「とんでもございません」の使い方|基準・例文・言い換え表現【ビジネスメール用語】

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「とんでもございません」と言いたいけれど、本当に使っていいのか迷ったことはありませんか?

「文法的におかしい」「目上の人には失礼」といった声を聞いて、使うのをためらっている方も多いでしょう。特にビジネスシーンでは、相手に失礼な印象を与えないか心配になりますよね。

実は、多くの方が抱えるこの悩みには、文化庁の公式見解という明確な答えがあります。「とんでもございません」は、正しく使えばむしろ丁寧で品のある敬語表現として相手に好印象を与えられるのです。

一方で、使ってはいけない場面で使ってしまうと、逆に失礼にあたる場合もあります。大切なのは「どの場面で使えるか」「どの場面では避けるべきか」を正確に理解することです。

この記事で分かること

  • 「とんでもございません」が使える場面と絶対避けるべき場面
  • 文化庁公式見解に基づく正しい理解
  • 即実践できるビジネスメール例文16選(コピペ対応)
  • 相手別・状況別の自然な言い換え表現

【結論】「とんでもございません」は使ってもOK!ただし場面選びが重要

「とんでもございません」は現在では正しい敬語です。 文化庁の『敬語の指針』で、褒めや感謝への返礼として問題ないと明記されています。

使ってOKな場面
・褒められたときの謙遜
・感謝されたときの返礼
・過分な評価への謙遜

絶対NGな場面
・事実や行為を否定するとき
・相手の非難に反論するとき
・契約書などの公式文書

ビジネスシーンでは、使う場面を正しく理解して活用することで、相手との良好な関係を築けます。

公式見解とその背景

多くの方が疑問に思う「とんでもございません」の正当性について、公的機関の見解を確認しましょう。

文化庁『敬語の指針』による正式な見解

文化庁の公式資料には、以下の記載があります:

「とんでもございません(とんでもありません)」は、相手の褒めや賞賛などを軽く打ち消すときの表現として、現在では問題ないものと考えられている。

つまり、政府機関が正式に「問題ない」と認めた敬語表現なのです。

国立国語研究所のQ&Aでも言及

国立国語研究所でも、この表現への批判は主に文法的観点からのものであり、実際のコミュニケーションでは状況と相手を重視することが大切だと説明しています。

使える場面・避けるべき場面の具体的な判断基準

自信を持って使える場面

  • 褒められたときの自然な謙遜:「素晴らしいプレゼンでした」→「とんでもございません。まだまだ勉強中です」
  • 感謝されたときの丁寧な返礼:「助かりました、ありがとうございます」→「とんでもございません。お役に立てて何よりです」
  • 過分な評価を受けたとき:「さすがですね」→「とんでもございません。チーム一丸の成果です」
  • 相手の厚意に対する謙遜:「頼りになります」→「とんでもございません。いつでもお声がけください」

絶対に使ってはいけない場面

  • 事実の否定・批判:「あの行為はとんでもない」→「とんでもないことでございます」が正解
  • 相手の非難への反論:問題行為への指摘に対しては不適切
  • 公式文書・契約書:「不適切と判断いたします」など定型表現を使用
  • 重大な謝罪場面:軽い印象を与える可能性があるため避ける
迷ったときの判断基準
「相手が私を褒めている・感謝している場面か?」
→ YES なら「とんでもございません」OK
→ NO なら他の表現を検討

「とんでもございません」を使用したビジネスメール例文16選

実際のビジネス現場で遭遇する様々な場面に対応できる例文をご紹介します。すべてコピペで使用可能で、文頭・文末の表現を特に手厚くしています。

【社外】お客様・取引先への返礼

1. 基本的な褒めへの返礼

件名:【御礼】過分なお言葉をいただき、心より感謝申し上げます

○○株式会社
○○部 ○○様

いつもお世話になっております。
○○株式会社の○○と申します。

このたびは過分なお言葉を賜り、
誠にありがとうございました。

とんでもございません。
このような温かいお言葉をいただき、
身に余る光栄に存じます。

お褒めいただいた件につきましては、
○○様の的確なご指導があったからこそ
実現できた成果でございます。

今後ともより一層精進し、
ご期待にお応えできるよう
努めてまいります。

何かご不明な点がございましたら、
いつでもお気軽にお声がけください。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

○○株式会社
○○部 ○○ ○○
電話:000-0000-0000
メール:sample@company.co.jp

2. プロジェクト完了後の評価への返礼

件名:【御礼】○○プロジェクト完了に際してのお言葉について

○○株式会社
プロジェクトマネージャー ○○様

平素より格別のご高配を賜り、
厚く御礼申し上げます。

○○プロジェクトの完了に際し、
温かいお言葉をお寄せいただき、
心より感謝いたします。

とんでもございません。
今回のプロジェクトが成功に至ったのは、
○○様をはじめとする関係者皆様の
ご協力とご指導の賜物でございます。

特に、企画段階でいただいた貴重なご意見や、
進行中の適切なアドバイスがなければ、
これほどスムーズに進めることは
できませんでした。

次回以降も、今回の経験を活かし、
さらに質の高い成果をお届けできるよう
チーム一同励んでまいります。

引き続きご指導ご鞭撻のほど、
何卒よろしくお願い申し上げます。

○○株式会社
○○部 ○○ ○○
直通:000-0000-0000

3. 提案書・企画への高評価

件名:【御礼】ご提案書へのご評価をいただき恐縮です

○○株式会社
取締役 ○○様

いつもお世話になっております。
○○の○○でございます。

先日ご提出いたしました企画提案書について、
ご高評価をいただき、
誠にありがとうございます。

とんでもございません。
○○様から事前にお聞かせいただいた
貴重なご要望やご期待を、
正確に反映できているか心配でしたが、
このようなお言葉をいただき、
安堵いたしました。

ご指摘いただいた改善ポイントにつきましては、
○月○日(○曜日)までに修正版を
お送りいたします。

また、実施段階でのご不明点やご要望が
ございましたら、遠慮なくお申し付けください。
迅速に対応させていただきます。

この度は貴重なお時間を割いて
ご検討いただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

○○株式会社
企画部 ○○ ○○

【社内】上司・同僚への返礼

4. 上司からの評価への返し

件名:【御礼】先ほどのお言葉について感謝申し上げます

○○部長

お疲れ様です。
○○部の○○です。

先ほどはお忙しい中、
温かいお言葉をいただき、
ありがとうございました。

とんでもございません。
○○部長の日頃からのご指導と
的確なアドバイスがあったからこそ、
今回の成果を上げることができました。

特に、○○の件でいただいたご助言は、
方向性を見直すきっかけとなり、
結果的により良い提案につながりました。

今回学んだことを今後の業務に活かし、
部全体の成果向上に貢献できるよう、
より一層努力してまいります。

何かご不明な点やお気づきの点が
ございましたら、いつでもお声がけください。
すぐに対応いたします。

引き続きご指導のほど、
よろしくお願いいたします。

○○部 ○○ ○○
内線:○○○○

5. 他部署からの協力感謝への返礼

件名:【御礼】ご協力いただいた件でのお礼について

○○部の皆様

いつもお疲れ様です。
○○部の○○です。

このたびは○○の件で、
お忙しい中ご協力いただき、
また丁寧なお礼のメールまで頂戴し、
恐縮いたします。

とんでもございません。
むしろ、○○部の皆様の迅速で的確な
ご対応があったからこそ、
期日内に完了することができました。

特に○○さんには、
専門的な観点からの貴重なアドバイスを
いただき、品質向上に大いに貢献していただきました。

今後も部署間で連携を密にし、
会社全体の成果向上に貢献できるよう
努めてまいります。

また何かお手伝いできることがございましたら、
遠慮なくお声がけください。
喜んでご協力させていただきます。

改めまして、この度は本当に
ありがとうございました。

○○部 ○○ ○○

6. 後輩・部下からの感謝への返礼

件名:【返信】お疲れ様でした!こちらこそありがとう

○○さん

お疲れ様です。
○○です。

丁寧なお礼のメール、
ありがとうございました。

とんでもございません。
○○さんの真摯な取り組み姿勢と
積極的な質問があったからこそ、
私も改めて学ぶことができました。

今回のプロジェクトでの○○さんの成長ぶりは、
本当に素晴らしいものでした。
特に○○の部分での発想力と実行力には
感心させられました。

これからも分からないことがあれば、
何でも気軽に相談してください。
一緒に解決していきましょう。

○○さんのさらなる活躍を
楽しみにしています。

お疲れ様でした!

○○部 ○○

【感謝への返礼】サポート・協力関連

7. 急な依頼への対応感謝

件名:【御礼】急なお願いにご対応いただき感謝申し上げます

○○様

いつもお世話になっております。
○○です。

先日は急なお願いにも関わらず、
迅速にご対応いただき、
また温かいお言葉まで頂戴し、
心より感謝申し上げます。

とんでもございません。
○○様のおかげで、
お客様にも喜んでいただくことができ、
私どもも大変うれしく思っております。

○○様の専門的な知識とご経験による
的確なアドバイスがなければ、
これほどスムーズに解決することは
できませんでした。

今後も何かお困りのことがございましたら、
私どもでお役に立てることがあれば、
いつでもお声がけください。
可能な限りサポートさせていただきます。

季節の変わり目でございますので、
お体にはくれぐれもお気をつけください。

引き続きよろしくお願いいたします。

○○株式会社
○○部 ○○ ○○

8. 研修・指導後の感謝への返礼

件名:【御礼】研修のお礼について - こちらこそ学びの多い時間でした

研修参加者の皆様

昨日はお疲れ様でした。
研修講師を務めました○○です。

研修終了後に多数の皆様から
温かいお言葉をいただき、
誠にありがとうございました。

とんでもございません。
皆様の熱心な取り組み姿勢と
鋭いご質問のおかげで、
私自身も多くの気づきと
学びを得ることができました。

特に、○○についてのディスカッションでは、
現場の皆様ならではの視点を
教えていただき、大変勉強になりました。

本日お伝えした内容が、
皆様の日々の業務に少しでも
お役に立てれば幸いです。

資料については、改良版を作成次第、
メールでお送りいたします。
また、ご質問やご不明な点がございましたら、
いつでもご連絡ください。

改めまして、昨日は有意義な時間を
ありがとうございました。

○○部 ○○ ○○
直通:000-0000-0000

【接客・サービス業】お客様への返礼

9. お客様からの評価・口コミへの返し

件名:【御礼】温かいお言葉をいただき、スタッフ一同感激しております

○○様

この度は当店をご利用いただき、
誠にありがとうございました。

また、スタッフへの温かいお言葉と
高い評価をお寄せいただき、
心より感謝申し上げます。

とんでもございません。
○○様にご満足いただけたことを
スタッフ一同で共有し、
皆で喜んでおります。

お褒めいただいたサービスは、
お客様お一人おひとりに
心を込めてお応えしたいという
私どもの想いの表れでございます。

○○様からいただいたお言葉を励みに、
今後ともより一層のサービス向上に
努めてまいります。

季節的にお忙しい時期かと存じますが、
お体にはくれぐれもお気をつけください。

またのご来店を、
スタッフ一同心よりお待ちしております。

○○店
店長 ○○ ○○
電話:000-0000-0000

【フォーマル】表彰・公式行事関連

10. 社内表彰・受賞時の返礼

件名:【御礼】この度の表彰について深く感謝申し上げます

関係者の皆様

この度は○○賞という名誉ある賞を
いただき、誠にありがとうございました。

皆様から温かいお祝いのお言葉を
数多くいただき、身に余る光栄に存じます。

とんでもございません。
この栄誉は、日頃からご指導いただいている
上司の皆様、そして共に努力してくれた
チームメンバーのおかげでございます。

特に、○○の開発段階では
多くの困難がありましたが、
皆様の支えがあったからこそ
乗り越えることができました。

この受賞を励みとし、
今後ともより一層努力を重ね、
会社の発展に貢献できるよう
精進してまいります。

改めまして、皆様のご指導ご支援に
心より御礼申し上げます。

○○部 ○○ ○○

11. 講演・セミナー後の評価

件名:【御礼】講演会へのお褒めの言葉について感謝申し上げます

ご参加いただいた皆様

昨日は貴重なお時間を割いて
○○講演会にご参加いただき、
誠にありがとうございました。

講演終了後に多数の皆様から
温かいお言葉をいただき、
心より感謝申し上げます。

とんでもございません。
皆様の真剣なご聴講と
的確なご質問があったからこそ、
私自身も多くの学びを得ることができました。

特にQ&Aセッションでいただいた
現場ならではの貴重なご意見は、
今後の研究活動に大いに参考になります。

お配りした資料に加えて、
昨日のディスカッションを踏まえた
補足資料を後日お送りいたします。

ご質問やご不明な点がございましたら、
いつでもお気軽にご連絡ください。

皆様の今後のご活躍を
心よりお祈りしております。

○○研究所
主任研究員 ○○ ○○

【控えめ・上品な表現】言い換えパターン

12. より上品な謙遜表現

件名:【御礼】身に余るお言葉をいただき恐縮至極です

○○様

いつもお世話になっております。
○○です。

先ほどは身に余るお言葉をいただき、
ありがとうございました。

恐れ入ります。
とんでもございません。

○○様からいただいたご指導と
お心遣いがあったからこそ、
今日この結果を得ることができました。

このような過分な評価をいただき、
身の引き締まる思いでございます。

今後ともご指導ご鞭撻のほど、
何卒よろしくお願い申し上げます。

○○株式会社
○○部 ○○ ○○

【バランス型】謙遜しすぎない適切な返礼

13. 成果を認めつつ謙遜

件名:【御礼】プロジェクト成功へのお言葉について

○○様

いつもお世話になっております。
○○です。

○○プロジェクトの件で、
お褒めの言葉をいただき、
ありがとうございました。

とんでもございません。
ただ、チーム一丸となって
取り組んだ結果として、
良い成果を出せたことは確かです。

今回のプロジェクトでは、
○○様からいただいた初期のアドバイスが
方向性を決める重要な要因となりました。
改めて感謝申し上げます。

この経験を活かし、
次回はさらに良い結果を
お届けできるよう努めてまいります。

引き続きよろしくお願いいたします。

○○株式会社
○○部 ○○ ○○

【英語併記】国際的なビジネス環境

14. 英語併記版(グローバル企業向け)

件名:Thank you for your kind words / 温かいお言葉への御礼

Dear Mr./Ms. ○○,

Thank you very much for your encouraging words 
about our recent project collaboration.
Your feedback means a great deal to our team.

このたびのプロジェクトについて、
温かいお言葉をいただき、
誠にありがとうございました。

とんでもございません。
チーム一同、このような評価をいただき、
身に余る光栄に存じます。

Your expertise and guidance throughout 
the project were invaluable to our success.
We couldn't have achieved these results 
without your support.

○○様の専門的な知識とご指導が、
今回の成功の大きな要因でした。
心より感謝申し上げます。

We look forward to continuing our 
productive partnership in future projects.

今後ともどうぞよろしく
お願いいたします。

Best regards,
○○ ○○
○○ Company
Phone: +81-00-0000-0000
Email: sample@company.co.jp

【緊急時・重要案件】丁寧さを重視

15. 重要な案件での評価への返礼

件名:【重要】○○案件へのご評価について深く感謝申し上げます

○○株式会社
代表取締役 ○○様

平素より格別のご高配を賜り、
厚く御礼申し上げます。

この度は○○案件について、
過分なご評価をいただき、
誠にありがとうございます。

とんでもございません。
このような重要な案件に
関わらせていただけたこと自体が、
私どもにとって大変な光栄でした。

○○様はじめ関係者の皆様の
ご理解とご協力があったからこそ、
無事に完了することができました。

特に、プロジェクト初期段階での
○○様の的確なご判断は、
後の展開において極めて重要な
意味を持ちました。

今回の経験を糧として、
今後ともより一層の精進を重ね、
貴社のご期待にお応えできるよう
努めてまいります。

末筆ながら、○○様のますますの
ご健勝とご発展をお祈り申し上げます。

○○株式会社
取締役 ○○ ○○

16. 危機対応後の評価への返礼

件名:【御礼】緊急対応へのお言葉について心より感謝申し上げます

関係者の皆様

この度の緊急事態における対応について、
お褒めの言葉をいただき、
心より感謝申し上げます。

とんでもございません。
今回の迅速な解決は、
関係者の皆様の冷静なご判断と
的確なご協力があったからこそ
実現できたものです。

特に深夜・休日にも関わらず
ご対応いただいた皆様には、
改めて深く感謝いたします。

今回の経験を教訓として、
再発防止策の策定と
緊急時対応体制の更なる強化に
取り組んでまいります。

何かご不明な点やご意見がございましたら、
遠慮なくお聞かせください。

今後ともどうぞよろしく
お願いいたします。

危機管理室
室長 ○○ ○○
緊急連絡先:000-0000-0000

相手・状況別の自然な言い換え表現一覧

「とんでもございません」だけでは対応しきれない場面もあります。相手との関係性や状況に応じた言い換え表現を使い分けることで、より自然で温かみのあるコミュニケーションが実現できます。

相手・状況 言い換え表現 使用場面 具体的な使用例
目上の方(社外) 身に余る光栄です 格式高い場面 「身に余る光栄に存じます」
同僚・部下 恐れ入ります 適度な謙遜 「恐れ入ります、お褒めいただき」
お客様 恐縮でございます サービス業での返礼 「恐縮でございます。喜んでいただけて」
チーム成果 皆様のおかげです 協働の強調 「チーム一丸の成果でございます」
感謝への返礼 お役に立てて何よりです サポート後 「お役に立てて何よりでございます」
軽い褒め ありがたく存じます 日常的な謙遜 「ありがたくお言葉をいただき」

よくある間違いと正しい使い方の対比

実際のビジネスシーンでは、「とんでもございません」を間違った場面で使ってしまうケースが散見されます。正しい使い分けを身につけましょう。

絶対にやってはいけない間違い例

事実否定での誤用
「その報告書の内容はとんでもございません」
→ 正解:「その報告書の内容はとんでもないものです」

重複表現
「申し訳とんでもございません」
→ 正解:「申し訳ございません」または「とんでもございません」

公式文書での使用
契約書:「当該行為はとんでもございません」
→ 正解:「当該行為は不適切と判断いたします」

謝罪と混同
トラブル時:「とんでもございません、申し訳ありません」
→ 正解:「申し訳ございませんでした」(謝罪に専念)

自然で温かみのある使い方のコツ

  • 感謝の気持ちを先に:「ありがとうございます。とんでもございません」の順序で
  • 具体的な理由を添える:「チームの協力があったからこそ」など背景を説明
  • 相手への配慮も忘れずに:「ご指導のおかげです」と相手の貢献も認める
  • 過度な謙遜は避ける:適度なバランスで自信も示す

業界・相手別の使用頻度と認知度

業界や相手によって「とんでもございません」の認知度や期待される使用頻度が異なることも理解しておきましょう。

業界・相手 使用頻度 認知度 おすすめ度 注意点
金融・保険 ★★★★★ 正式文書では避ける
官公庁・公的機関 ★★★★★ 公文書では使用不可
製造業・商社 ★★★★☆ 技術系では簡潔な表現好む
IT・ベンチャー ★★★☆☆ カジュアルな表現が好まれる
外資系企業 ★★☆☆☆ 英語併記や簡潔な表現を

よくある質問(FAQ)

「とんでもございません」は本当に正しい敬語なのですか?
はい、文化庁の『敬語の指針』で正式に「問題ない」と認められています。褒めや感謝への返礼として使用する限り、適切な敬語表現です。ただし、使う場面を正しく理解することが重要です。
「とんでもありません」との違いはありますか?
意味は同じですが、「とんでもございません」の方がより丁寧で格式高い表現とされています。ビジネスシーンや目上の方に対しては「とんでもございません」を使う方が適切でしょう。
目上の人や重要なお客様にも使えますか?
はい、むしろ目上の方や重要なお客様にこそ適した表現です。ただし、非常にフォーマルな場面では「身に余る光栄です」「恐れ入ります」なども併用することで、より丁寧な印象を与えられます。
どのような場面では絶対に使わない方がよいですか?
事実や行為を否定する場面、相手の非難に反論する時、契約書などの公式文書では使用を避けてください。これらの場面では「とんでもないことです」「不適切と判断します」などの表現を使います。
外国の方とのやり取りではどう表現すればよいですか?
英語では”Not at all”や”I’m honored”が近い表現です。ただし、日本の謙遜文化は理解されにくい場合があるため、”Thank you for your kind words”のように素直に感謝を表現する方が効果的な場合もあります。
メールで使う時の注意点はありますか?
メールでは相手の表情が見えないため、「とんでもございません」だけでは冷たい印象を与える可能性があります。「ありがとうございます」などの感謝の言葉と組み合わせ、理由や背景も添えることで温かみのある文章になります。

まとめ:自信を持って「とんでもございません」を使おう

「とんでもございません」は文化庁が認めた正しい敬語表現です。褒めや感謝への返礼として、自信を持って使用できます。

成功のための5つのポイント

  1. 場面を正しく判断する:褒め・感謝への返礼でのみ使用
  2. 感謝の気持ちを込める:「ありがとうございます」と組み合わせる
  3. 具体的な理由を添える:「チームの成果です」など背景を説明
  4. 相手に応じて言い換えも活用:「身に余る光栄です」なども使い分ける
  5. 温かみのある表現を心がける:機械的にならず、相手への配慮も示す

適切な敬語の使用により、相手との信頼関係を深め、より良いビジネスコミュニケーションを実現できます。今日から早速、場面に応じて「とんでもございません」を活用してみてください。

参考文献・引用情報