「Re:」と「Fw:」の違いと正しい使い方|ビジネスメール完全ガイド

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「Re:」と「Fw:」を見かけない日はないほど、ビジネスメールで当たり前に使われています。しかし意外と多くの人が、正確な意味や適切な使い方を理解していません。

「手動で追加すべき?」「削除したほうが丁寧?」「何回も続いたらどうする?」こうした疑問を抱えながら、なんとなく使っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ReとFwの基本的な違いから実務での活用法、よくあるトラブルの解決策まで、ビジネスメールで必要な知識をすべて解説します。明日からすぐに使える実践的なテンプレートも豊富に用意しました。

結論(3秒で分かる違い)
Re: = 返信(ラテン語「〜に関して」が語源)
Fw: = 転送(英語「Forward」の略)
・どちらもメールソフトが自動で付加するため手動入力は不要
削除せずそのまま使用が現在の標準マナー

ReとFwの基本的な意味と重要な違い

項目 Re:(返信) Fw:(転送)
基本的な意味 相手からのメールへの返信 受信したメールの転送
語源 ラテン語「〜に関して」 英語「Forward」の略
付加のタイミング 返信ボタンを押したとき 転送ボタンを押したとき
RFC5322での扱い 国際標準として明記 各社独自実装(標準なし)
手動追加の必要性 不要(自動付加) 不要(自動付加)

Re:(返信)の詳しい解説

「Re:」は、相手からのメールに返信すると自動的に件名の先頭に付加される記号です。多くの人が「Reply(返信)」の略だと思っていますが、実際の語源はラテン語の「Re」で、「〜に関して」「〜について」という意味があります。

この仕様は、メールの国際標準規格であるRFC5322(Internet Message Format)に明記されており、世界中のメールソフトで共通して使用されています。つまり、元のメール「○○」に対して「○○に関しての返信」という意味で「Re: ○○」となるのです。

Re:の重要ポイント
・メールソフトが自動で付加するため手動入力は不要
・国際標準のため世界中で認識される
・削除せずそのまま使用するのが現在のマナー
・相手にとって返信メールであることが一目で分かる

Fw:(転送)の詳しい解説

「Fw:」または「Fwd:」は、受信したメールを第三者に転送する際に自動的に付加される記号です。英語の「Forward(転送・前進)」の略で、メールの内容をそのまま別の人に送る機能を表します。

興味深いことに、「Fw:」についてはRFC5322には明確な記載がありません。これは各メールソフトメーカーが独自に実装した機能が事実上の標準となったものです。そのため、Outlook では「FW:」、Gmail では「Fwd:」など、メールソフトによって表記が微妙に異なります。

Fw:の注意点
・転送理由を本文で必ず説明する
・個人情報が含まれる場合は事前に許可を取る
・不要な情報は削除してから転送する
・受信者が混乱しないよう配慮する

現在のビジネスマナー:削除 vs 残す

「Re:」や「Fw:」を削除すべきか残すべきかは、長年議論されてきました。現在の結論は明確です:基本的には削除せず、そのまま使用するのが標準的なビジネスマナーです。

残すべき理由

  • 効率性の向上 – 受信者が一目で返信・転送メールと分かる
  • スレッド管理 – メールソフトが関連メールとして認識しやすい
  • 履歴の把握 – やり取りの流れが追いやすい
  • 国際標準への準拠 – RFC5322に基づいた正しい使用法
  • 誤解の防止 – 新規メールとの混同を避けられる
  • 削除・変更すべき場面

    ただし、以下の場合は件名の整理や変更を検討してください。

    状況 対処法 変更例
    Re:が3つ以上連続 件名を整理する 「Re: プロジェクト進捗(継続協議)」
    話題が完全に変わった 新しい件名に変更 「新企画のご提案」
    緊急性が増した 【緊急】等を追加 「【緊急】Re: 契約書の件」
    新しい参加者がいる 経緯を含めた件名に 「プロジェクト進捗共有(○○様向け)」

    実務で即使える!場面別テンプレート集

    返信メール(Re:)の実践テンプレート

    1. 質問に対する回答

    件名:Re: 見積書についてのお問い合わせ
    
    田中様
    
    いつもお世話になっております。
    △△商事の山田です。
    
    見積書に関するご質問にお答えいたします。
    
    > 納期はどのくらいでしょうか?
    ご発注確定から約10営業日でお納めいたします。
    
    > 支払い条件を教えてください
    月末締め翌月末払いでお願いしております。
    
    その他ご不明な点がございましたら、
    お気軽にお声がけください。
    
    よろしくお願いいたします。
    
    ――――――――――――――――――――――
    △△商事株式会社 営業部
    山田太郎
    TEL:03-1234-5678
    Email:yamada@example.com
    ――――――――――――――――――――――

    2. 会議日程の調整

    件名:Re: 来週の打ち合わせ日程について
    
    佐藤様
    
    お疲れ様です。
    鈴木です。
    
    来週の打ち合わせの件、承知いたしました。
    
    以下の日程でいかがでしょうか。
    
    【候補日時】
    ・4月15日(月)14:00-16:00
    ・4月16日(火)10:00-12:00
    ・4月17日(水)15:00-17:00
    
    会議室は弊社で手配いたします。
    ご都合のよい日時をお知らせください。
    
    よろしくお願いいたします。
    
    ――――――――――――――――――――――
    ○○株式会社 企画部
    鈴木花子
    ――――――――――――――――――――――

    3. 報告書への返信

    件名:Re: 3月度売上報告書
    
    営業部の皆様
    
    お疲れ様です。
    部長の田中です。
    
    3月度の売上報告書を拝見いたしました。
    
    目標を上回る成果を上げていただき、
    ありがとうございました。
    
    特に新規開拓での成果が顕著で、
    チーム一丸となった取り組みの成果だと思います。
    
    4月度も引き続きよろしくお願いいたします。
    
    田中

    転送メール(Fw:)の実践テンプレート

    1. 社内での情報共有

    件名:Fw: 【重要】システムメンテナンスのお知らせ
    
    営業部の皆様
    
    お疲れ様です。
    システム管理者の山田です。
    
    IT部門から重要なお知らせが届きました。
    営業活動に影響する可能性がありますので、
    ご確認をお願いいたします。
    
    【影響内容】
    ・顧客管理システムが一時停止
    ・営業資料の閲覧ができない時間帯あり
    ・事前準備をお願いします
    
    詳細は以下のメールをご覧ください。
    
    ――――――――――――――――――――――
    
    ----------転送メッセージ----------
    From: IT部 
    Subject: 【重要】システムメンテナンスのお知らせ
    
    各部署担当者様
    
    下記日程でシステムメンテナンスを実施いたします。
    
    【日時】4月20日(土)22:00-翌6:00
    【対象】顧客管理システム、社内ポータル
    
    ご迷惑をおかけしますが、ご協力をお願いいたします。
    
    IT部

    2. 顧客からの要望を上司に転送

    件名:Fw: 新サービスに関するお問い合わせ
    
    課長
    
    お疲れ様です。
    営業の佐藤です。
    
    ○○商事様から新サービスについて
    お問い合わせをいただきました。
    
    検討の価値がある内容だと思いますので、
    ご相談させてください。
    
    明日の朝礼後にお時間をいただけますでしょうか。
    
    以下、お客様からのメールです。
    
    ――――――――――――――――――――――
    
    ----------転送メッセージ----------
    差出人:○○商事 田中様
    件名:新サービスに関するお問い合わせ
    
    いつもお世話になっております。
    
    貴社の新サービスについて詳しく
    お聞かせいただけませんでしょうか。
    
    (以下詳細内容)

    3. 外部への転送(許可確認済み)

    件名:Fw: セミナー開催のご案内
    
    高橋様
    
    いつもお世話になっております。
    △△商事の鈴木です。
    
    弊社で開催するセミナーのご案内を
    お送りいたします。
    
    貴社の事業にも関連する内容かと思い、
    主催者の許可を得て転送いたします。
    
    ご興味がございましたら、
    ぜひご参加をご検討ください。
    
    ――――――――――――――――――――――
    △△商事株式会社
    鈴木
    ――――――――――――――――――――――
    
    ----------転送メッセージ----------
    (セミナー案内の詳細)

    よくあるトラブルと解決策

    問題1:Re:が無限に続く場合

    状況 問題点 解決策 改善例
    Re:Re:Re:Re:が続く 件名が読みにくい 回数を括弧で表示 「Re: 企画書の件(4回目)」
    話題が分散 内容が把握しづらい 要点を件名に含める 「Re: 企画書(スケジュール調整)」
    長期間の中断後 経緯が分からない 新規メールで再開 「企画書の件(再開)」

    問題2:転送で起こりがちなトラブル

  • 個人情報の漏洩 – 転送前に機密情報の有無を必ず確認
  • 転送理由の不明確さ – なぜ転送するのかを明記
  • 不必要な情報の拡散 – 関係ない部分は削除
  • 転送チェーンの無限ループ – 適切なタイミングで整理
  • 許可なしの転送 – 機密性の高い内容は事前確認必須
  • 問題3:メールソフト別の挙動の違い

    メールソフト 返信表記 転送表記 特徴
    Microsoft Outlook RE: FW: 大文字表記、重複回避機能
    Gmail Re: Fwd: スレッド表示で整理
    Thunderbird Re: Fwd: 設定でカスタマイズ可能
    Apple Mail Re: Fwd: シンプルな表示

    国際ビジネスでの注意点

    海外とのビジネスメールでも「Re:」「Fw:」は共通して使えますが、一部の地域では独自の表記があります。

    国・地域 返信記号 転送記号 備考
    日本・アメリカ・イギリス Re: Fw: / Fwd: 標準的な表記
    ドイツ・オーストリア AW: WG: Antwort(回答)の略
    フランス RE: TR: Transmission(転送)
    スウェーデン・ノルウェー SV: VS: Svar(回答)の略
    国際メールのベストプラクティス
    ・「Re:」「Fw:」は世界共通なので安心して使用
    ・相手の国の表記を見かけても驚かない
    ・重要な内容は件名だけでなく本文でも明確に
    ・時差を考慮した返信タイミングを心がける
    ・文化的な違いにも配慮する

    効率化のための高度なテクニック

    メール管理の自動化

    「Re:」「Fw:」を活用した効率的なメール管理方法をご紹介します。

    効率化テクニック
    ・フィルタ機能で「Re:」付きメールを自動分類
    ・「Fw:」メールは共有フォルダで管理
    ・重要度に応じて件名にタグを追加
    ・定期的な整理で古いスレッドを整理
    ・テンプレート機能を活用して時短

    チーム内でのルール統一

    組織内で統一したメールルールを作成することで、さらに効率的なコミュニケーションが実現できます。

    【メールルール例】
    
    ■ 件名に関するルール
    1. 返信時の「Re:」は削除しない
    2. 話題変更時は件名を変更する
    3. 緊急時は【緊急】を先頭に追加
    4. プロジェクト名は [○○PJ] で統一
    
    ■ 転送に関するルール  
    1. 転送理由を必ず本文に記載
    2. 不要な部分は削除してから転送
    3. 機密情報は転送前に確認
    4. 外部転送は上司の許可を得る
    
    ■ 管理に関するルール
    1. 「Re:」が3つ以上は件名整理
    2. 月1回の不要メール整理
    3. 重要メールはフラグ設定
    4. 共有事項は専用フォルダへ

    まとめ

    「Re:」と「Fw:」は、現代のビジネスコミュニケーションに欠かせない機能です。正しい理解と適切な使い方をマスターすることで、メールでのやり取りがより効率的で分かりやすくなります。

    今日から実践できるポイント
    ・Re: = 返信、Fw: = 転送と覚える
    ・基本的には自動付加されたものをそのまま使用
    ・3回以上連続したら件名を整理
    ・転送時は必ず理由を説明
    ・チーム内でルールを統一する

    これらの知識を活用して、より円滑で効率的なビジネスメールコミュニケーションを実現してください。適切なメールマナーは、あなたの仕事の質と信頼性を大きく向上させます。

    よくある質問

    Re:やFw:は手動で追加したほうがよいですか?

    いいえ、手動で追加する必要はありません。メールソフトが返信や転送の際に自動で付加するため、手動で追加すると二重になってしまいます。自動で付加されたものをそのまま使用するのが正しい方法です。

    Re:が何個も続いたときはどうすればよいですか?

    「Re:」が3つ以上連続した場合は、件名を整理することをお勧めします。例えば「Re: プロジェクト進捗(継続協議)」や「Re: 企画書の件(4回目)」のように、状況を分かりやすく表現してください。話題が完全に変わった場合は、新しい件名でメールを作成することも有効です。

    転送メールで最も注意すべき点は何ですか?

    個人情報や機密情報の取り扱いです。転送前に、個人情報が含まれていないか、機密性の高い内容ではないかを必ず確認してください。必要に応じて元の送信者に転送の許可を取り、転送理由も明確に説明することが重要です。

    海外とのメールでもRe:、Fw:は使えますか?

    はい、「Re:」「Fw:」は国際標準(RFC5322)に基づいているため、世界中で使用できます。ただし、国によっては独自の表記(ドイツの「AW:」など)もありますが、「Re:」「Fw:」を使用しても全く問題ありません。

    メールソフトによって表記が違うのはなぜですか?

    「Re:」は国際標準で統一されていますが、「Fw:」については標準規格に明確な記載がないため、各メールソフトが独自に実装しているからです。Outlookでは「FW:」、Gmailでは「Fwd:」のように違いがありますが、機能は同じです。

    削除したほうが丁寧だという意見もありますが?

    以前はそのような意見もありましたが、現在は削除せずに残すのが標準的なマナーです。効率性と分かりやすさの観点から、国際的にもこの方針が主流になっています。相手にとって返信・転送メールであることが一目で分かるメリットの方が大きいためです。

    スマートフォンでも同じように使えますか?

    はい、スマートフォンのメールアプリでも、PCと同様に返信時は「Re:」、転送時は「Fw:」または「Fwd:」が自動で付加されます。iOS、Android問わず、標準的な機能として実装されているため、特別な設定は不要です。

    組織内でのメールルールはどう決めればよいですか?

    まず基本的なマナーを共有し、その上で組織特有の要件があれば追加ルールを設定してください。重要なのは、全員が守れる現実的なルールにすることです。また、定期的に見直しを行い、業務の効率化につながっているかを確認することも大切です。

    参考文献・引用情報