    ご入金のご予定はいかがでしょうか。
    
    ■ 本日期日の請求
    ・請求金額:○○円(税込)
    ・対象:○○
    
    お忙しい中恐れ入りますが、本日中にご入金いただけそうでしょうか。
    
    ご都合が悪い場合は、入金予定日をご教示いただけますと幸いです。
    
    何卒よろしくお願いいたします。
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】|携帯:【番号】
    —-------

    3. 定例取引版

    件名:【お支払いのお願い】○月分サービスご請求の件
    
    【会社名】【部署名】
    【氏名】様
    
    いつもお世話になっております。
    【会社名】の【氏名】です。
    
    ○月分サービスの請求書No.○○につきまして、
    未入金のようでしたのでご連絡いたします。
    
    ■ 請求金額:○○円(税込)
    ■ 支払期日:○月○日(○)
    
    ご都合の良い入金予定日をご教示いただけますと幸いです。
    
    請求書を再添付しておりますので、ご確認をお願いいたします。
    
    引き続き何卒よろしくお願いいたします。
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】|携帯:【番号】
    —-------

    4. 事前リマインド版

    件名:【リマインド】明日○/○がお支払期日です
    
    【会社名】【部署名】
    【氏名】様
    
    いつもお世話になっております。
    【会社名】の【氏名】です。
    
    明日○月○日が下記請求書のお支払期日となっております。
    
    ■ 請求内容
    ・請求書番号:○○
    ・請求金額:○○円(税込)
    ・支払期日:○月○日(○)
    
    事前のリマインドとしてご連絡いたします。
    お忙しい中恐れ入りますが、期日までのお支払いを
    よろしくお願いいたします。
    
    ご質問等ございましたら、お気軽にお声がけください。
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】|携帯:【番号】
    —-------

    二次催促(期限と方法の明確化)

    5. 期限設定版

    件名:【二次催促】○/○(○)までのご入金につきまして
    
    【会社名】【部署名】
    【氏名】様
    
    いつもお世話になっております。
    【会社名】の【氏名】です。
    
    下記請求書につきまして、未入金が続いておりますので、
    期限を区切ってお願い申し上げます。
    
    ■ 請求内容
    ・請求書番号:○○
    ・請求金額:○○円(税込)
    ・当初期日:○月○日(○)
    ・対象:○○
    
    ■ ご対応のお願い
    ○月○日(○)正午までに、下記いずれかのご対応を
    お願いいたします。
    ・ご入金のお手続き
    ・入金予定日のご連絡
    
    ■ 振込先
    ○○銀行 ○○支店 普通 ○○
    口座名義:○○
    
    ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】|携帯:【番号】
    —-------

    6. 部分入金確認版

    件名:【部分入金の確認】残額のご入金につきまして
    
    【会社名】【部署名】
    【氏名】様
    
    いつもお世話になっております。
    【会社名】の【氏名】です。
    
    ○○円のご入金を確認いたしました。ありがとうございます。
    
    残額につきまして、ご案内いたします。
    
    ■ 残額について
    ・請求書番号:○○
    ・残額:○○円(税込)
    ・希望期日:○月○日(○)
    
    ○月○日(○)までに残額のご入金をお願いできますでしょうか。
    
    ご都合が悪い場合は、入金予定日をご教示ください。
    
    何卒よろしくお願いいたします。
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】|携帯:【番号】
    —-------

    7. 担当部門確認版

    件名:【経理ご担当者様向け】支払い予定日の共有依頼
    
    【会社名】
    経理部
    【氏名】様
    ※営業ご担当者様にもCcしております
    
    いつもお世話になっております。
    【会社名】の【氏名】です。
    
    下記請求書の支払い処理について、経理ご担当者様に
    直接ご確認したくご連絡いたします。
    
    ■ 請求内容
    ・請求書番号:○○
    ・請求金額:○○円(税込)
    ・期日:○月○日→経過
    
    支払処理のご担当が変更になっている場合は、
    ご指示をお願いいたします。
    
    ○月○日(○)までにご入金またはご連絡を
    いただけますと幸いです。
    
    何卒よろしくお願いいたします。
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】|携帯:【番号】
    —-------

    8. 承認プロセス確認版

    件名:【稟議中のご状況確認】請求書の件
    
    【会社名】【部署名】
    【氏名】様
    
    いつもお世話になっております。
    【会社名】の【氏名】です。
    
    請求書No.○○について、社内承認の進捗はいかがでしょうか。
    
    ■ 請求内容
    ・請求金額:○○円(税込)
    ・期日:○月○日→経過
    ・対象:○○
    
    承認に必要な追加資料や情報がございましたら、
    至急ご用意いたします。
    
    承認予定日と入金見込み日をご共有いただけますと幸いです。
    
    スムーズなお手続きのため、ご協力をお願いいたします。
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】|携帯:【番号】
    —-------

    三次催促(最終期限と措置の予告)

    9. 最終期限設定版

    件名:【最終のご連絡】○/○までにご入金がない場合のご案内
    
    【会社名】【部署名】
    【氏名】様
    
    いつもお世話になっております。
    【会社名】の【氏名】です。
    
    たびたび恐れ入りますが、下記請求について
    最終のご案内をさせていただきます。
    
    ■ 対象請求書
    ・請求書番号:○○
    ・請求金額:○○円(税込)
    ・当初期日:○月○日
    ・経過日数:○日
    
    ■ 最終期限
    ○月○日(○)17:00までに、下記いずれかの
    ご対応をお願いいたします。
    ・ご入金のお手続き
    ・入金予定日のご連絡
    
    期限までにご連絡をいただけない場合、
    誠に遺憾ながら以下の対応を検討せざるを得ません。
    ・新規取引の一時停止
    ・法的手続きの準備
    
    長期にわたりお取引をいただいております関係を重視し、
    円満な解決を希望しております。
    
    ご多忙とは存じますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】|携帯:【番号】
    —-------

    10. 長期取引先配慮版

    件名:【最終確認】ご入金またはご連絡のお願い
    
    【会社名】【部署名】
    【氏名】様
    
    いつもお世話になっております。
    【会社名】の【氏名】です。
    
    長期にわたりお付き合いをいただいており、心より感謝しております。
    
    下記請求書について、ご事情の確認を優先したく存じます。
    
    ■ 対象請求書
    ・請求書番号:○○
    ・請求金額:○○円(税込)
    ・期日:○月○日→経過
    
    恐れ入りますが、○月○日(○)までにご状況と
    入金予定日をご教示願えますでしょうか。
    
    必要に応じて、お支払い方法のご相談も承ります。
    
    率直にお聞かせいただければ、最適な解決策を
    一緒に検討させていただきます。
    
    引き続き何卒よろしくお願いいたします。
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】|携帯:【番号】
    —-------

    特殊ケース対応

    11. 振込先変更案内版

    件名:【重要】振込先変更のご案内と入金確認
    
    【会社名】【部署名】
    【氏名】様
    
    いつもお世話になっております。
    【会社名】の【氏名】です。
    
    請求書No.○○について、念のため振込先を再掲いたします。
    
    ■ 重要:振込先情報
    新)○○銀行 ○○支店 普通 ○○
      口座名義:○○
    
    ※旧口座(○○銀行)は使用しておりません。ご注意ください。
    
    ■ 請求内容
    ・請求金額:○○円(税込)
    ・期日:○月○日→経過
    
    ご入金予定日をご教示いただけますと幸いです。
    
    口座変更に関してご質問がございましたら、
    お電話でも承ります。
    
    何卒よろしくお願いいたします。
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】(経理部直通)
    —-------

    12. 支払困難相談版

    件名:【ご相談】お支払いに関するお困りごとについて
    
    【会社名】【部署名】
    【氏名】様
    
    いつもお世話になっております。
    【会社名】の【氏名】です。
    
    請求書No.○○について、ご事情をお聞かせいただければと思います。
    
    ■ 対象請求書
    ・請求金額:○○円(税込)
    ・期日:○月○日→経過
    
    お支払いが困難な状況でしたら、分割払いや
    お支払い計画のご相談も承ります。
    
    ご事情を率直にお知らせください。
    最適な解決策を一緒に検討させていただきます。
    
    まずは現在のご状況をお聞かせいただけますと幸いです。
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】|携帯:【番号】
    —-------

    13. 新規取引先向け丁寧版

    件名:【ご確認】初回お取引のお支払いについて
    
    【会社名】【部署名】
    【氏名】様
    
    いつもお世話になっております。
    【会社名】の【氏名】です。
    
    この度は初回のお取引をいただき、ありがとうございました。
    
    下記請求書について、お支払い状況をご確認いただけますでしょうか。
    
    ■ 請求内容(初回お取引分)
    ・請求書番号:○○
    ・請求金額:○○円(税込)
    ・支払期日:○月○日(○)
    ・対象:○○
    
    新規のお取引でお手続きにお時間がかかることも
    ございますので、入金予定日をご教示いただけますと幸いです。
    
    ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
    
    今後ともよろしくお願いいたします。
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】|携帯:【番号】
    —-------

    14. 海外取引先向け(英語併記)

    件名:Payment Reminder - Invoice No.○○ / お支払いのご案内
    
    Dear 【氏名】,
    
    We have not yet confirmed payment for the invoice below.
    下記請求書のお支払いが未確認となっております。
    
    ■ Invoice Details / 請求内容
    ・Invoice No. / 請求書番号:○○
    ・Amount / 金額:¥○○ (incl. tax / 税込)
    ・Due Date / 支払期日:○○, 2025
    ・Services / 対象:○○
    
    Could you please let us know your payment schedule 
    by ○○, 12:00 JST?
    ○月○日正午までに入金予定日をご連絡いただけますでしょうか。
    
    ■ Bank Details / 振込先
    Bank: ○○ Bank / ○○銀行
    Branch: ○○ / ○○支店
    Account: ○○ / 普通 ○○
    
    Thank you for your cooperation.
    ご協力をお願いいたします。
    
    Best regards,
    【氏名】
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】|携帯:【番号】
    —-------

    15. 最終通告前クッション版

    件名:【重要】お支払いに関する最終確認のお願い
    
    【会社名】【部署名】
    【氏名】様
    
    いつもお世話になっております。
    【会社名】の【氏名】です。
    
    本メールをもちまして、請求書No.○○に関する
    最終の確認とさせていただきます。
    
    ■ 最終確認事項
    ・請求金額:○○円(税込)
    ・当初期日:○月○日→○日経過
    ・対象:○○
    
    恐れ入りますが、○月○日(○)17:00までに
    下記いずれかのご対応をお願い申し上げます。
    ・ご入金のお手続き
    ・ご連絡(ご事情・入金予定日等)
    
    期限後は、やむを得ず次の段階のお手続きを検討いたします。
    
    長期にわたるお取引関係を重視し、可能な限り
    円満な解決を希望しております。
    
    ご理解とご協力をお願いいたします。
    
    —-------
    【会社名】【部署】
    【氏名】 
    E-mail:【アドレス】
    TEL:【番号】|携帯:【番号】
    —-------

    業界別の催促メール作成ポイント

    業界によって商慣習や支払いサイクルが異なるため、催促方法も調整が必要です。

    業界 特徴・注意点 推奨されるアプローチ 具体例
    建設業 工事完了後の検収に時間がかかる
    下請け構造が複雑
    検収状況の確認を含める
    元請けとの調整状況を聞く
    「検収手続きの進捗はいかがでしょうか」「元請様との調整が必要でしたらお知らせください」
    IT・システム 検収条件が厳格
    稟議プロセスが長い
    承認プロセスの進捗確認
    必要書類の追加対応
    「稟議の進捗状況をお聞かせください」「追加資料が必要でしたらご用意いたします」
    製造業 月末締め翌月末払いが一般的
    経理部門の権限が強い
    経理部門への直接連絡
    支払いサイクルの確認
    「経理ご担当者様に直接ご確認させてください」「支払いスケジュールをご教示ください」
    小売・サービス 現金収支の変動が大きい
    季節要因の影響あり
    分割払いの提案
    繁忙期の考慮
    「分割でのお支払いもご相談承ります」「繁忙期を考慮した支払い計画を検討いたします」

    遅延損害金と法定利率の最新情報

    支払いが遅延した場合の遅延損害金について、正確な情報を記載しておくことは重要です。

    現在の法定利率

    2020年4月の民法改正により、法定利率は年3%とされ、3年ごとに見直される変動制が導入されました。現在の状況は以下の通りです。

  • 2020年4月1日〜2023年3月31日
    法定利率は年3%でした。
  • 2023年4月1日〜2026年3月31日(現在)
    基準割合の変動が1%未満だったため、法定利率は年3%のまま据え置かれています。
  • 2026年4月1日以降
    次回の見直しにより変動の可能性があります。
  • 催促メールでの言及方法

    遅延損害金について催促メールで触れる場合は、以下のような表現が適切です。

    遅延損害金に関する記載例
    「なお、お支払いが遅延している期間については、契約に基づく遅延損害金が発生いたします。詳細については、別途ご案内いたします。」

    催促メール送信後の対応フロー

    催促メールを送信した後の対応も重要です。以下のフローに沿って進めることを推奨します。

    メール送信後の対応スケジュール例
    1日後:返信確認(開封確認がある場合はチェック)
    3日後:反応がない場合は電話でフォロー
    1週間後:次段階の催促メール送信
    2週間後:書面による督促状の検討
    1ヶ月後:法的手続きの相談開始

    よくある失敗例と改善策

    支払い催促メールでよく見られる問題点と改善例をご紹介します。

    失敗例(NG) 改善例(OK) 改善ポイント
    「お支払い、どうなっていますか?」 請求No.・金額・期日・振込先・希望期限を箇条書きで明記 具体的で行動しやすい情報提供
    1日に何度も催促メールを送信 段階を踏み、1週間程度の間隔で強度を調整 計画的で段階的なアプローチ
    前メールの情報を相手に探させる 請求書を再添付し、要点を再掲して手間を削減 相手の負担軽減と迅速な対応促進
    「取り急ぎ」だけで期限なし 具体的な期日・時刻と代替提案を明記 明確なアクション要求
    最初から法的措置を匂わす 最終段階で期限と以降の対応を淡々と案内 段階的な圧力強化と関係性配慮

    送信前の確認チェックリスト

    催促メール送信前の10項目チェック
    □ 請求No.・金額・期日・振込先を本文に明記している
    □ 希望期限(日時)と具体的なアクション要求を入れている
    □ 請求書を再添付している(相手の手間軽減)
    □ 段階(一次→二次→三次)の強度が適切である
    □ 行き違い配慮と礼節を保った表現になっている
    □ 件名で内容が即座に判別できる
    □ 宛先(To・Cc・Bcc)が適切に設定されている
    □ 法的事項(遅延損害金等)は正確な情報に基づいている
    □ 相手の立場に配慮した丁寧な文面である
    □ 誤字脱字がないか最終確認済み

    よくある質問

    支払期日当日に催促メールを送っても良いですか?

    問題ありません。期日当日であれば「本日ご入金いただけそうでしょうか」といった自然な表現で確認することで、単純な忘れを防ぐことができます。午前中に送信すれば、相手が同日中に手続きできる可能性があります。

    2回目の催促メールはいつ送るのが適切ですか?

    一次催促から1週間後が目安です。この段階では文面の強度をやや上げ、具体的な期限と影響を明示します。ただし、取引先との関係性や業界慣習を考慮して調整することも重要です。

    3回目の催促では何を書くべきですか?

    最終期限と連絡がない場合の対応を丁寧に明示します。法的措置の可能性を示唆しつつも、関係修復を重視した表現を心がけます。「新規取引の一時停止」「法的手続きの準備」など、具体的な影響を伝えることで緊急性を訴求できます。

    催促メールで請求書を再添付するのはマナー違反ですか?

    推奨される対応です。「念のため請求書を再添付いたします」という一文を添えることで、配慮のある対応として受け取られます。振込先情報も含めて再掲することで、迅速な支払いを促進できます。

    遅延損害金についてはどう扱うべきですか?

    契約で利率を定めている場合は約定利率、定めていない場合は法定利率(現在年3%)が適用されます。催促メールで言及する場合は、契約条項に基づいた正確な情報を記載し、詳細は別途案内する旨を伝えることが適切です。

    メールで反応がない場合はどう対応すべきですか?

    電話→書面→最終通告の順で段階を上げます。メール3回送付後も反応がない場合は、電話での確認、内容証明郵便による督促状、支払督促の申立てなど、より強力な手段を検討します。ただし、関係性を考慮した適切な判断が必要です。

    支払い困難と言われた場合の対応は?

    まずは相手の事情を聞き、分割払いや支払い時期の調整など、現実的な解決策を一緒に検討します。書面で合意内容を明確にし、新しい支払い計画に基づいて進めることが重要です。完全に支払いを諦めるのではなく、回収可能な方法を模索しましょう。

    海外取引先への催促で注意すべき点は?

    時差を考慮した送信時間、現地の商慣習や祝日の把握、必要に応じた英語併記などが重要です。また、国際送金には時間がかかることを考慮し、通常より長めの期限設定をすることも検討しましょう。

    まとめ

    支払い催促メールは、取引先との信頼関係を維持しながら回収を促すための重要なツールです。段階的なアプローチと相手への配慮を基本とし、一次催促から最終通告まで計画的に対応することが重要です。

    相手が「次に何をすればよいか」を明確にすることが大切です。請求番号・金額・期日・振込先・希望対応期限を分かりやすく整理し、請求書の再添付により相手の手間を最小限にすることで、迅速な対応を促すことができます。

    また、催促と督促の違いを理解し、現在の法定利率(年3%)などの法的知識も正確に把握しておくことが大切です。メールでの催促に限界を感じた場合は、電話での確認や書面による督促など、段階的な対応を検討しましょう。

    催促メール作成の3つのポイント
    ・相手の立場に立った配慮ある表現を心がける
    ・段階的なアプローチで関係性を維持する
    ・具体的で実行しやすい情報提供を行う

    最も大切なのは、相手を責めるのではなく「一緒に解決する」という姿勢で臨むことです。明確な情報提供と適切な期限設定により、相手が行動しやすい環境を整えることで、関係性を保ちながら回収を目指すことができます。

    参考文献・引用情報