【例文付】資料送付メールの書き方完全ガイド|ビジネスのあらゆるシーンに対応

ビジネス連絡
資料送付メールは、件名で「何の資料をどう送るか」を明確にし、本文は要点と確認事項を短くまとめることが基本です。大容量ファイルは期限付きクラウド共有が安全で、従来のPPAP(パスワード付きZIP)は多くの企業で代替手段に移行しています。

適切な宛先設定(To/Cc/Bcc)と丁寧な確認依頼により、相手に負担をかけずにスムーズな資料共有が実現できます。

資料送付メールの5つの基本原則

効果的な資料送付メールには、以下の5つの原則があります。これらを守ることで、相手にとって分かりやすく、ビジネスを円滑に進められます。

  1. 件名に資料名・送付方法・目的を明記
    何の資料を、どの方法で送るかを件名で分かるようにします。「【資料送付】製品カタログ(添付:PDF)」のように具体的に記載しましょう。
  2. 容量に応じた送付方法の選択
    2〜3MBを超える場合は添付ではなく、期限付きクラウドリンクでの共有が推奨されます。相手の受信環境への配慮も重要です。
  3. PPAP代替手段の採用
    パスワード付きZIPファイルの別送は、セキュリティ上の課題から多くの企業で禁止されています。クラウド共有や専用転送サービスを活用しましょう。
  4. 適切な宛先設定
    To(対応が必要な人)、Cc(情報共有する人)、Bcc(アドレスを秘匿したい場合)を正しく使い分けることで、誤送信を防げます。
  5. 要点と確認事項の明確化
    資料の要点、確認期限、問い合わせ先を明記し、相手が次に取るべき行動を分かりやすく伝えます。

【場面別】資料送付メール件名テンプレート25選

実務でそのまま使える件名テンプレートを25パターンご紹介します。【 】内を実際の情報に置き換えてください。

カテゴリ 件名テンプレート 適用場面
基本 【資料送付】【案件名】のご案内(添付:PDF) 最も汎用性の高い基本形
商品・サービス 【資料送付】【製品名】パンフレット/価格表(添付:PDF・Excel) 商品カタログや価格表の送付
クラウド共有 【リンク共有】【案件名】資料一式(有効:【8/31】) 大容量ファイルのクラウド共有
再送 【再送】【資料名】の送付(前回メールの再掲) 未達や迷惑メール対策の再送
確認依頼 【確認依頼】【資料名】の内容ご確認について(期限:【8/20】) 資料の確認や承認が必要な場合
会議用 【会議用】【会議名】事前資料の送付(議題含む) 会議前の資料配布
面接・採用 【面接用】候補者向けご案内資料の送付(持参物あり) 面接候補者への案内資料
商談 【商談用】比較表(1枚)+提案書(全10P)送付の件 商談時の提案資料
契約 【契約関連】ドラフトの送付(差戻し可) 契約書のドラフト送付
請求 【請求関連】請求書送付のご連絡(添付:PDF) 請求書の送付
見積 【見積】お見積書送付の件(有効期限:【9/30】) 見積書の送付
修正版 【修正版】【資料名】差替版の送付(変更点あり) 修正した資料の差し替え
ダウンロード 【ダウンロード可】【資料名】共有リンク(有効:【8/31】) ダウンロード用リンクの共有
郵送併用 【郵送併記】原本は郵送予定/控え資料をメール送付 郵送とメール送付の併用
共同開催 【共同開催】配布資料の共有(パートナー各位) 協力会社との資料共有
取材 【取材用】当日配布資料の送付(連絡先あり) 取材時の配布資料
社内 【社内】稟議資料の送付(要承認) 社内での承認が必要な資料
社内会議 【社内】議事用資料の送付(印刷不要) 社内会議の配布資料
多言語 【英語版あり】【資料名】JP/ENの送付 日英両方の資料がある場合
動画 【動画リンク】デモ動画+補足資料(有効期限あり) デモ動画と関連資料の送付
容量変更 【大容量】Zip→リンクへ変更(解凍不要) 送付方法の変更通知
アンケート 【回答フォーム】資料閲覧後の質問受付(3分) 資料送付後のフィードバック収集
提案 【初回提案】1枚サマリ+詳細資料の送付 新規提案の資料送付
任意 【フォロー不要可】資料送付のご連絡(不要なら一報ください) 相手の負担を軽減したい場合
最終 【最終案内】資料最終版の送付(本メールで確定) 最終的な資料の送付
件名作成のポイント
資料名、送付方法(添付/リンク)、目的を具体的に記載することで、受信者が一目で内容を把握できます。期限がある場合は日付も含めましょう。

資料送付メール本文テンプレート12選

実際のメール本文で使える、状況別のテンプレートをご紹介します。コピーして【 】内を置き換えるだけで使用できます。

1. 基本パターン(添付ファイル・小容量)

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。
ご依頼いただきました【資料名】を添付にてお送りします。

・添付:【資料名_2025-08-15.pdf】(約1.2MB)
・要点:【製品概要】/【価格情報】
・ご確認期限:【8/20(火)】まで

内容についてご不明点がございましたら、
お気軽にお知らせください。

引き続きよろしくお願いいたします。

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【署名】
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2. 大容量ファイル(クラウドリンク共有)

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

【資料名】をお送りします。
ファイル容量が大きいため、期限付きリンクで共有いたします。

・資料一式リンク:【URL】
・有効期限:【8/31(土)】まで
・ダウンロード所要時間:約【10分】

期限内のダウンロードにご協力ください。
ご不明点がございましたらお知らせください。

引き続きよろしくお願いいたします。

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【署名】
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3. 会議・商談用事前配布

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

【8/20(火)】の【会議名/商談】の事前資料をお送りします。

・議題:【新商品について】
・決めたいこと:【導入時期と予算】
・重要ページ:【p.4, p.7】

当日は印刷不要です。
事前にご一読いただければ幸いです。

引き続きよろしくお願いいたします。

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【署名】
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4. 見積書の送付

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

お見積書をお送りします。

・見積番号:【QT-2025-001】
・対象:【システム導入サービス】
・見積金額:【1,000,000円】(税別)
・有効期限:【9/30(月)】

ご検討のほどよろしくお願いいたします。
ご質問がございましたらお気軽にお知らせください。

――――――――――――――――――――
【署名】
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5. 請求書の送付

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

【8月分】の請求書をお送りします。

・請求金額:【500,000円】(税込)
・支払期日:【8/31(土)】
・振込先:【○○銀行 ××支店 普通 1234567】

お忙しい中恐縮ですが、期日までのお支払いを
よろしくお願いいたします。

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【署名】
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6. 契約書ドラフトの送付

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

契約書のドラフトをお送りします。

・形式:Word形式(修正可能)/PDF形式(確認用)
・修正期限:【8/25(日)】まで
・想定スケジュール:【9/1】合意予定

修正箇所がございましたら、赤字でご指摘ください。
ご不明点もお気軽にお知らせください。

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【署名】
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7. 修正版の差し替え送付

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

先ほどお送りした資料に修正がございましたため、
差し替え版をお送りします。

・変更点:【p.6の金額修正】【p.9の図表差し替え】
・差し替えファイル:【資料名_Rev2.pdf】

お手数をおかけして申し訳ございません。
差し替え版でご確認をお願いいたします。

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【署名】
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8. 再送(未達・迷惑メール対策)

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

【8/15】にお送りした資料が未達の可能性があり、
念のため再送いたします。

・内容:前回と同じ資料です
・代替手段:共有リンク(有効:【8/31】)【URL】

受信制限等でメールが届かない場合は、
上記リンクからダウンロードください。

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【署名】
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9. 郵送併用の案内

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

【契約書】の原本を郵送いたします。

・発送方法:【簡易書留】
・到着予定:【8/18(日)】
・控え:添付PDFをご参照ください

原本到着まで、添付PDFで内容をご確認ください。

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【署名】
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10. 英語版併記

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

【製品カタログ】の日本語版・英語版をお送りします。

・日本語版:【カタログ_JP.pdf】
・英語版:【カタログ_EN.pdf】

必要な方をご活用ください。

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【署名】
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11. PPAP代替手段への変更

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

セキュリティ向上のため、パスワード付きZIPファイルではなく、
期限付きリンクで資料を共有いたします。

・共有リンク:【URL】
・有効期限:【8/31(土)】
・アクセス制限:【貴社ドメインのみ】

より安全な方法での共有にご理解ください。

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【署名】
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12. 誤送信のお詫び・回収依頼

【会社名】
【部署名】
【氏名】 様

お世話になっております。【自社名】の【氏名】です。

先ほど誤って【間違った資料】をお送りしてしまいました。
深くお詫び申し上げます。

・お願い:当該メールの削除と添付ファイルの破棄
・原因:【ファイル名の類似による取り違え】
・再発防止策:【送信前の複数人チェック体制】

正しい資料を改めてお送りいたします。
ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。

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【署名】
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よくある問題と改善事例

資料送付メールでよく見られる問題点と、より効果的な改善例をご紹介します。適切な表現により、相手との関係を保ちながら効率的な資料共有ができます。

件名の改善事例

改善前 改善後 改善ポイント
資料を送ります 【資料送付】製品カタログ(添付:PDF, 2MB) 具体的な資料名と形式・容量を明記
添付ファイルです 【見積書】お見積書送付の件(有効期限:9/30) 資料の種類と重要な期限情報を含む
重要な書類 【契約関連】業務委託契約書ドラフト(差戻し可) カテゴリと対応可能な内容を明示

本文の改善事例

改善前 改善后 改善ポイント
資料を添付しました。確認してください。 ご依頼の資料を添付いたします。8/20までにご確認いただければ幸いです。 丁寧な表現と具体的な期限を設定
ファイルが大きいのでリンクです。 ファイル容量が大きいため、期限付きリンク(有効:8/31)で共有いたします。 理由の説明と期限の明示
何かあったら連絡してください。 ご不明点がございましたら、下記までお気軽にお知らせください。 具体的で親しみやすい表現

送付方法の改善事例

改善前 改善后 改善ポイント
大容量ファイルを無理に添付 2MB超は期限付きクラウドリンクで共有 受信環境への配慮と確実な配信
PPAP(パスワード付きZIP)の継続使用 セキュアなクラウド共有や専用転送サービス セキュリティ向上と運用効率化
全員をToに設定 対応者をTo、共有者をCc、秘匿が必要な場合はBcc 適切な宛先設定と誤送信防止

資料送付メールの実務運用ルール

資料送付メールを効果的に運用するための3つの重要なルールをご紹介します。

  1. 件名と本文の情報一致
    件名で約束した内容を本文で確実に説明し、添付ファイル名や形式、サイズを明記します。期限がある場合は必ず日付を含めましょう。
  2. 容量に応じた最適な送付方法
    2〜3MBを超える場合は添付ではなく期限付きリンクを使用し、受信側の環境制限を考慮した方法を選択します。
  3. セキュリティと利便性の両立
    PPAPの代替として、アクセス制限付きクラウド共有や専用転送サービスを活用し、安全性と使いやすさを両立させます。
送信タイミングの目安:
・契約書・見積書:営業日の午前中
・会議資料:開催の1〜2日前
・大容量ファイル:受信側の業務時間内
・緊急資料:電話での事前連絡も併用

よくある質問と回答

Q1. 添付ファイルの容量制限はどの程度ですか?

A. 2〜3MBを目安にしましょう。それを超える場合は期限付きクラウドリンクでの共有が推奨されます。受信側の企業によっては1MBや10MBなど制限が異なるため、事前に確認するか分割送信を検討してください。

Q2. PPAPを使わない場合の代替手段は何ですか?

A. 期限付きクラウド共有、専用ファイル転送サービス、メールゲートウェイの活用が主流です。GoogleドライブやDropboxの期限付きリンク、大手企業向けの専用転送サービスなどがあります。

Q3. To、Cc、Bccはどう使い分けるべきですか?

A. To(対応が必要な人)、Cc(情報共有する人)、Bcc(アドレスを秘匿したい場合)で使い分けます。外部への一斉送信はBccが基本で、誤って全員のアドレスが見える状態を避けることが重要です。

Q4. 送付後のフォローはどうすればよいですか?

A. 確認期限を設定し、3〜5営業日で受領確認を行いましょう。「行き違いでしたらご容赦ください」という一文を添えることで、相手への配慮を示せます。

Q5. 郵送とメール送付を併用する場合の注意点は?

A. 原本の発送方法・到着予定日を明記し、PDF控えを添付します。どちらが正式版かを明確にし、相手が混乱しないよう配慮することが大切です。

Q6. 相手がファイルを開けない場合の対処法は?

A. 別形式での再送、クラウドリンクでの共有、圧縮ファイルの分割などを提案します。文字化けやソフトウェアの違いが原因の場合が多いため、PDF形式での再送が効果的です。

送信前の確認チェックリスト

90秒でできる送信前チェック:
□ 件名に資料名・送付方法・目的を記載
□ 本文に要点・確認期限・問い合わせ先を明記
□ ファイル名・形式・サイズを本文で説明(またはリンク有効期限)
□ To/Cc/Bccの宛先設定が適切
□ 署名に連絡先(電話・メール)を記載
□ 機密情報は適切なセキュリティ手段で保護

まとめ

資料送付メールは、件名の明確性と本文の簡潔性がビジネスの効率化に直結します。適切な送付方法の選択セキュリティへの配慮相手への丁寧な確認依頼を心がけることで、スムーズな資料共有が実現できます。

今回ご紹介した25の件名テンプレートと12種類の本文例を状況に応じて活用し、改善事例を参考にメール品質を向上させてください。継続的な実践により、信頼関係の構築と業務効率化の両立が可能になるでしょう。

次のアクション:
次回資料を送付する際は、今回のテンプレートを活用して相手への配慮と効率性を両立させてください。受信側の反応や要望を観察することで、自社に最適な資料送付手法を確立できます。